ワーケーションやブレジャーに税金がかかる?

1.ワーケーションとブレジャー

 今回も引き続き小ネタです。

 観光庁からワーケーションやブレジャ―の税務上の取扱いについての説明が公開されています。より多くの旅行機会の創出と旅行需要の平準化に向けてその普及と促進を図り、国税庁と協議しているようです。一応ワーケーションについて説明すると、これはWork(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、リゾート地や温泉地、国立公園等、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うことです。

 一方プレジャーは私には初めての言葉でした出張先で滞在を少し延ばしてレジャ―を楽しむBusiness+Leisure=Bleisure(ブレジャー)のようです

 ところでワーケーションやブレジャーと税金のからみで問題となるのはどんなことなのでしょうか?議論となるのはワーケーションやブレジャーを行なった場合の旅費(宿泊費、交通費)を会社が支給した場合に給与になるのかその他の一般的な経費になるのか?ということでしょう

 給与も法人にとっては経費ですが役員に与えた場合は役員賞与として否認されるし(経費として認められない)、役員以外の従業員だとしても給与に対し課税され源泉徴収されてしまいます。

さて、ワーケーションと税金の問題はどうなるのでしょうか

2.ワーケーションと税金

 ワーケーションについては基本的には個別案件によって異なるとされていますがある程度例をあげて説明されています
 

 要するに、純粋に場所を変えただけの100%仕事であれば通常の出張と何ら変わることがないので問題が生じる余地はないと思われます。しかし、逆に有給休暇を取り私的旅行として行くものの、現地で仕事をする場合(その時間は有休ではカウントしない)往復の交通費はどうなるのでしょうか。この場合は旅行自体が、法人の業務上必要と認めたものではないのでもし、交通費を会社が負担した場合は給与として課税されてしまいます

 こういった場合、別に税務署は経費に入れてはならないとまでは言っていません(役員の場合は別)。税務署のロジックは会社で経費に計上するのは自由ですが、従業員に対し給与課税するので源泉をしなさいという事です。別に会社で旅費を負担しても会社の懐は痛まないです。

 一方、ワーケーションは通常リゾート地等で行なわれるので、観光は完全にゼロというケースは少ないでしょう。例えば、ワーケーションをしたのち、翌日従業員休暇を取って観光した場合場合往復の交通費を会社が負担した場合、給与となるのかというのは気にかかります。しかし、これは法人の業務上必要とリゾート地等に行くこと自体は認めているものなので旅費などの一般の経費で差し支えないとしています。

 ただし、特に一人会社の社長などがやりがちですが、個別の案件になった場合、不必要に遠方(東京の会社が沖縄でワーケーション)でかつ終わった後何日も観光していた場合にまで認められるかというと疑問で、業務上の妥当性>観光であることが、ある程度客観的に証明できることが大切だとは思われます一方ブレジャーはどうなのでしょうか?

3.ブレジャーの税金

 そもそもこんなこと観光庁などが真面目に推進することなのかやや疑問です。日本企業の場合、アメリカ西海岸1泊3日帰国などを豪語する輩などが多いですが、欧米企業の場合、上司がむしろ海外出張の際など1~2日くらい遊んでおいでよと勧めるくらいです

 ある欧米のお客様のお仕事でイスラエルのテルアビブに伺った際などは多少時差ぼけの解消もかねてと思われますが、2日前の夕方到着で手配することを勧められました。加えて担当の方から死海とエルサレム訪問ツアーを勧めてくれ1日楽しんだりしましたのは良い思い出です。

 さて、出張の行きや帰りなどに私的な旅行を組み込んだ場合に往復の旅費や宿泊費はどうなるのでしょうか? 例えば東京から大阪に出張した際、一泊して帰りに京都に立ち寄り観光した場合どうなるのでしょうか?

 結論は旅行の直接の動機が業務の遂行であるかぎり、往復の旅費(東京⇔大阪)は給与とはされません。ただし、途中下車による増分は会社が負担した場合は給与となります。観光の分までは負担すると給与となるということです。そして、1泊分の宿泊費ですが、業務終了後東京に戻れるならば業務のための宿泊だが、翌日の観光のために泊まるのであればこの宿泊費を会社が負担した場合給与となるでしょう

 多分、こういったワーケーションやブレジャー、きちんと出張規程において旅費の支給の要件が定められている大きめの会社はよほど雑に運用されていない限り税務調査で問題にならないと思われます。やはり税務調査などで狙われるのは中小企業で社長や役員のワーケーション・ブレジャーでしょう。特に役員賞与として否認されたら会社の経費にもならないので、注意が必要です。気を付けましょう