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起業・中小企業経営

こんなお客様は嫌だ -税理士が嫌がるお客様のタイプ

2019.06.19

 

    1.税理士どおしの交流

 

 税理士どおし、わりと横のつながりがありいろいろな場で情報交換しています。典型的なのが税務署の管轄ごとにある税理士会の支部活動でしょう。昨日は私は所属している練馬西支部の野球部の練習に出てきました。この季節、ブロックごとの野球のリーグ戦があり、それに備えての練習です。我々練馬西は城北ブロックということで練馬東、王子、板橋、豊島、荒川などでリーグ戦を行います。わが練馬西支部は和気あいあいをモットーに楽しくやっており、一応Aクラス入り目指していますが本当はなんとか一つは勝つといった感じです。

 昨日の練習も元甲子園児の日本生命職員の方にノックをやシートバッティングのピッチャーをやっていただきました。ノックではフライのバンザイ、ゴロのトンネルは珍しくなく珍プレーの宝庫ではあります。また、こういった野球で汗を流した後は、あとの飲み会ビールで補給しますので、それもまた楽しみです。

 

    2.困ったお客様

 

 飲み会などあると多少困ったお客様関係の愚痴はたまに出ます。やはり一番税理士が嫌がるのはかくし事をする方でしょう。こっそり売上げを抜いたり、経費を水増ししたりする方です。そして、税理士が発見したとしても、いろいろと理由(へ理屈的なものが多いです)を付けてアドバイスに応じない方です。税務調査の際、隠していることがいきなり露見しても、知らないわけですから税理士としては対策を立てようもありません。かつそのような方に限って、「何とかしてほしい」といったり税理士に責任を押し付けたりと無理を言ってくるそうです。幸い自分のお客様にはそのような方はいないので非常にありがたいことだと思っています。

 税務調査で脱税ほう助など税理士の関与が疑われるとよくても業務停止、最悪税理士資格はく奪で刑事罰の可能性もありますから、全くわりにありません。

 2つ目は申告の直前まで資料をくれない方です。決算などはおそらく普通の方にとっては面倒なことですし、かつ人間面倒なことは後回しにしがちです。このあたり私も十分理解はできます。ただ、税理士も普通何件もお客様がいるのである程度スケジュールを組んでやっています。そこに大幅に遅れる方がいると作業効率も良くないです。加えてやはり時間に追われて慌てて作業をすると間違えの可能性も高くなります。

 3つ目はやはりあれこれと何でも頼んでくるのですが、それに対する報酬を一切払わない方です。いろいろ契約形態によって異なりますが、例えば銀行からの融資で試算表を用意するくらいは通常の顧問報酬の中に入っていると思いますが、その中で事業計画の作成などを依頼された場合はそれは通常の顧問料金の外であることは多いです。こういった付帯サービスをあれこれお願いするのだけど支払いはしないという方は困ります。

 やはり税理士も人間なので困ったお客さんに対してはあまり親身にはなれませんし、事務的に淡々と仕事をすることとなると思われます。私の場合はわりと率直に申し上げ、場合によってはお断りしたこともかつて1件ありました。

 

    3.意外に嫌がられないお客

 お客様でよく「こんな初歩的なこと聞いてよろしいでしょうか」などと聞かれることがありますが、誰も質問されて面倒だという税理士は私の周りではいませんでした。意外とわりと私の周りの仲間では気軽に質問はしてもらった方がありがたいという方多いです。確かに変に自己流で変なことをやられてしまい収拾に困るより気軽に聞いていただいたほうがありがたいです。税務関係は「やる前」であったら何とかなりますが、「やってしまった後」では取り返しのつかないことも結構あります。そういった意味でもいろいろ聞いていただいたほうがありがたいです。

 ただ、緊急でもないのに土日祭日や平日でも早朝や夜遅く電話をひんぱんにかけてくる方はさすが嫌だという声は高かったです。確かに土日祭日でも営業されている方はいらっしゃるとは思いますが、やはり我々も休息は必要です。ただし、何か緊急時は当然かまいません。その際は遠慮なく土日休日でも差し支えはないですね。

 

 

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昔より銀行融資は楽になったといわれるけど・・・

2019.06.12

 

    1.政策金融公庫の方と昔話

 

 先日ぱったりとある団体の懇親会で政策金融公庫の方とお話しする機会がありました。実は私は新卒で入った会社が現在の政策金融公庫なので懐かしく昔の同僚の消息など聞いておりました。その中で最近の融資状況のお話など聞くと随分昔に比べて借手に優しくなったという話になりました。私が職員であった時は同居家族ではない第三者の連帯保証人は必須でしたし、千万単位の融資には担保を要求することもよくありました。現在は公庫の融資の場合、ある程度高額かつ借手の信用が低めの場合以外は担保は要求されませんし、連帯保証人はほぼ求められなくなりました。融資のお断わりのケースも随分減ったそうです。

 以前は銀行は晴れた日にはたくさん傘を差しだすのですが、雨が降るとみんな取り上げると悪評でしたが、前者の状況はあまり変わりませんが後者は随分減りました。それでもどしゃ降りな状況、言い換えれば明らかに返済が難しそうな会社には貸しません。この時世に断われてしまうというのはどのような要因があるのでしょうか?

