代表ブログ

HOME > 代表ブログ > 起業・中小企業経営 > その他

その他

飲食業の人手不足を解消するには

2018.04.15

 最近いろいろな企業で人手不足の話を聞きます。特に私が関係している分野では介護・保育そして飲食業が特にその傾向が強いかと思います。クライアントさんでも飲食業経営という方はいらっしゃいますので、参考に読ませていただいたのが店長育成コーチで経営コンサルタントの松下雅則さんの「スタッフが辞めないお店の作り方」です。

 全般として感じたのは店長として必要な資質は経営者としての冷徹な計数能力と一方人としてスタッフを「消耗部品」として扱うのではなく一人の人間として見ていく「温かい心」と「人間力」だと思いました。飲食業は高度にマニュアル化が進んだ世界であり、ついついいかにスタッフを効率的に働かせるかという部分に目が行きがちです。しかし、やはり相手は人間ですからその根本にある向上心や達成欲求をいかに丁寧に店長がサポートするかが非常に大切です。この本で述べられている新人に初日、3日、30日、3か月のオリエンテーションおよびフィードバックの機会を与える仕組みなどは別に飲食業だけでなく、一般の企業でも役に立つ手法です。

 どの業種でも人が辞める、特に優秀な人間が辞めるのは給与が安いとか仕事がきついということよりも、「消耗部品」のように扱われるということがあると思います。「消耗部品」ですから決まきった役割をひたすらやって、摩耗したら終わりです。一見「消耗部品」として扱うのは効率的であるように見えますが、そのようなお店はどんどんスタッフが辞めて店の店の雰囲気も荒廃していくわけです。

 ただし、スタッフを大切にしてさえいれば飲食店として成功するかというとそこまで単純な話ではありません。一方でいかにスタッフに「経営者感覚」をもってもらい収益に貢献してもらうかが大切です。これも単純に適用すると某コンビニの恵方巻販売のようにアルバイトスタッフに無理なノルマを与えるような自爆営業で短期的には収益が上がってもモラルを下げるようなものになってしまいます。特にアルバイトスタッフなどは楽しくかつ自分も最終的に見返りがあるような仕組みにしなければ経営者感覚をもってきちんと計数管理を考えるようにはなりません。ここでは細かい中身は紹介しませんがそのあたり楽しく計数管理をする仕組みなどは参考になりました。

 ここで書かれている冷徹な計数能力と温かい心&人間力という根本は店長だけでなくすべてのリーダーに共通することだと思います。自分も心に言い聞かせたいと思います。

 ブログでは新聞・雑誌・書籍などから感じたこと・エッセンスなどをお話ししています。その中で起業家・起業家を目指す方などを対象にもブログでは書けないような突っ込んだお話、メルマガでやっています。よろしかったら以下のURLで登録してくださいね。面倒になったらいつでも解除していただいて大丈夫です!

https://www.reservestock.jp/subscribe/69517

 

 

 

 

 

中小企業で健康優良法人をめざそう!

2017.07.31

kennkou

今朝の日本経済新聞で「健康経営」中小企業が宣言という記事が11面に載っていました。それによると経済産業省は経団連などが主導する「日本健康会議」と共同で経営者が率先して健康増進に取り組む中小企業を「健康経営優良法人」として認定する制度を設けたようです。主な内容は経営者の健康経営の宣言の下、健康づくり担当者の設置、検診の受診率(ほぼ100%)、ストレスチェック、ワークライフバランスの推進などいくつかの項目です。内容自体は私自身健康の専門家でもないですが、妥当なものであると感じました。

会社員であったころ「健康管理も仕事の一部」とよく上司に言われ、「健康管理は自分の責任」という意識は強かった気がします。当時は風邪をひいたりすると「弛んでいる、健康管理がなっていない」と上司から叱責の対象になっており、そういったときに「健康管理は自分の責任」という言葉がよくつかわれたと思います。今はさすがないと思いますが、インフルエンザで39度を超える熱があっても上司に「這ってでも出てこい」と言われて出社したこともありました。しかし、熱があっても会社に来るのが普通で、かつ密接にそういった人と一緒に働いて風邪を移されたら「弛んでいる、健康管理がなっていない」ではやっていられません。基本的には私は「健康管理は自分の責任」自体は正しいと思いますが、少なくとも会社はそれを援助する主体で足を引っ張るような体制であってはならないと思います。要するに健康に悪い働き方を強制しておいて「健康管理は自分の責任」では従業員はやっていられません。

