法人節税保険販売中止の衝撃



 

 

 自分のサラリーマンの時代を振り返ると税金も何百万と実は毎月の分を累積するととられていたはずなのですが、やはり源泉徴収で天引きされているとあまり税金のことは考えなかった気がします。個人事業主でも士業などですと報酬を頂く際に約10%~20%源泉徴収で天引きされるので確定申告の際は戻りになることが多くあまり税金の負担は強くありません。しかし、法人を設立するとその際に百万単位で税金を払うと最初は結構ショックを覚えるものだと思います。私も自分の設立した法人がある程度軌道に乗ってきたのはいいですが、いざ申告をして税金を納める際には軽いショックを覚え、一方自分も器が小さいと実感してしまいました。そういった意味で法人保険などで節税したいと思うのは心情的には理解できます。

 法人保険で節税効果が高いと思われているものについて今回金融庁から指導があり、お咎め受けるとやばいということでこのたび保険会社が一斉に販売を止めると先日発表しました。業界ではちょっとした騒ぎになっています。

 

 

    2.法人節税保険とは

 

 この法人節税保険は基本オーナー社長向けのプログラムです。少し保険会社のセールストーク的にざっくり仕組みを申し上げると、毎月の保険料は最終的に経費となり(一部の期間は当初半額)節税ができ、かつ払い込んだ保険料は解約時にほぼ全額戻ってくる、かつ途中で社長にもしものことがあった場合は規程の保険金が払われるというものです。これだけ聞くと素晴らしいものだと思われるでしょう。顧問税理士も勧める方は方は多いです。その理由としては確かに場合によってはお客様にとって節税になること、税理士も保険契約の際には代理店手数料が入ることがあるかと思います。

 私も大手生命保険会社の担当者は私の娘くらいの女性でなんとなくけなげで応援したい気持ちがありますし、外資系保険会社の営業マンの方にはいろいろとお客様の紹介などでお世話になっているので心情的には保険を販売したい気持ちはありますが、ただ、一方で自分のお客様に不利なものや過大なリスクを負わせるようなものは提案できませんから優先順位的にはお客様の側になります。

 ただ、誤解を避けるために申し上げると保険料は経費になり確かにその時期は節税になりますが、保険金が戻ってきた際には収益になりますから、税率が一定ならばその部分税金がかかりほぼちゃらです。つまり、払う税金の額はほぼ一緒で単に「税金の繰延」ができるにすぎません。ただし、ここでオーソドックスな手法として代表者の退職金を保険金にぶつけて利益ゼロにして税金がかからないようにするということがとられます。

 

    3.法人節税保険の欠点

 

 別に大きな問題のある保険商品であるとまでは思いませんが、限られた方にのみ適した保険商品だと思っています。一つ目として実際に経費としてお金が出ていってしまうということです。かなりの多額のお金が出ていってしまいますから資金繰りが厳しくなるわけです。したがってどんどん会社を成長して大きくしたいという方には勧めません。このような方は資金需要に常に備えなければいけません。積み立てた保険料の範囲で借り入れができると保険会社は言いますが、ある程度期間経過しないとその額も極めて少額です。

 2つ目は解約して(解約返戻金)がほぼ100%近く戻ってくる期間は非常に短いということです。きめられた時に保険を解約しないとどんどん返戻率は下がってしまいます。解約すると保険金には税金がかかりますから退職など多額の経費が掛かる時期と合致しないとこの保険にはいった意味はほとんどありません。

 ということで私が勧めた例としてはある年齢で引退すると決めているある飲食チェーンのオーナーくらいです。かなりキャッシュフロ―も安定して、現金商売、人生設計で引退、息子に継承する時期もきまっているというのでお勧めしました。キャッシュに余裕が結構あって、引退時期も決まっている方、なかなかいないですよね。

 

    4.今後の動向

 

 生命保険会社の法人保険を扱っている部門には大打撃かとは思います。とりあえず2月中は募集をしているようなので最後の取り込み時期とばかりに結構忙しそうです。ただ、よく考えてみると「保険で節税」、本来の機能からは乖離している気がします。保険会社も法人オーナーの保険に関して本来の姿に戻ってよい商品開発してほしいものですね。

 

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