とうとうインボイス制度始まりました。そして一か月何が起こったか?

目次

1.インボイス導入1か月あまり

 大騒ぎをしたインボイス導入から1か月余りが過ぎました。地元の税理士などと先日話しをしました。会計ソフトの仕様が変わったので自分の事務所やお客様への対応で少し大変だった、多少相談があって対応したくらいであまりものすごい大混乱の話は意外と聞きません。

 お客様関係で聞くのは、やはり、気になるのは保存した適格請求書の不備、例えば税率が書かれていないとか適格請求書番号が漏れている、間違えているといったものです。ルールとしては受領側が勝手に修正するのはNGで相手に出し直してもらう、または修正インボイスを出してもらうのが原則です。一応国税庁からは受領側が修正を反映した仕入明細書を作成して相手側に送るといった案も先日新しくなったQ&Aに記載されていました。

 この点に関しては、国会答弁でも星屋和彦国税庁次長が「適格請求書の記載不備があったとしても他の書類等で確認する」といった趣旨の発言をしており、税務調査において柔軟に対処するといった見解は述べています。ただし、現場がその通り本当に動くかはわからないとは思いますが・・・

 そのほかで、私の方で問題になっているのは免税事業者対応です

 

2.免税事業者対応での困った・・

 私のお客様で適格請求書発行事業者でない方は数社しかないのですが、そこから相談を受けました。得意先からの担当者かからのメールで「適格請求書番号を記載していない請求書を出す場合は、消費税部分は請求しないでください」と堂々と書かれていて、どうしましょうかと相談を受けました。私からは、顧問税理士が「これは下請けに対する明らかな違反行為である」といっていると伝えてくださいと言い、加えて公正取引委員会から出しているガイドラインのPDFも添付して先方に送ってもらいました。結末としては、先方の担当者からはお詫びと今までの取引条件で差し支えないと返答が来たそうです。これは相手先が知らなかったのか、無知な相手には付け込もうとしたのかは定かではないですが解決してよかったです。

 

 もう一つは税務の顧問先ではないのですが、会計のアドバイスをしているお客様で、結構免税事業者を抱えています。結構、以前から何度も免税事業者対策をした方がいいですよと経理部長さんには話してアドバイスもしていたのですが、放置してしまいインボイス制度が始まって慌てていました。しばらくは、消費税のうち特例を使っても控除できない20%部分は会社側負担となりそうです。

 また、よく利用するアマゾンやタクシーなどでも意外な事実がありました

3.アマゾンやタクシーはどうなった

 アマゾン、少なくともマーケットプレイスではなく直接購入の場合はインボイスに対応しているという理解でした。ところが、「領収書等/購入明細書」を選ぶと適格請求書形式でなくて焦りました。ただ、「支払明細書」の方を選ぶとちゃんと適格請求書形式で出てきます。よかった、よかった・・・。ただ、これは出品者がアマゾンの場合で出品者がアマゾンではない場合は適格請求書が入手できるとは限りません。詳しくは以前のブログを参照ください。

インボイス制度で変わるアマゾンとの取引で知っておくべき事実とは

 また、タクシーも想定外でした。法人タクシー、先日インボイス導入後初めて乗りました。レシートをもらったのですが、全然適格請求書番号もないし税額(または税率)の記載もなくて簡易適格請求書の条件を満たしていないです。ただ、かなり夜遅く疲れていたので、そのままやり過ごしてしまいました。税務関係雑誌などでは法人タクシーについては簡易インボイスに対応したレシートが発行できる仕組みを導入などとなっていたがそのようにはなっていないようです。おそらく会社の場合は出張旅費特例(社員の出張の実費立替えはインボイス不要)、小さな会社であれば少額特例(1万円未満はインボイス不要)で特に問題はないとは思われますが。

細かいことですがまだまだインボイス、いろいろな混乱はあるのでしょうね。