そういった意味で大企業だけでなく中小企業においても「健康優良法人」認定をめざし、「健康経営」を宣言するのは良い方向だと思います。実は中小企業の方が代わりのきかない人が多いです。総務部長さんとか営業部長さんなどが突然の病気で倒れて大混乱になってしまった例などを少なからず見かけますのでリスク管理として「健康経営」は「健康優良法人」の認定いかんにかかわらず大事なものと思います。

一つ注文を付けると主体が経産省というのはどうなのでしょうか?厚生労働省でもこの手の取り組みに対し様々な助成金を用意しています。その助成金を得るために中小企業などで社会保険労務士や助成金コンサルタントなどを雇うといった一つのビジネスになるほどの規模になっています。厚労省の助成金などの取り組みと重複した部分というのは少なからずあります。中小企業にとって役所から求められる大量の書類というのは頭痛の種です。同じような制度は統合するか、一つの制度で使った書類はそのまま転用できるかそのあたりの統廃合、合理化はこの手の制度でいつも考慮してほしいと思うことです。お役所の省の垣根は違う会社以上にあったりするので難しいのでしょうが・・

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

メルマガ -起業に役立つブログの読み方

https://www.reservestock.jp/subscribe/69517

ハウス食品に買収されたマロニーの狙い

2017.07.21

maroni

ハウス食品が昨日マロニ―㈱を買収すると発表しました。プレスリリースを読む限り買収価額は未公表ですが日本経済新聞などでは数十億レベルと載せています。私事ですが娘がマロニーが大好きで冬の鍋の季節になるとかなり頻繁に登場するのと、やはり以前中村玉緒さんがテレビCMでやっていた「マロニーちゃん」の宣伝は非常に耳に残っています。HPをみると「マロニー」の由来は「まろやかに」や創業者の吉村義宗氏のシベリア抑留時代に一緒に働いていた明るいロシア娘の愛称「マロン」からきたなど社内でも諸説あるそうです。

現在の社長の河内幸枝氏は創業者の娘で40歳の専業主婦からいきなり総務部長として入社したという異色の経営者です。中村玉緒さんを少ない予算でテレビCMに用い「マロニーちゃん」というなんとなく関西ノリで宣伝するなど様々なアイディアで成長させてきました。しかし、素人だったので会社の経営指標をひたすら頭に叩き込んで社員に質問しまくり「なんでの河内」と呼ばれたほど、実はきっちり数字が見れる経営者と推察されます。

マロニーの売上は27~28億程度で純利益も1億程度と安定した中堅企業といえ特に救済の買収といった側面はないようです。買収数十億というレベルと日本経済新聞が報じているところを見るとEBIDTA倍率(減価償却前営業利益)は10を超えるような割とプレミアムのついた買収と言えるかと思われます。家業として考えた場合はこの河内社長が引き継いだ際も、娘婿である河内氏の夫と創業者吉村氏の確執があったことが原因のようですので事業承継問題が一つあったと思われます。

もう一つの面としては他にくずきりや海藻麺なども発売していますが、基本的にはマロニーちゃん一本の企業だったというのがあるでしょう。そして、将来の成長にハウス食品に頼ったという面はあるかと思います。ハウス食品によりマロニーちゃんの海外展開も考えているとは思いますが、プレスリリースをみると新たな商品開発という項目がありますから、社内の経営資源をうまくハウス食品に生かしてもらい一層の発展を目指していくのだと思われます。今回の買収でハウス食品の100%子会社になっても河内社長は留任の模様ですし、今のところ幸せなエグジット(出口)という感は強いです。

お問い合わせは↓まで

http://hands-on-cfo.com/contact/

 

