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一人社長の税金

節税経営者保険に待った!から考えたこと

2019.04.18


 

    1.節税保険に国税庁からまったがかかる

 

 節税保険について国税庁から待ったがかかりました。私は節税保険の「節税効果」については疑問を持っているので一部の特殊な例を除いては積極的にお客様に勧めていないので特には困らないのですが、一応私も保険会社の代理店なので某生命保険の担当者からの説明を聞きました。個人的には保険会社も今回の「待った」で 営業面で困っているだろうと思っていたところ意外な返事が返ってきました。
 そもそもの発端は日本生命が全額損金(経費)となって解約した時の最高返戻率が90%程度というフェニックスという保険を約1年半前に発売したのが始まりで、他の保険会社も追随しました。私は障害死亡以外の保険金が当初低いなど生命保険としてはトリッキーだと思い、まったく興味がありませんでした。ただし、節税効果といううたい文句、日本生命は代理店手数料を高めに設定しても販売拡大していたらしく、結構保険販売が好きな税理士の間では人気でした。
 その営業の担当者から聞いたところ、販売手数料および解約返戻金競争で利益は低いし、純粋な生命保険としては今一つですし、販売していてあまり気分の良くないものだと述べていました。そういえば彼女はあまりこの手の保険は私には勧めていなかった気がします。要するに利益なき繁忙で保険会社も困る、節税効果と言って必ずしも実現せず経営者にも効果が怪しく、販売代理店以外は誰も得をしないものだったと思います。典型的日本企業の利益なき繁忙だったわけです。

 

    2.待ったの内容

 

 ざっくりいうと国税庁から示された新しい通達は解約の際の返戻金が85%を超える保険について約40%程度が経費となる(最初の10年は20~30%程度)というものです。これは以前の契約には遡及しない(以前に契約した保険はそのまま)といった玉虫色のモノとなっています。もしかすると、既契約にも波及するのではないかと予想していた保険会社にとっては意外に厳しいものでなかったので安心したと保険会社の担当者は言っておりました。本当かよくわかりませんが、保険代理店には国税OBの税理士も多いのである程度忖度したのではないかと雑誌の記事などにはなっていました。多分ないとは思っていましたが遡及、いわゆる過去に契約した保険契約にこの新しい通達が反映されることはないうのは安心した方は多いと思われます。

 こういった返戻金での保険の節税効果については以下のブログで以前詳しく述べているので参照していただきたいのですが、経費として認識した保険料は保険金が返戻されたときは益金(収入)とされますから正確には「繰延効果」であって「節税」ではありません。

http://ta-manage.com/blog-cat/%E4%B8%80%E4%BA%BA%E7%A4%BE%E9%95%B7%E3%81%AE%E7%A8%8E%E9%87%91/

 長い目で見ればほとんどだれも得をしない仕組みが無くなってよかったかもしれません

 

 

    3.経営者は生命保険をどう考えるべきか?

 

 保険会社の担当者は今後は怪しげな節税効果ではなく真面目に経営者にもしものことがあったらー死亡、要介護状態、三大疾病などーの保障を販売していきたいと答えていました。私はこのような保険は大抵全額損金ですし特にオーナ―社長はある程度は考えたほうが良いかとは思われます。ただし、保険で100%ヘッジしようと考えるよりも、自分の健康管理をきちんと行い、やたらと保険料に使うのでしたらそちらに使ったほうが望ましいと思います。

 私事ですが私は7年前くらいに脳梗塞の軽い症状で救急車で運び込まれたことがあります。その際は今より10㎏以上太っていました。それからいろいろと試したのですが、3年前パーソナルトレーニングを開始してダイエット&トレーニング始めました。「自分にコミットする」といった短期集中型ではなく、ある程度は会食などももたしなみながらもトレーナーさんと打ち合わせしながらやっていく方式でしたが、3か月で約10kg痩せました。あまり、無理をしていなかったのと現在もパーソナルトレーングを継続しているのでリバウンドもなくほぼキープしています。たまに暴飲暴食をしてトレーナーさんに叱られたしますが。