 

    2.それでもこんな客には銀行は貸さない

 

 銀行から借りるために要因でハードルを明らかに上げてしまうのは以下のようなケースがあります。一つはすぐにお金が欲しいと融資を申し込むケースです。当然、支払いの直前に大口得意先が突然倒産したなど明らかに突発事項で仕方がない場合は除きます。ただ、きちんと資金繰りをしていれば数か月前、遅くとも一か月前にはお金が必要かそうでないかは分かっているはずです。銀行としてはこのような相手先は資金繰りもきちんとやっていなくて非常にずさんな経営だと想像します。経営がずさんだと融資の返済も滞るリスクも高くなるので避けるわけです

 赤字というのもハードルをあげる要因ではあります。ただ、赤字でも一時的な赤字である場合や、資金を入れることによってビジネスがうまく回り黒字になる道をある程度説明できればそのハードルはあまり高くはありません。一方単なる赤字の補てんで先が見通せない場合はハードルはかなり高いです。

 設備投資などでお金を借りす場合は自己資金があるというのは確実にハードルを下げます。銀行にとって借手が自己資金で手当てする場合にはやはり計画性があるという印象を抱き、印象は明らかに良くなります。特に製造業や店舗を持つ事業で自己資金ゼロまたは極めて少額で創業などというと計画性ゼロとみなされかなり難しくなります。だいたい自己資金の目安としては2割程度あれば印象は悪くないです。2500万で設備投資する場合、500万くらい自己資金用意して2000万融資申し込みだと印象はいいです。

 このケースの場合、設備投資で2500万、設備が収入をきちんと生むまでの運転資金に500万必要だとすると、手元の資金を運転資金に残して設備資金2500万融資を申しこむより、500万設備の自己資金として2000万設備、500万を運転資金として申し込むほうが見え方としては良くなります。

 

    3.銀行のしきいが高い人に

 

 事業を拡大するために自己資金だけでは難しいということはよくあります。特に新しい事業を始める際にきちんと自分でコツコツためてその範囲で投資をしていくというのは堅実で悪いことではないですが、一方スピードが足らずチャンスを逃すことも大いにあります。そういった意味では銀行などの金融機関との取引は重要です。初めての取引のポイントとしては「お金にある程度余裕があってさほど必要でないときに借りる」ことです。顧問税理士等がサポートしてくれるといっても銀行からお金を借りるというのは普通は気が重いものです。その最初が借りれるか否かであなたの会社の運命が来ますような時であるのはあまりにも大変です。

 加えて銀行の場合は最初の取引はよほどの引く手あまたの優良企業でもない限りハードルが高いです。ですから最初は余裕をもっていきたいものです。初めての取引で「自己資金でも大丈夫だけど銀行取引も重要だと思って申し込んだ」というのは非常に銀行の担当者が前向きになれる言葉です。「晴れ日に傘を貸してくれ」と言っているわけですから、銀行もかなり前向きになってくれます。

 いつか銀行取引が必要になりそうな方は是非余裕のある時こそ銀行と取引を始めてみてください。

 

 

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大企業との取引で絶対気をつけねばならないこと

2019.06.05

 

    1.大企業との取引がはじまった

 

 小さな会社にとって大企業との取引はうれしいものです。お客様や友人などでも上場企業と直接取引するようになりましたなどとうれしそうに報告を受けることがあります。やはりある程度の信用力がないと大企業とは一般的に取引できませんので喜ばしいことだとはおもいます。また、取引の規模も大きく売上げも大きなものが期待できます。しかし、一方リスクもあります。残念ながら大企業との取引が「終わりの始まり」になった悲しい例もあります。ただ、せっかくの取引ですからリスクにしり込みする必要はありません。こういったリスクを頭に入れつつ取引をすればいいのです

 

 

    2.品質等に厳しい

 

 有名な大企業と取引しているのだから品質も良いのだろうと割と思ってもらえるのは大企業との取引のメリットです。しかし、逆に言えば高い品質を求められすぎて、小さな企業だと体力が持たないということもあります

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ4月の終わりごろ破産手続きの開始を申し立て倒産しました。パナソニックやダイワハウスなど名だたる大企業などから110億円余りを調達していた有望ベンチャーでした。様々な記事を総合すると主力製品で多額の開発資金を投入していた世界初の全自動洗濯物折り畳み器機が完成しなかったことが主たる原因のようです。たいていの洗濯物は折りたためたのですが、ユニクロなどで売り出していたツルツルの素材のTシャツがどうしても折りたためなかったようです。

 これは想像ですが、パナソニックと組んでこの全自動洗濯物折り畳み機を販売しようとしていたことも一因ではないかと思われます。やはりブランド力のある高品質のメーカですから、かなり入念に品質はチェックして時間も労力もかなりかかってしまったはずです。おそらく米国などのベンチャーでしたら極端な話、折りたためない衣類があってもとりあえず販売してしまうといったこともあるかもしれません。このあたりの日本の大企業にありがちなこだわり体質と付き合ったことが一因かもしれないとこれはあくまで想像です。

 ただし、自分や自分の顧客の経験でもあった日本の大企業にありがちな過剰品質や過剰スペックに悩まされた経験、皆さんもあるのではないでしょうか。

 

    3.搾取体質と担当

 

 残念ながら大企業の中には「下請け」扱いをして「下請けと油はしぼればしぼるほどいい!」体質の会社意外にあります。加えて大企業の場合、ほとんど相手はサラリーマンですから中小企業の社長の痛み・苦しみがそもそも感覚的にわかりません。こういった会社は大口取引であることをいいことに、値段や納期、支払い条件などでかなりエグイ条件を出してきます。そもそもこのような会社は極端な話、大企業で自分は上、下請けは「取引させてやっている」という意識なので言いたい放題です。 また、大企業の場合担当も変わることがよくあるので前の担当者は良かったが新しい担当者はひどい人間が来るといったこともよくあります。

 私のお客様でも売上は下がってもこういった体質の大企業との取引をお断りして業績が飛躍的に伸びた会社もいくつかあります。売上があっても利益が低く要求だけ厳しいので、ただでさえ不足がちなリソースをたくさんかけていたのですが、それが解消されたからだと思われます。