どこかピントがずれている脱時間給をめぐる議論

2017.07.12

white Color

「脱時間給」法案が修正され休日の確保、労働時間の上限、連続休暇の取得を労使で決める仕組みとするようです。これは対象は年収1075万円以上の金融ディラー、アナリスト、コンサルタントなどに限るようですが基本的には広げていこうという考え方があると思います。そもそもこの3つの職種はキチンと成果が出せる人間であれば(かなり好不況には左右されますが)転職は容易で労働条件が悪ければどんどんほかの条件の良い会社に移ってしまいます。したがって、頭のよほど悪い会社でない限り、むしろきちんと休ませて生産性を高めてもらうことを奨励するはずで、特に休日の確保といった政府側からの取り組みは不要だと思います。おそらくこれで制度設計したのちほかの職種にも広げていこうというのが狙いでしょう。

野党は「残業ゼロ」法案と反対しており、ブラック企業的な働き方を促進するとしています。確かに他の職種に広がった場合、悪用する企業が出てくる可能性はあるでしょう。しかし、本来成果と働く時間が比例しないならばそもそも企業側にも長時間無理やり働かせる誘因はないはずです。実は大企業にコンサルティングに行くとホワイトカラーの現場で生産性が低いことがわかります。業務が無駄に複雑で慣れれば頭を使わないのだが、コツをつかむのは複雑で難しく時間がかかるといった仕事が非常に多いです。2つ目としてはこれも長い間言われていますが会議の生産性が低く意思決定にやたらと時間がかかることがあるでしょう。欧米系企業であれば普通に取り入れられているファシリテーション的な手法などをきちんと取り入れている企業はいまだに少ないことは驚きです。脱時間給がこのようなホワイトカラーの生産性の低さを解決するかというということは正直わかりません。

人間、生産性の低い無駄な仕事をする、かつ長時間であればふつう楽しくありません。それでも会社を辞めないのはまだまだ日本の労働市場は硬直的で転職が容易でないことがあるでしょう。これに対し日本において解雇が容易でないことが硬直性につながっていると主張があります。要するに、長時間ダラダラと人を働かせるダメ企業に人々がしがみつく誘因になっているということです。私は安易な解雇には反対ですが、現在のように本当に会社が倒産寸前か、犯罪行為に近いような行為やほぼサボりに近い働き方でない限り解雇できないのは行きすぎです。一方明らかな不当解雇に対してはせいぜい不払賃金と解決金の支払いくらいで解決金はスズメの涙程度で非常にバランスが悪いです。解雇はもう少し容易になる一方、不当な解雇に対しては厳しいペナルティを課することで公正で流動性の高い労働市場を作ることが必要だと思います。生産性の低い無駄な仕事をダラダラ長時間させるダメ企業からきちんとあげた成果に報いる自由な企業に有能な人々が移っていくような柔軟な社会を目指していければと思います。私のできることとしては職場の効率性の向上をコンサルティングの中でご提案していきたいと思っております。

お問い合わせは↓まで

http://hands-on-cfo.com/contact/

 

 

 

これは本当に休み方改革?

2017.07.10

Vacation

今朝の日本経済新聞でセブン&アイ・ホールディングス、住友林業、アートコーポレーションなどが一斉休業の日を設けるようです。セブン&アイHDは部署ごと、住友林業は週2日の休みに加え、年4日支店・営業所の一斉休み、アートコーポレーションの場合は定休日を業界では初めて年30日設けるようです。この中で人手不足であえぐ運輸業界は多少事情が違い明らかに減収になる定休日を設けるというのは非常に勇気のいる決断だったとは思います。

ただし、本来の休暇は自主的なもので他人に言われて取る休暇というのはなんだか不本意な感じがするというのが正直なところです。会社員時代を思い出すと土日の休みは比較的有意義に過ごしていましたがその他の国民の祝日というのは年末年始の休みを除けば、あまりありがたいと思ったことはありませんでした。年末年始の休みは1年間を振り返り新たな気持ちで1年を迎えるという意味ですごく大切な時間と思っていましたが、それ以外の祝日は1日程度増えてもなんとなくダラダラしてしまいます。それ以外の祝日はその分残りの平日は忙しくなって鬱陶しいので、結構仕事していたことも多かった記憶があります。一方外資系にほとんどいたこともあり基本的に休みは1週間以上は必ず年1~2回取っていました。長期の休みはたいてい忙しい仕事が後片付けも含め一服しそうな時期と家族の予定を何とか合わせるという、どちらかというと子供の長期休暇と合わせる方が大変だったかもしれません。