 個人的には生命保険料を全額損金にするくらいでしたらこういったトレーニングも損金計上がリスクなくできるほうが、増え続ける医療費なども考慮すると意義のあることだと思います(注:一人社長のトレーニングをそもまま経費とするのはリスクがあると思います)。

 

 

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法人節税保険販売中止の衝撃

2019.02.20



 

    1.小さな法人と節税

 

 自分のサラリーマンの時代を振り返ると税金も何百万と実は毎月の分を累積するととられていたはずなのですが、やはり源泉徴収で天引きされているとあまり税金のことは考えなかった気がします。個人事業主でも士業などですと報酬を頂く際に約10%~20%源泉徴収で天引きされるので確定申告の際は戻りになることが多くあまり税金の負担は強くありません。しかし、法人を設立するとその際に百万単位で税金を払うと最初は結構ショックを覚えるものだと思います。私も自分の設立した法人がある程度軌道に乗ってきたのはいいですが、いざ申告をして税金を納める際には軽いショックを覚え、一方自分も器が小さいと実感してしまいました。そういった意味で法人保険などで節税したいと思うのは心情的には理解できます。

 法人保険で節税効果が高いと思われているものについて今回金融庁から指導があり、お咎め受けるとやばいということでこのたび保険会社が一斉に販売を止めると先日発表しました。業界ではちょっとした騒ぎになっています。

 

 

    2.法人節税保険とは

 

 この法人節税保険は基本オーナー社長向けのプログラムです。少し保険会社のセールストーク的にざっくり仕組みを申し上げると、毎月の保険料は最終的に経費となり(一部の期間は当初半額)節税ができ、かつ払い込んだ保険料は解約時にほぼ全額戻ってくる、かつ途中で社長にもしものことがあった場合は規程の保険金が払われるというものです。これだけ聞くと素晴らしいものだと思われるでしょう。顧問税理士も勧める方は方は多いです。その理由としては確かに場合によってはお客様にとって節税になること、税理士も保険契約の際には代理店手数料が入ることがあるかと思います。

 私も大手生命保険会社の担当者は私の娘くらいの女性でなんとなくけなげで応援したい気持ちがありますし、外資系保険会社の営業マンの方にはいろいろとお客様の紹介などでお世話になっているので心情的には保険を販売したい気持ちはありますが、ただ、一方で自分のお客様に不利なものや過大なリスクを負わせるようなものは提案できませんから優先順位的にはお客様の側になります。

 ただ、誤解を避けるために申し上げると保険料は経費になり確かにその時期は節税になりますが、保険金が戻ってきた際には収益になりますから、税率が一定ならばその部分税金がかかりほぼちゃらです。つまり、払う税金の額はほぼ一緒で単に「税金の繰延」ができるにすぎません。ただし、ここでオーソドックスな手法として代表者の退職金を保険金にぶつけて利益ゼロにして税金がかからないようにするということがとられます。

 

    3.法人節税保険の欠点

 

 別に大きな問題のある保険商品であるとまでは思いませんが、限られた方にのみ適した保険商品だと思っています。一つ目として実際に経費としてお金が出ていってしまうということです。かなりの多額のお金が出ていってしまいますから資金繰りが厳しくなるわけです。したがってどんどん会社を成長して大きくしたいという方には勧めません。このような方は資金需要に常に備えなければいけません。積み立てた保険料の範囲で借り入れができると保険会社は言いますが、ある程度期間経過しないとその額も極めて少額です。

 2つ目は解約して(解約返戻金)がほぼ100%近く戻ってくる期間は非常に短いということです。きめられた時に保険を解約しないとどんどん返戻率は下がってしまいます。解約すると保険金には税金がかかりますから退職など多額の経費が掛かる時期と合致しないとこの保険にはいった意味はほとんどありません。

 ということで私が勧めた例としてはある年齢で引退すると決めているある飲食チェーンのオーナーくらいです。かなりキャッシュフロ―も安定して、現金商売、人生設計で引退、息子に継承する時期もきまっているというのでお勧めしました。キャッシュに余裕が結構あって、引退時期も決まっている方、なかなかいないですよね。

 

    4.今後の動向

 