 

    4.まとめ

 

 一方で大企業の中にはふところの深い、起業家やベンチャーを育てよう、取引先とは絞るのではなく、お互い対等のパートナーとして共存共栄で、といった志向の大企業も確かにあります。こういった企業は担当の方も丁寧でぞんざいに扱ったりしません。社風の良い企業はなんとなくわかるものです。ただし、やはりこんな素晴らしい企業でも多少担当で左右される可能性はあります。

 ポイントとしては、大企業だから大丈夫だろうではなく、むしろ大企業であるから契約書などはきちんと弁護士に問題がないか見てもらい、顧問税理士などと採算性などをチェックすることは大切です。結構大企業などの方がかなり一方的で不利な契約書を押し付けてくることは多いです。

 

 

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経営書には書いていない会社を成長させる社長の意外な特徴

2019.05.22

 

1.会社を成長させる社長の3つの特徴

 

 仕事柄、さまざまな社長さん、小さな会社からある程度大きな会社までお会いすることがあります。ここでいう社長さんといってもサラリーマン社長やプロ経営者と呼ばれるような方ではなく創業者社長さんです。自分も含めて別に会社を大きくしなければならないわけではないですが、一代で上場企業レベルまで企業を育てた社長さんは正直すごいなぁと思うわけです。

 あくまでも自分の印象にすぎませんがこういった会社を成長させる社長さんは3つの特徴があると思っています。

 一つはきらりと光るものを必ず一つは持っていることです。営業力がすごいとか、すごい技術を持っている、人を引き付ける力がすごいなどそれはあります。

 二つ目は意外に朝令暮改、しかし変えない部分はしっかり持つという点です。どんどん新し事はやりたがりますが、失敗と思ったらすぐやめるといった感じです。ただし、これはやると決意したことでやり通すというのは持っています。

 多分この2つの点はわりと一般のビジネス書などでも書いてあることだと思います。しかし、私が意外に思う会社を成長させる社長の特徴の1つとして、「どこか抜けているとところがあってそれを隠そうともしない」というところがあると思います。要するにどこか「抜け作」なところがあるのです。

 

2.どこか抜けている社長はなぜうまくいく

 

 非常に古典的なエピソードですが、本田宗一郎さんの話があります。本田さんは技術者としては素晴らしい方ではありましたがお金の扱いは苦手、最初はバイクを掛で販売したのは良いですが、そもまま相手にドロンされたりして焦げ付くなどいわゆる与信管理なども全くできない状況でした。ここで藤沢武夫さんという名参謀が表れて世界のホンダを創り上げていったことはあまりにも有名でしょう。この例でもあるように本田さんは自分のできない部分はしっかり認識していてそれを隠そうともせず、藤沢さんに任せたわけです。

 これは、最近の例ですが、O氏という経営コンサルティング会社出身でかつ起業して大きな会社を創り上げた方がいます。以前はテレビなどでも舌鋒鋭くすごく頭がよくて近づきにくそうだなと思っていました。しかし、その方の会社での側近の方に聞くと、「あの人おおざっぱで抜け作だからね・・・」と語っていて驚きました。わりとご本人、苦手なことろに対してもあけっぴろげで割と部下にそこは任せてしまうようでした。

 私の例でもある社長さんの例ですがこの方、ある程度の計数感覚持っていらっしゃる方ですが、本人好きではないようで、「もう川井さんに面倒見てもらう」と言って会社がかなり大きくなって、優秀なCFOが入社するまではほぼ任せっきり状態の方もいらっしゃいました。

 

3.秀才タイプはなぜうまくいかない

 

 

 

 逆に秀才タイプで何でも自分はできると豪語される社長さんもいらっしゃいます。ただ、残念ながらこういった会社で成長するケースあまり見たことがありません。優秀な方なのでアラが見えてしまうのか、いろいろなところに口を出してしまいます。社員の方も社長より一回り小さいといった感じの方が多く集まってしまい、萎縮してなんとなく元気のない会社になってしまいます。口グセは自分が仕事を任せられるような人は来ないというグチです。社長さんは優秀な方なので、そこそこは行くのですが止まってしまいます。悪いケースだと社長についてけないと社員がいつかなくて会社がつぶれてしまったのも知人の会社でありました。

 要するになんだか少し抜けている方の方がその部分を埋めようといった不思議な力学のようなものが働いて、優秀な方が来るような気がします。ただし、当然少しでもチャンスはあれば甘いミツに群がるアリが寄ってきて、甘い汁だけ吸いたいタイプも来ます。このあたりだけはそういっ相手が誠実な人物かどうか見抜く目た抜け作でも抜けてはいけない部分だと思います。変なパートナーを選んでしまうというのも特に技術系のベンチャーなどでよくみられる残念な例です。

 ポイントはおそらく得意な分野で勝負して、自分が抜けていることは気にせず、優秀で誠実な人間をパートナーとして選ぶという能力が必要なのだと思います。言うのは簡単ですが社長はお山の大将になりたい人多いですから自分も含めて非常に難しいです。

 

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残念な急成長企業に見られる3つの特徴

2019.05.16

 

1.非常に残念な成長企業

 

 非常に残念なのですが、大抵我々会計コンサルティングにご相談が来るのはかなり財務的症状が悪化してからいらっしゃいます。癌でいえばステージ0~1のうちに来てくれれば早急に手当するのできるのですが、大抵ステージ4の他の部分にも転移して会社の存続が危機に瀕しているような状況でご相談があるので回復可能性は低くなり時間も長くかかり、ダメージも大きくなります。

