金融庁「赤字でも成長資金を」は妥当か

金融庁

 

金融庁が地方銀行との意見交換会で長い目で見て成長できる企業でも赤字を理由に融資をさけていることを問題視しているようです。その理由として日本経済新聞では「要注意先債権」への貸し出しが43兆円から32兆円に減っていることを挙げ、その原因が正常先に繰り上がったことよりも「破たん懸念先」や廃業になったことが多いとしています。

そもそも、金融庁が金融危機の際、検査マニュアルを作成し債務者区分を正常、要注意(うち要管理とその他)、破たん懸念、実質破たん先、破たん先に財務内容による機械的な区分を設けたのが始まりです。制度的には要注意の要管理以下の区分はその際の新規融資は難しくなりました。私は金融検査の現場はわかりませんがおそらく赤字の成長企業を正常先や要管理でない要注意などに分類していたら検査官から指摘されていたのではないかと想像します。したがって、金融機関としては「なにをいまさら」であるが、お上の言うことなので少なくとも「対処したフリ」くらいはしないとまずいと思っているでしょう。

さて、この点で銀行側を目利き力がないなどと批判するのは簡単ですが、少なくとも現場に足を運んで見たり、さまざまな財務資料以外のデータに目を通したりしなければ目利き自体できません。つまり手間(コスト)をかけないといけないわけです。「赤字」&「成長企業」に融資なわけですから、多少金利が高くても問題はないはずです。日本の金融市場で不思議なのは業績が悪い先と超優良企業の金利の差がたいしてなく2~4%くらいです。一方商工ローンなどだといきなり10%~20%になってしまい極端な高利になってしまいます。中間的なマーケットが法人融資で発展しないと現実的ではありません。

赤字中小企業側も成長性を訴えるために自社自身で、または顧問税理士やコンサルタントなどの手をかりて成長性をアピールする姿勢が一方必要なのではないでしょうか?きちんとした資料もなく成長性を見てくれというのも虫がよい要求な気がします。

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