 生命保険会社の法人保険を扱っている部門には大打撃かとは思います。とりあえず2月中は募集をしているようなので最後の取り込み時期とばかりに結構忙しそうです。ただ、よく考えてみると「保険で節税」、本来の機能からは乖離している気がします。保険会社も法人オーナーの保険に関して本来の姿に戻ってよい商品開発してほしいものですね。

 

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1人社長の給料の決め方

2018.06.27

 

 世の中には一人社長、または実質的に一人社長の方多くいらっしゃるかと思います。従業員が多数いらっしゃる場合は社長だけがっぽりとって従業員は雀の涙ほど・・・というわけにはいかないのでバランスも考えねばなりませんが、一方、一人社長であれば期首であれば気楽に報酬決められそうです。よく、いろいろな方から社長の報酬はどのくらいにすればよいかと聞かれるのですが、原則は「必要額」にしてくださいとお答えしています。

 よく会社が儲かっていれば社長の報酬上げれば節税になると思っている方がいいらっしゃいます。中小企業は法人所得800万までは税率19%ですので明らかに節税になるのは税率10%が適用される年額報酬500万弱までです(ただし、所得控除額によります)。加えて健康保険料が約11.5%がほぼ給与の額に対してかかってくる(ただし健康保険は所得控除と経費になる)ので、実は手元に残るお金ということではあまり変わらないか逆に減るケースの方が多いです。。

 法人成りすると税金的にメリットなのは、同じ所得500万でも個人事業主は500万に対し税率がかかりますが、法人は500万を社長の給与にしてしまえば給与控除として144万円差し引けますから住民税と合わせて40万程度税金が安くなることです。ただし、この給与所得控除は30年税制改正で所得850万円で頭打ちになりまます。加えて、ざっくり報酬1200万以上から(所得控除額によります)税率は住民税と合わせて43%、ここに社会保険料が約11.5%ですから半分も手元に残りません。単なる損得からいうと損です。ただし、一方法人で内部留保が増えてくると相続や会社をたたむときにまた税金で頭を悩ませることになります。

 したがって、結論的には必要額を給与にして、必要に応じて共済や保険などで退職対策をするというのが王道になると思われます。税理士的にはある程度このあたりは自然体で事業に集中していただき、退職などの対策は税理士にきちんと相談してくださいと言えるかもしれません。

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社長の報酬上げて負担は減るか?

2018.05.23

 

みなさん、消費税の増税には非常に敏感に反応し、節税などにも励む方は多くいらっしゃいます。また、社長様などから法人税が高すぎるので報酬を上げて法人税負担を減らすことを相談されます。私は社長はきちんと働きに見合った報酬をとるという意味では報酬をあげることには賛成です。

 また当然社長の報酬は手続きに従ってきちんと行えば経費になるので法人税は減ります。ただし、住民税を考慮すると所得330万円以上になると所得税率約30%であり、法人所得400万円までの中小企業の実効税率が約21%なことを考えるとざっくり考えても単に法人税で減らした分所得税でとられるだけで別に得はしていません。

 加えて効いてくるのが社会保険料で東京都で40歳以上の場合、健康保険料11.56%と厚生年金保険料18.3%で約30%程度とられてしまいます。勤めている方だと折半ですがオーナ―経営者だとそのまま(経費になるとしても)ほぼ報酬に対してかかってきてしまいます。

 結論的には社長の報酬操作は負担の軽減という見地ではあまり意味がありません。誤解を恐れずに言えば報酬は最小限にして、できるだけ報酬以外の手段で報酬とみなされないように経費で落としていくというのがオーナ―社長の金銭的負担の見地からは正しいでしょう。一方、税務署がよく社長の報酬操作を税逃れのように摘発していますが国全体で見れば正直ほとんど意味のない行為だと思います。

 今日本経済新聞等では後期高齢者に団塊の世代が到達するまでに医療・介護の負担を現在の1割から2割に上げるよう主張しています。さすが社会保険料の負担が高所得者を除けば所得税などよりよほど高いことを思えばこれ以上、上がってほしくはないです。経済的に困窮している人はともかくとしてやむをえないことだと思うのですが皆さんはどう考えますでしょうか?

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