 冷たいようですが、当初から売上不振とかそのような状況であればある程度淘汰されてしまうのは仕方のないことだと思います。しかし、どんどん成長して社会からも必要とされているような企業がちょっとした油断でつまづいてしまうのは非常にもったいないと思います。どんどん成長しているとついつい忙しく、かつ売上などはぐんぐん伸びているので大丈夫などと過信してしまうのが怖いところです。

 こういった成長企業に忍び寄る危険のわかりやすい兆しは何かというと、「意外と手元にのこるキャッシュすくないな?」という感覚です。ただ、現在、割とこういった企業には銀行もバンバン貸してくれれるので「まぁいいか・・」と思っているうちにどんどん癌のように会社をむしばんでいきます。そういった残念な企業が陥りやすいパターンを見ていきます。

 

2.顧客管理が雑になる

 

 どんどん成長していくときの怖さの一つは顧客管理が雑になることです。多いのは売上や顧客のステータスに酔ってしまうパターンです。一流企業など取引が始まると確かにベンチャー企業などではうれしいものです。売上も一桁違うレベルだったりします。本当の一流企業は取引先とも長期的な関係で共存共栄を目指しますが、実は「下請け業者」扱いで搾り取る体質の企業も少なからず存在します。すると、売上が伸びたのにその割に利益が少なくなります。加えてサイトの問題があります。例えば顧客からの支払いが2か月後払いで、自分の会社の支払いが1か月払いであれば最低1か月分のその顧客に関する仕入経費は自己で確保しておかなければなりません。すると売上に比例してそのまま仕入経費は増えていきますからどんどんと資金は必要になってきます。

 顧客ごとの利益管理などはどんぶり勘定、加えて回収・支払いサイトなど無頓着ですとどんどん手元に残る資金は少なくなっていきます。私の顧客先A社でも似たようなケースがありました。一流企業B社との取引で業績がどんどん伸びたのですが、やはり収益性とサイトの条件が悪く、A社は経営危機になり相談を受けました。ただ、A社の社長さんからB社の担当役員は非常に人間性も優れた素晴らしい方だと聞いていたので思い切って条件の改善案を一緒に作成し相談に行ってもらいました。幸いB社の担当役員の方も共存共栄の発想の方だったので社内を説得してほぼ条件をのんでくださりました。

 最終的にA社は完全に立ち直り現在では上場も果たし超優良企業、一方B社役員の部署もA社との条件を不利にしたのにも関わらずA社の成長で売上、利益総額を大幅に伸ばしました。社内がそういった体質なのかこのB社はここ数年で売上を2倍以上伸ばした会社として有名です。

 

 

3.高コスト体質になる

 

 成長企業であるとやはり高コスト体質が徐々に忍び寄ってきます。コストのすべてが無駄というわけではないですが優先順位や取捨選択が重要です。たいていあるのが、無駄に家賃の高い事務所に移転する、または自社ビルなどを建ててしまうのが一つのパターンです。せめて前者であればまだ、家賃の安いところに戻ればいいですが、自社ビル立ててしまうと後で売却するころには半値以下・・・などということもよくあり致命傷になりがちです。

 そのほかに私の別の顧問先でもありましたが、無駄に有名な弁護士事務所やコンサルティング事務所などに頼んでしまうことです。有名=品質が高いでもないですし、加えて品質が高かったとしても分不相応なオーバースペックであれば意味がありません。

 その他にも様々な財団や団体から会費や寄付のお願いが来たりします。一つ一つはさほど大きくなくても気前よくやっていると結構つみあがってきます。一方、広告費など費用対効果がわかりにくいもののチェックが甘くなってきて、確かにきれいで素敵ですが何を主張しているのかわからないホームページやパンフレットが高額で出来上がってきたりします・・・

 こういた感じで徐々に徐々に高コスト体質はしみついていってしまうのです。

 

4.採用がいい加減になる

 

  成長途上においては人手が必要になります。しかし、結構頭数重視になってしまい採用がいい加減になりがちです。その中でやはり会社の価値観に合わない人材が入社すると確実に会社をむしばみます。こういった人材が入社すると一体感が失われたり、良質の人材が去って行ったりします。実はスキルよりもこういた価値観が会社とずれていないかは非常に重要です。

 また、不思議なことに無茶苦茶忙しい人と暇な人が明らかに出ます。成長企業は往々にしてできる人のところには仕事が集中し、そうでないところは仕事が来ません。当然忙しい人=できる人は不満がたまり、いわゆるできる人から辞めていく会社にあってボディブローのように会社の体力を弱めていきます。

 

 

5.成長の罠にかからないため

 本当は健康で資金に余裕があるうちに一種の健康診断的に経営診断はしてもらう必要があります。小さな会社ですと顧問税理士などが対応してくれるはずですが、こういった経営診断ができる顧問税理士はあまり多くないのが現状です。こういった成長企業に適した顧問に変更するか、ベンチャ―企業に強い経営コンサルタントなどに会社が健康なうちから見てもらう必要があるかと思います。健康なうちでしたら逆にコンサルタント費用も工数がかからないため高くないですし、財政的にも余裕があるはずです。

 手遅れに近い状態で飛び込んでいくるお客様を見るたびにもうあと数か月早く来てくれれば・・・といつも思うので書かせていただきました。

 

 

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本当に小さな会社では月次決算なんて必要ない?