休みについて思うのですが週休2日というのはなんとなく体のリズムに合っているのですが、それ以外の休みというものは自律性、自主性というものが大切な気がします。休みを自信をもって取れるというのは自律的、自主的に仕事をしているということが挙げられると思います。自主的に責任を持って仕事をしていれば基本的にこの時期は休んで大丈夫と自信を持てます。逆に上司などに言われてただ単に手足(多少頭も使うと思いますが)を動かしているだけだと上司の意向に逆らえないことになります。一斉休業でないと休めないというのは厳しくいうと自律性、自主性のない(プロフェッショナルとはいえない)仕事をしていないことになるのではないでしょうか?これらの企業は「自律的、自主的」に働く人財を求めているはずなのですが、言われたまま動くようなそういった人材で十分と心底では思っているのかもしれません。

偉そうに申し上げましたが、自分自身仕事に追われ、土曜日も結構仕事の日々でしたので反省して少し長めの休みを取ってみようと思います。じっくり本をよんだり家族と話す時間を設けるのも大切ですよね。デジタルデトックス(ソーシャルメディアやメールに一切アクセスしない日を設ける)なども今後設けようと反省した次第です。

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

http://hands-on-cfo.com/contact/

 

メルマガは

https://www.reservestock.jp/subscribe/69517

 

 

株主総会の思い出

2017.06.30

総会

株主総会シーズンがやってきました。新聞紙上でもここ3~4日の間に株主総会が集中していると毎年批判的記事が載ります。ただ、自分の経験だと決算日後3か月以内の開催ということなので安全に落ち度なくやろうと思うと期限ぎりぎりの6月末になってしまうというのが実感で別に重ねることによってうるさい株主をできる限り排除しようといった意図があるわけではありませんでした。この時期になってしまうことの理由に株主総会招集通知を郵送することがあります。郵送なのでそれなりにリードタイムがかかる上、やれる業者が日本ではほぼ数社に限定されるため、それに拍車をかけることとなります。また、会社法に基づく計算書類が有価証券報告書と様式が微妙に違うため組み換えなどの作業が必要になり、かつ監査も必要なため時間が要する原因となっています。分散開催を目指したいのならば3か月の縛りをなくし、計算書類の有価証券報告書との共通化を目指してほしいものです。

招集通知をメールで送ることも可能なのですがそのためには個々の株主に承諾を得なければならず、全面メールは難しいと思われます。加えて株主総会でヒヤヒヤなのは株主総会の決議に必要な定足数(最小限度の出席数)が集まるかで、多分定款で3分の1を定足数と定めている上場企業が多いとは思いますが、これが集まるかで総務の担当者は気をもむことになります。さらに新聞でも取り上げられているように以前は賛成に丸を付けてくれる株主がほとんどだったのですが、最近は取締役の選任などでも反対票を入れる株主が多くなってきていますし、機関投資家も議決権の行使状況に対し開示を行うようになってくるので昔のように賛成票を自動的に入れることはほぼ完全になくなるでしょう。

私は以前上場会社の役員とCFO(管理本部長)を兼務していましたので株主総会運営の責任者の立場にありました。作業はほとんど部署のスタッフが行うので、想定質問に自分として備えるといったことぐらいしかやることはないのですが、招集通知の内容は定型化しているとはいっても大きな誤りなどあったら大変ですのでチェック等には神経を使います。頭はつかわないが神経を使う仕事だといえるでしょう。総会当日は出席者で多いのは年配の方です。そして軽食とかお土産を出すことにすると出席者が2倍になります。以前総会で軽食でサンドウィッチを出したのですが、あまりおいしくなかったらしく掲示板に多く書かれていたのは株主総会やそのあとの説明会の内容ではなく、サンドウィッチがパサパサしてあまりおいしくなかったという不満でした。いつも株主総会が始まる前は大事な数字は頭に入れて明快に答えられるように準備するのですが、そういった質問があった記憶はありません。多いのは年配の方で株価が低迷していることへの不満を永遠に述べる方、持論の経営論(といってもこうやれば株価が上がるはずだといったようなもの)をとうとうと述べる方などで、結局質問は何なのかよくわからないケースが多かったです。そのような場合は「貴重なご意見ありがとうございました」で締めくくってしまいます。ただし、意外に不満はあっても温かい目で見てくださる方が多い印象はありました。

