起業にあたっての秘訣とは

目次

1.創業・起業と創業(起業)セミナー

 日本の開業率(雇用保険新規適用社数÷雇用保険適用社数)を見ると4.2%で英国の3.5%、米国の9.1%ドイツの8.0%と比べて極端に低いと言われています。そこで様々な公的機関などでも創業(起業)セミナーなどが開催されています。

 さて、起業と創業はそもそも違いがあるのでしょうか。あまり厳密な違いはないと思いますが、起業はベンチャ―的なニュアンスがあるのではと思います。今までなかったような形態のビジネスを目指すということです。これは別に世間がびっくりするようなものでなくとも自分なりに違いを認識しているレベルもいいと思います。

 逆に創業というと単に新しく事業を始めることで、起業よりも範囲が広いです。ある程度ビジネスの形態が定まったもの、例えば飲食店、美容院や整骨院などは創業ですが、起業とは呼ばないといえるかもしれません。

 そういった起業・創業支援のため、創業(起業)セミナーがあります。公的機関などが提供しているものは「起業セミナー」ではなくほとんど「創業セミナー」と思われます。なぜならばほとんどの内容は開業に伴う事務的なこと(開業の届とか)のほかは事業計画づくりなどが中心です。確かに事務的なこともきちんと最初にやっておく必要はありますし、ある程度やることが決まっている創業の場合、事業計画は大切です。特に飲食や美容業など初期投資と借入が必要なものは開始前にきちんと事業計画を作り収支も見ておかないとかなり危険です。

しかし、「起業」の場合こういったこと大切でしょうか?

2.起業セミナー

 ある程度新しい形態のビジネスを目指す起業である場合、そもそもどうやってやるのかから考えないといけません。ただ「新しい形態」といっても全く誰も思いつかなかったような画期的なビジネスレベルだけではないです。既存の私のやっているような会計事務所でも、単なる記帳代行と税務申告書の作成だけでない新たなサービスを含めたことを中心にやっていけば一種の起業といえるでしょう。

 ただ、この段階で事業計画を作成すること全く無駄とまでは言わないですが、あまり意味がないかもしれません。実は私も起業の際事業計画作成しましたたが、仕事がほぼゼロの段階では意味がなかったなぁと思います。とりあえずお願いされた仕事をやっていくうちに世の中のニーズなどがだんだんわかってきて、方向性が決まってきました。

 もう一つこういったセミナーで多いのが「自分の強みを探す」です。ただ、これを起業時にやってうまくいった人を残念ながら見たことがないです。恥ずかしながら自分もその一人です。最初、会計事務所の際は国際会計基準関係の仕事していましたし、外資系企業で働いていたので、国際会計基準や国際税務が強いのではと思っていました。しかし、個人レベルではともかく、このあたり大手事務所の膨大な蓄積されたネットワークとノウハウには全く歯が立たないことが判明して、がっかりした覚えがあります。

 実は何が強いかはお客様が判断し、そのあと自分が気付くといえます。割と私は比較的難しい事象をわかりやすく説明する能力が評価されるということがだんだんわかってきました。そこで本を書いたり研修講師やっているのですがそんなことは起業時全く想像しませんでした。

では「起業」に勧めたいことは何でしょうか?

3.起業に大切なこと

 起業で大切なのは、とりあえず小さくあまりお金をかけずに始めてみて「走りながら考える」です。特に自分なりに新しいことを始めてお客さんの反応を伺うことです。そうすると少しずつ自分の「ペルソナ」のイメージがわかってきます。「ペルソナ」とは自分の商品・サービスの理想的な顧客像です。それに合わせて商品・サービスを磨きこむのです。残念ながら、初めから理想のお客様に会えることはまれです。会計事務所で言えば最初に取りやすいのは逆ペルソナのお客様です。

 金払いが悪いんだけど、割と注文は多く細かく、平気で重要性も緊急性もないことを休日や夜でも電話かけて聞いてくるようなタイプです。それからあとは、私も報酬に細かく注文つける人は最初からお断りするようにしました。ペルソナから外れた人をお客様に取らないと変なストレスが低くなり、変なストレスが低いといい仕事が出来ます。

 その次に来るのがビジネスモデルづくりと本格的な集客といえるでしょう。「とにかく集客だよ」という方もいらっしゃいますが、ペルソナが分からないときに大規模な集客に変に成功してしまうと変なお客様に苦しんで本当に事業が苦痛になります。0から1はとりあえずいろいろとにかくやってみるですが1を100にするにはビジネスモデルが大切です。

 集客とビジスモデルづくり、あまり公的なセミナーではなく民間のものが多いです。ただ、高額セミナーも多く(特に集客系)ひよこ喰い(起業初心者からお金をかすめ取るビジネス形態)の草刈り場となっていますので注意は必要です。

 ビジネスモデルが見えてきたところ当たりで事業計画と本格的集客といったところでしょう。よくどんなビジネスをやろうかとうんうんうなったり、事業計画で半年かかりました、自分の強みを1年間考え抜きました・・・などという人がいますが正直時間の無駄です。さっさと始めましょう。ポイントは「小さくさっさと」です。その段階で有り金全部つっこんだらさすがにアウトですから。