2019.05.08


 

    1.そもそも月次決算とは

 

 長かったGW10連休も空けて世の中も通常モードに帰ってきたような気がします。私の場合は仕事柄あまりGWとかは関係なくややゆったり目の一週間だったかなというのが実感です。大きめな会社ですと月次決算を7日から始めるわけにはいかないので経理の方だとお仕事をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?逆に小さな会社ですと下手をすると1年間ほとんど領収書をためるだけで決算時期になって初めて顧問税理士にお願いする方もいるかもしれません。そもそも月次決算なんて何のために必要かと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

 簡単に言うと月次決算は経営者の通信簿です。本来の通信簿の役目は単に良い悪いの結果だけを表すもモノではなく、その結果を見て改善を図るもので同じように月次決算も経営に生かさないと意味がないです。ただ決算書は通信簿ほど親切ではなく単に数字でしか返ってきませんから、それをある程度咀嚼して経営に生かさなければ意味がないです。ですから非常に小さな会社で社長が計数観念が優れていて頭で売上利益、資金繰りの状況がぱっと浮かぶようであれば極端な話月次決算は不要です。

 

    2.月次決算をどう経営に生かすか?

 

 月次決算を経営に生かすためにはまずは売上と利益を見ることでしょう。ただ、売上と利益を見るにあたってのポイントがあります。当然結果として幾らの売上と利益があって、前年や前月または予算と比べてどうだったかという面は重要ですが、なぜその結果が起こったかを分析していく必要があるでしょう。その際に典型的なパターンは顧客ごとまたは商品サービス、または販売チャネルごとに見ていくパターンでしょう。たとえば顧客ごとに売上・利益を見ていくわけです。よくあるパターンは大口の顧客で売上はたくさんあるのですが実はいろいろとクレームや返品も多く実は利益が出ていなかったなどということです。こういった部門別計算ができていない小さな会社は多く、実はそのあたり少し手直しするだけで利益が2倍になった会社もあります。

 こういった部門別計算で売上は比較的分割できるのですが費用の部分は難しいという話はよく聞きます。ただ、最初は直接費用である商品だったら売上原価やリベートなど直接かかった費用だけでかまわないと思います。それ以外の間接的な費用がもし大きい場合は配賦手法がありますが、それについては実際のその会社を見て判断という形になると思います。

 また、決算では資金収支(いわゆるキャッシュフロー)も作成して資金繰り計画などに生かす必要があります。資金繰り計画などを作っておくことの一番のメリットは銀行借り入れが必要なタイミングなどがわかる点で、このようなものを作って早めに銀行の担当者などに話を持ち掛けておくと融資の確率はかなり高まります。

 そして次のステップとしては貸借対照表に載っている固定資産が有効に活用されているか、在庫の管理は適切か、回収や未払のサイクルは適切かなどいくつかの見るポイントがあります。このあたり経営者であれば、ある程度は勉強していただきたいとは思いますが得手不得手もあるだろうとは思いますし、まだまだ数字を自分自身でみることに不安がある経営者の方も多いと思います。どうすればよいでしょう?

 

    3.数字を見るのが苦手な社長さんはどうするか?

 

 基本的には顧問税理士にお願いすることでしょう。ポイントとしては単に「会計用語」ではなく「経営用語」に変換して説明してくれることでしょう。要するに経営者が経営にどう生かすかという視点で税理士が説明してくれることです。顧問税理士にもいろいろタイプがあって、記帳が早くて得意、節税に強い、経営相談に強い・・などで意外に経営相談に強い税理士というのは少ないです。成長志向の強い会社の社長さんは最初からこういった経営相談に強い税理士に依頼するか、そうでなければ会計系のコンサルタントに合わせて顧問になってもらうか検討されたほうが良いかと思います。

 ステージごとにいうと起業したばかりは、記帳が早くて得意といった税理士さんがよいですが、成長ステージは経営相談に強い税理士、上場するなどさらなる大きな飛躍を求めるならば大手総合税理士法人、安定をもとめるならば節税に強い税理士といった感じで本当はステージに合わせて税理士も変えていった方が良いかと思います。

 

 

 

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起業家が資金調達で気を付けなくてはならない3つのこと

2019.05.02

 

 

1.起業家にとって資金調達が楽な時代

 

 今日から令和が始まりました。世の中の大半は大型連休真っ盛りだと思われますが、私の場合3月決算の法人は結構ありますので決算監査で今日もお客様のところに普通通り参ります。令和元年初仕事ではありますので新たな気分で向かいたいと思います。平成時代私が残念だと持ったのは昭和の時代のソニーやホンダのような世界的ベンチャー企業が生まれなかったことでしょう。ただ、米国に比べ薄いとはいえベンチャーファイナンスは随分起業家にとって厚みが出てきました。起業から間もないアーリーステージでも投資してくれるエンジェル投資家も随分現れましたし、金融機関も随分創業または創業間もない企業に貸し付けるようになってきました。大きく成長するためのファイナンス的な支援は随分良くなってきていると思います。しかし、それだけに気を付けなければならないことが3つあります。

 

2.お金はたくさんあった方がよいか?

 

 シリアルアントレプレナー(連続して起業して成功している方)やベンチャー企業での経験豊かなCFO(最高財務責任者)がいる場合は別ですが大抵起業家が分不相応なお金が調達できると失敗します。私のところにも分不相応のお金をあっという間に使い尽くして困窮して飛び込んでくる経営者の方いらっしゃいます。前も簡単に調達できたので今度も大丈夫だろうと思っているようですが世の中そんなに甘くありません。前の調達資金をどのように使って自社の成長に役立てたかはきちんと投資家や銀行は見ますから、無駄に使って使い尽くすような企業の再調達は非常にハードル高くなります。

 やはりお金を持っている方のところには様々な営業提案がやってきます。「お金の匂い」をかぎつけてくる方々ですからその内容も玉石混交です。しかし、往々にして美辞麗句に乗って気前よく分不相応なお金の使い方をします。例としては豪華なオフィス、やたらと豪華できれいなだけで内容のないパンフレットやウェブサイト、よくわからないコンサルティングや様々な団体への高額な会費など、製造業だと無駄に高機能で高額な機器などがこれに加わります。使い道のない大金(安全を保つための資金は除く)を調達しないというのはまず1つです。

 

3.銀行は信じてよいか?