今考えても年に1回株主と会社経営陣が出会う場ということでは意義はあるとは思うのですが不思議な儀式だなというのが正直な感想です。そして終了した後は対して何もしていないし、ほとんど話もしていないのですが、何もしたくないくらい疲れているのに気づきます。最近は賛成票を投じない株主も多くより緊張したものになりつつあるのかもしれません。

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

 

 

 

Amazonが独自の配送網

2017.06.23

AMAZON

Amazonが日米で大胆な手を打っていきます。「泣かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」のように常に知恵を絞って新しい手を打ってきます。アメリカで行ったのはホールフーズの買収です。ホールフーズは日本でいえば高級食品スーパーと言われていますが、個人的には「成城石井」というより「多少有機野菜が多いサミットかライフ」といった印象です。余談ですがアメリカのスーパーは一般的には平気で傷んだ野菜果物とか売っていますし卵も割れたのが混じっていたりしますからよく確認してから買わないといけませんが、ホールフーズはそのあたりは日本のスーパーのレベルにはなっているという点では高級かもしれません。ただ、確かに格差社会のアメリカではホールフーズは高級住宅地の近所にしかないですから富裕層の財布を握るという意味では同様の業態においては恐ろしいかもしれません。アメリカではAmazonが小売の実店舗も制覇するのではないかと戦々恐々で比較的高所得層が相手のコストコ(アメリカではコスコですが)は株価がそのニュースで1割近く下落しています(一方でわりと低所得層が相手のWalmartなどは多少下がった程度でした)。

日本で行ったのは個人運輸事業者の囲い込みのようです。さすがに直接ではなく「桃太郎便」を手掛ける丸和運輸機関を通して個人事業主を組織化させるようです。ヤマトや佐川も音を上げたAmazonの配送どうなるのだろうかと思っていたのですがこのスピード感で新たな手を考えてくるのは凄味があります。大手運輸会社が人手不足と過重労働で人員を囲い込みにくくなる一方、このやりかたはビジネスモデルでいえば「事業化代行型」で空いているトラックやまだ事業を起こしていない個人もフリーランス的に参加して「事業化させる」スケールの大きなものです。日経の解説によればこのような独立自営の軽貨物配送の台数は15.5万台でヤマトの4.4万台をはるかに上回ります。これが宅配業者にとって脅威なのは単に他の運送業者と提携したことではなく、空きトラックやフリーの人々を組織化しようとする新しいカテゴリーを大規模に展開しようとしていることです。ただし、日本の場合、昨日のヤマト運輸の株価は0.47%の下落とほぼ無反応と言っていい動きでした。

ただ、懸念点としては個人の運輸業界というと偏見かもしれませんがまだまだ「電話とFAX」の業界でIT化による効率化とは遠い業界な気がします。丸和運輸が100億円を投資するというのはこのあたりの整備も含むかもしれません。Amazonが物流も支配してしまうのは少し怖い部分も消費者としては感じつつ、経営コンサルタントとしては今後の個人事業主の組織化の動きは楽しみです。一方中国の政権のように「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス」なのは困りますが、日本の一般企業が「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」なのは寂しいことです。

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

 

 

 

産業医の権限強化は役立つか?

2017.06.19

産業医

日曜日の日本経済新聞に産業医の権限強化の記事が載っていました。その内容は、企業は産業医との情報共有を促し、就業時間の削減などを講じた手立を報告させ、産業医は対策を講じない企業には説明責任を果たすよう求めるといったものです。加えて企業が産業医との契約を打ち切る時は理由を労働組合に知らせ、簡単に契約を解除出来ないようにして産業医の権限強化を図るというものです。進んだ大企業だと産業医と連携して、従業員の健康管理に積極的に取り組み効果を挙げているケースもあるようです。従業員の健康管理はどの企業にとっても非常に大切な問題で産業医を活かすというのは大切なことのように感じますが、そもそも産業医という制度は本当に従業員の健康管理に役立っているのでしょうか?

