NTTの資金管理 -いままでどんぶりだった?

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NTTがNTTファイナンスをグループの金融子会社として位置づけるようです。いわゆるキャッシュマネージメントシステムをいれることです。メリットはグループ内で余剰資金がある会社と足りない会社があった際は、グループ内で融通ができるため無駄な資金が寝てしまうことがなくなり、グループ全体の負債も減ります。したがって、格付けなどもよくなる可能性は高く、資金調達にも有利で今後のM&Aなどにも有効に生かせるわけです。

キャッシュフロー経営という言葉は10年以上前から聞くのですが、NTTのような日本を代表するような企業でもまだ、資金管理についてはグループでの効率化が進まずこのようなどんぶりだったというのはある意味驚きでした。欧米系だと金融子会社というのは中堅企業くらいでもグローバル企業だと普通にあって香港などの税率の低い国にあります。このような国は海外で発生した金利は一定の条件で益金不算入(収益とみなされず税金がかからない)になるので税金上も有利です。自分も外資系法人日本子会社に勤務しているころは金融子会社にすべて資金は吸い上げられ(ゼロバランス)必要な時だけ資金を調達するという仕組みの会社が多かったです。とにかく資金の効率的な管理は口うるさく言われてキャッシュフロー予測なども常に厳しく管理されていました。企業グループの資金管理はまだまだ遅れている会社は日本では多数あるのだと認識した次第です。