 昭和の時代から平成の初めくらいまでは自分の見込んだ担当企業のために上司や本部とやりあうといった「サムライ」銀行員は存在しましたが現在はほぼ死滅して「サラリーマン」銀行員ばかりになりました。「サラリーマン」の特徴は顧客第一ではなく銀行の目標達成第一なことです。銀行からの借入の提案はあなたの必要タイミングではなく、銀行の目標の達成に必要なタイミングであるケース多いです。残念ながら「半沢直樹」はドラマの中でしか存在しません。銀行員という方々は基本的には真面目な方は多いのですが基本的にお仕事は上司や本部の方を向いています。したがって、借入の提案であったりその他提案があってもあなたの役に立つ提案ではなく、支店や本部のノルマの達成に役立つものである可能性は高いです。

 我々の親の世代であれば「銀行員の言うことであれば間違えない」と思っている経営者の方少なからずいらっしゃいましたが、今は彼らの言いなりは危険です。提案に乗って安易な借り入れやスキームを作ってしまい、問題になったころには銀行の担当は転勤していないという悲劇は何度かみました。

 別に大多数の銀行員は積極的にあなたをだまそうとはしませんが、別に顧客本位の提案をしているわけではないですから、是々非々でたまたまあなたの役に立つ提案でしたらお受けして、そうでなければ丁重に(すまなそうに)お断わりすることでしょう。無理に銀行員のために提案を受け入れても「サラリーマン」なので現場に権限はほとんどなく、見返りはまずありません。ただ、人と人とのお付き合いでもあるので無礼、冷笑的な態度でお断りするのは止めた方がいいです。

 

4.投資家とどう付き合うか

 創業間もないアーリーステージで出資してくれるというのはありがたいものです。しかし、エンジェル投資家の中には本当に「エンジェル」でほぼ寄付感覚でお付き合いしてくださる奇特な方もいらっしゃるかもしれませんが、大多数は当然見返りを求めてのものです。アーリーステージの特徴は投資家にとってリスクもありますがその分少ない金額で大きなリターンの可能性があります。投資家は5千万の出資でもアーリーステージの企業価値が5千万程度しかない状況ですと50%の支配権(5千万÷(5千万+5千万)=50%)を握れますが、企業価値が5億ですと(5千万÷(5億+5千万))10%以下です。要するに少ない金額であなたの会社の支配権を多く握られてリターンもかなりの部分もっていかれます。このあたりこういった資本政策をよく考えてどの程度外部株主に支配権を渡すか検討しないと単なる自分の会社の安売りになってしまいます。このあたりベンチャー企業での経験豊富なCFO経験者などに意見を聞くことが必要でしょう

 加えてよく読まないと出資契約に買戻し条項(一定のターゲット達成できなかったら買い戻しする)など起業家に不利な条項が入っていることもありますのでベンチャーファイナンスの得意な弁護士などに相談することをお勧めします。あまり考えないで出資に応じると株主間の勢力争いや経営陣と株主の対立など余分なエネルギーを使うことが多くなったり、たとえ上場できたとしても上場当初から安定株主もいない不安定な会社になったりする可能性も多々あります。

 要するに投資してくれるという話に安易に乗ってしまうのも危険だということです。以上のように資金調達が以前よりも容易になったといっても別にそれはそれで結構落とし穴は多いので気を付ける必要があるわけです。

 

 

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個人事業主と法人どっちが得?

2019.04.10



 

    1.開業相談でよく聞かれること

 

 東京地方は春先で気温の変化が激しくて朝は比較的ひんやりしているのですが、昼はぽかぽか、また夕方くらいから冷え込んでくるという感じでなんとなく体がつらいです。皆様もいかがお過ごしでしょうか?
 さて、新年度なのか「令和」が近いせいなの開業の相談を最近よく受けます。そこで多い質問の一つに「法人で始めたほうがいいですか?それとも個人で始めたほうがいいですか?」というものがあります。一般的なお答えとしては「小さく始めて大きく育てる」が良いとおもうので個人事業主から始めることをお勧めしています。よく、税金は法人と個人どちらが得ですかとも聞かれるのですが、創業時はほぼ99%の方は税金なんて気にせず、とりあえず売上を上げて利益をっだせる体制になってほしいと通常答えしています。税金は売上上げて利益が出て初めて考えればよいと税理士ながら思います。ただし、例外はいくつかあります。

 

    2.一般的に法人を設立したほうが良いタイプ

 

 最初から大きな夢を持ち適当に資金もある方は個人事業主のステージなどはすぐに卒業するでしょうからさっさと法人をゼロから立ち上げたほうがスムースです。多分それでも最初の一年くらいは個人事業主である方が多少税金は得になる可能性は高いとは思われますが、このタイプの方は最初はチアチマとした節税などは考えずにビジネスに集中してほしいものです。うまく軌道に乗ってそれから税金のことを考えるでかまわないと思います。ただし、一方(別に宣伝ではないですが)このタイプは最初から顧問税理士は付けて大きな落とし穴にははまらないように見てもらったほうがよいと思います。資金繰りと多少税金の落とし穴はあるのでそこは見てもらった方が良いかと思います。ここでは詳細に述べませんが、例えば大きな投資をする場合はその投資にかかる消費税の還付の問題が生じますのでこのあたりは税理士に相談する必要あります。

 もう一つは法人、それも上場企業レベルを顧客に持ちたい場合です。誰でも知っているような著名人は別かもしれませんが、基本的に法人であることは取引の信用として最低条件になっています。したがって、法人設立は必要です。たまに合同会社の方が設立費用が安いので(ざっくり株式会社30万、合同会社15万です)、そうしたいという方いらっしゃいます。海外の親会社がある節税会社などを除けば、「設立費用を節約した小さな会社です」と言っているようなものですから、このような法人を相手にしたいのでしたら株式会社の設立費用は必要経費と割り切ったほうが良いと思います。

 

    3.税金上法人を設立したほうが良いタイプ

 

 所得(売上から経費、控除を引いた金額)が330万を超えたあたりが所得税率税率が20%になり中小企業の法人税率15%(ただし所得800万まで)考え始めるころといえるかと思います。ただし、個人の申告であれば税理士雇わなくても十分可能だと思いますが、法人を設立すると通常税理士を雇わないといけません。社会保険も加入義務が出てきますし結構面倒です。法人設立をしていただくと顧問も増えて自分としては良いのですが、この程度だとお客様にとっては手間と顧問料を考えるとたいして得にはならず、どちらかというと個人事業主のままをお勧めしています(2.の一般的に法人を設立したほうが良いタイプを除く)。

  一方、中にはコンサル業など無形のサービスを売る業種があります。この場合一般的には計上する経費がほとんどないですから、ある程度売上が上がっていればそれがそもまますべて利益(所得)になってしまいます。この場合最大の経費は社長の報酬となり、かつ社長の報酬に給与所得控除という経費が使えるので、ある程度計算できる顧客先などあれば最初から法人にするというのはありです。このケースは税金目的ですから相手が上場企業レベルでもなければ合同会社でも構わないわけです。

 

    4.なぜ年商1000万を超えたら法人にしたほうが良いか?

 

 一般的に言われる年商1000万を超えたら法人設立はなぜなのでしょうか?これは消費税の問題があるかと思われます。現在売上1000万以下であれば免税事業者として消費税の納付義務はありません。しかし1000万超だとその翌々年から消費税の納付義務が生じます。例えば消費税の簡易課税を選択してその他のサービス業だと1000万を超えると(計算の都合上1000万とすると)1000 x8%x50%=40万の消費税納付義務が生じます。しかし、翌々年までに法人を設立すると、設立の年と翌年は消費税の納付義務は一般的に生じません(例外はあり)。このあたりが法人設立の理由かと思われます。ただし、税務当局側もこの免税事業者の穴はふさごうと考えていますのであまり長くはもたない手法かもしれませんね。

 

 

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起業時のスキルの罠について

2019.04.03


 

    1.自分はたいしたことないと思うこと

 

 最近特に現在サラリーマンの方から起業相談を受けることが非常に多いです。副業ブームの影響なのでしょうか?人生100年で老後75歳くらいまでは働きたいという方も多くなったせいでしょうか。

 特にサラリーマンで起業したいと思っている方に多いのですが「自分なんて大したことなくて何も見るべきものがない」と思っている方、非常に多くいらっしゃいます。実際にのんべんだらり過ごしてきて本当に何も見るべきものがない方もいらっしゃるかもしれませんが、ある程度真面目に考えながら人生を過ごしてきた方には必ず光るものはあると思います。ただ、確かに自分より優れた人は簡単に周りを見回しても普通にいるケースは多いです。

 私の例で挙げてみましょう。私は会計事務所をやっていますが税理士は世の中に8万人います。多少自分は経営相談や起業相談は強みがあるとは思っていますが、絶対誰にも負けないとまでは思っていません。それぞれ専門家の世界に入っていると自分より優れていると思う方ゴロゴロしているものです。

 

    2.スキルの罠

 

 特に真面目な方、ついつい勉強してしまいます。私の場合、自分の年齢的(55歳)にサラリーマンの方からの相談でも大抵相手は40代の後半から50代の方がほとんどなので「とり会えず会社辞めてしまえば何とかなりますよ!」などとはその方の家庭のこともありますから申し上げません。ある程度準備は必要です。

 ただ、真面目な方はひたすら勉強してしまいます。パターンとしてはひたすら自分の分野を極めていこうと勉強する「とんがり志向タイプ」と分野を広げていこうとやたらと民間資格などを取りたがる「セミナージプシータイプ」に分かれます。これがスキルの罠です。両方とも程度問題として基盤となる分野を作ることは必要で、ある程度極めたり、広げたりするのは必要だとは思いますが、大抵極端にやりすぎだなぁと思う方多いです。

 日本企業の家電が廃れた一つの要因として、顧客に必要のないやたらとマニアックで高度な機能を付けたり、やたらと無駄な機能がたくさんついていたりすることがあります。家電と一緒で顧客にとってすごく深い知識や何でもやってくれること、意外にそんなに求められていないケースが世の中ではほとんどです。

 

    3.顧客が求めているものは何か?

 

 世の中の起業セミナーなどに行くとたまにぜった「誰にも負けないものを確立すること」などという講師の方がいますが、当然それが可能な方は目指していただくのは素晴らしいと思いますが、おそらく大多数の方は無理でしょう。ただ、世の中にでると意外にとんがった技術・スキルなど必要ありません。自分の例ですが自分は業種としてはITやWeb関連の仕事をしている会社や個人の方がお客様に多いのですが、お客様としてはこのような業界に詳しい方を求める傾向が強いです。(ここだけの話ですが)私はIT自体音痴ではないですが特に強いわけでもないですが、会計税務や経営相談を受ける際、別に高度なITの知識能力などお客様に要求されたこともないし、切実に必要だと思ったこともありません。

 要するに「実際にできる」ことよりも「できそうだなとみせること」の方がはるかに大切です。実際のお仕事でそこに特化した高度な仕事がある可能性は非常に低いです。当然最低限のスキルは必要ですが、とんがった誰にも負けないようなスキルや技術が必要なことは非常に少ないです。よく「あいつはたいした技術もないのにいいお客様つかんでバンバン儲けていて世の中おかしい」などと愚痴を言う方がいらっしゃいますが、正直起業家が行う大多数の分野では技術・スキル勝負ではありません。

 

    4.スキルの罠にかからないためには

 

 したがって、自分がたいしたことない思うことでも意外に顧客にとってはありがたいことは多く、それは高度なものである必要はないのです。ただ、一方顧客側はそれを判断する材料がないですから、顧客が自分にたどり着くような仕組みづくりや集客マーケティングの方がはるかに重要です。この「仕組みづくり」と「集客マーケティング」は車の両輪で本来これがないとどうにもなりません。「仕組みづくり」は私は「ビジネスモデルづくり」だと思っています。一般的には集客マーケティングは強調されますが、これだけやっていると、いわゆる食べていくレベルまでは到達できますが、自分の能力に頼っているのでワークライフバランスは最悪で長続きしません。結構このようなステージの方多いのは非常に残念です。

きっちりとしたビジネスモデルを創っていけば自分のビジネスは安定的・継続的になっていきます。ビジネスモデルを確立することこれも非常に大切です。ビジネスモデルについてはメルマガやセミナー等でご紹介してますのでご興味のある方は見てください。

 

 

 

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起業時の人脈のワナについて

2019.03.27


 

    1.私の独立の話

 

 私事ですが8年前の3月に会社を辞め独立しました。理由はいろいろありますが、せっかくの一度きりの人生なので独立してみたいという想いがあったのが一番でしょう。ほかにも毎朝起きて電車に乗るのが嫌だというのもあったかと思います。準備はやっていたのかというと、多少SNSで活動をやったり、知人に声をかけて案件を紹介してもらったりしていました。独立時にはクライアント候補もあり、何とかなるだろうと思っていたのですが・・・。

 そこで起こったのが3月11日の東日本大震災です。この影響でクライアント候補からはしばらくペンディングということで仕事が無くなってしまいました。あまり楽しくはなかったのですが悩んでも仕方ないので本を読んだり家事をしたりしてしばらく時間を過ごしていた気がします。わりと料理、掃除、洗濯などの家事は嫌いではないので、何か少しでも生産的なことをするというのは気がまぎれたかと思います。

 しばらく震災の影響ですべてが止まっていた気はするのですが、夏ぐらいから仕事が舞い込み始めて現在に至るという感じです。ただ、仕事がないときは、やはり勤めた会社関係の人脈ですぐ仕事ができる人や親から会計事務所を継いだ人などをうらやましく思っていたことを思い出します。でもこれは必ずしもそうでないことは後で知りました。

 

 

    2.2代目のワナ

 

 私はコンサル会社と会計事務所を経営していますが、会計事務所についてはわりと2代目経営者は多い業種だと思います。先代からのクライアントや職員をもってスタートだから左うちわでいいなぁと思っていたのですが、世の中そんなに甘くないことを後に知りました。

 ある地元では大手の会計事務所の3代目の方からご本人の苦労談をお聞きしたことがあります。お父様の引退で事務所を継いだのは良かったのですが、古手の職員は旧態依然の仕事の進め方に固執し、そのためかやたらと残業も多く人件費もかさむ職場、しかし一方古いクライアントは廃業等でどんどん減って行くのに誰も職員は気にしないという状況だったそうです。そのため彼は思い切って事務所のIT化に取り組み効率化を進めようとしましたが、古手の社員の反発もあり随分苦しい眠れない日々を過ごしたようです。1年ぐらい苦しみましたがIT化についていけない古手は辞め、事務所は逆に蘇り現在は地域では有数の事務所に復活しています。

 2代目は確かに顧客、地盤、ブランドなどの「資産」もたくさん引き継ぐのですが一方で過去のしがらみや非効率といった「負債」もたくさん引き継いでいて「気楽な2代目」というのは幻想にすぎないことはよくわかりました。

 

    3.人脈のワナ

 

 特にクリエイター系の方に多いのですが、独立後、元の勤め先から同じ仕事を業務委託の形で仕事をもらうパターンがあります。一方、監査法人を辞めた公認会計士などに多かったのですが、監査法人で受けられないコンサルティングや監査の仕事をやるパターンです。私などは、監査法人を辞めてから事業会社で勤務していた期間が長いのでそのような伝手はありませんでした。

 人脈が「過去」のつながりだけに頼っていると当たり前ですがどんどん細っていきます。かつ基本的に「下請け体質」が身についてしまい自分のブランドを確立しないまま仕事を受けることになります。特にこの形態は不況に弱いところがあります。不況になるとどこも外に業務委託する余裕がなくなり自分の社内の人間でカバーしようとします。真っ先にこのような業務委託系の方々が切られることになります。もともと、自社の雇用の調整弁として使っていますから。下請けの問題点は相手のブランドに頼って仕事をしてしまうことだと思います。

 

 

    4.人脈のワナを乗り切るには

 

 この人脈のワナを乗り切るためには2代目の話が意外に参考になるかもしれません。彼の場合、古い資産(古手の社員)などを処分し、IT化による新しいビジネスモデルを取り入れて事務所を一新しました。せっかくのもともとの人脈ですので大切にはしたほうが良いかと思いますが新たに起業家としての人脈は築いていった方が良いと思います。また、以前からの経験で培った前からの資産も捨てるべきは捨て、単なる下請け的な以前やっていた仕事の単なる延長ではない起業家としての新しいビジネスモデルを構築していくことが大切かと思われます。

 私の場合は「成功者」などと胸を張って言えるレベルではないですが、過去の人脈にあまり頼れないだけ結構面白くいろいろな分野に携わることができているような気がします。

 

 

 

 

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