中小企業などにとっては産業医は無駄なコストのように感じている経営者が少なくありません。法令では従業員50人以上の事業所には産業医設置義務付けとなっていますがどれだけきちんと守られているのでしょうか?私もある中小企業の経営者と話をしていて従業員は48人だけれども50人になると産業医など「無駄なコスト」がかかるので困ると話されていたのが印象が残っています。こういった方は従業員の健康管理に気を配らないダメな経営者なのでしょうか?私も会社員だったころ確か産業医の先生が来社されていましたが、恥ずかしながらイメージとしては月一回、数時間健康相談に来て総務課長とお茶飲んで帰る方というだけで利用したこともありませんでした。別に健康に気になるのでしたら昼休み前後にでも近所のクリニックに行けば十分です。私自身少なくとも都会の事務職にはあまり役に立つ制度と思ったことはありません。

そもそも産業医というのはどんな資格かと思い、日本医師会が出している「認定産業医の手引き」に目を通してみました。すると産業医として認定されるためには50時間以上の研修、5年間の20時間以上の継続研修が必要だそうです。もともと医師という高度な専門職だからという点はありますが、ざっくり1週間の研修とその後は1年間に半日程度の研修で取れてしまう程度の資格というのは驚きです。そしてその内容も手引きによれば基礎研修でメンタルヘルスに係るものは1時間しかありません。メンタルヘルスの健康管理というのはそんなに簡単なものなのでしょうか?一方、作業管理、作業環境管理、有害業務管理が基礎研修では2時間ずつあり、基本的に内容は製造業の工場の健康管理に偏っている感が強いです。

まとめると、「認定産業医」という資格が工業社会には適合していて、確かに工場などの衛生管理や安全管理には大きな貢献をしてきたかもしれませんが、現代のホワイトカラーのメンタルヘルスなどが主体となった健康管理には適合していない気がします。心療内科、精神科専門医だけでは足りるとは思えないので、産業医的な制度を「臨床心理士」や「公認心理士」などの資格者にも門戸を開く方が効果的ではないでしょうか? 厚労省が決めることなので医師会に「忖度」した制度を温存する可能性の方が高いとは思いますが・・・

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

 

 

 

 

皆に愛された女性人事部長の死

2017.06.12

kato

10日の土曜日、昔の勤務先(GE日本法人)同僚だったある女性のお別れ会に行ってきました。彼女(今後Mさんとします)は私が部門長であった財務部門の担当人事でありいろいろお世話になりました。悪性の脳腫瘍になり約1年半の闘病生活の後、永眠されました。病名の申告後、交際されていた方とご結婚され、スライドショーで映し出されていた2人で病に対し手を取り合って闘っている姿が彼女らしく常に明るく前向きである一方、包帯姿が痛ましく会場の特に女性の涙を誘っていました。Mさんのご主人と勤務した5社と大学時代のゼミの友人が出席しておりました。一般の方々の外資系のイメージどおりふつう私生活の交流は日本企業に比べると密ではないのですが、Mさんの場合とにかくプライベートな付き合いが良くていろいろな部署の友人が多く、出席者の半分以上は自分の部署以外の方でした。

私のMさんに対する印象ですが、とにかくひたむきに仕事をされる方でした。彼女はほぼ私と同年代ですが外資系でその年代の女性幹部には割と「私はデキル女」オーラがある方が多かった印象が強いです。経歴もたいてい一流の日本の大学卒業後大企業に2~3年勤務後、アメリカで一流大学院で勉強して外資系に幹部候補として入社するといった感じです。優秀な女性を使いこなせる日本企業はほぼ皆無な年代で外資系企業に活躍の場を求めてやってきた方がほとんどで苦労されたと思います。人一倍アピールしなければという気負いがどこかあったのかもしれません。ところが彼女は誤解を恐れずに申し上げればそのようなオーラが全くなく、お別れ会で経歴をお聞きするまで彼女が米国の一流大学院を卒業してGEに入社された方だと存じ上げませんでした。私も当時は結構タフな付き合いにくい部門長だったと思いますが、Mさんは私の厳しい要求も笑顔で受け止め、結果がうまくいかなくても変な言い訳は一切せず、常に次の改善案を提案してとにかく前向きな方でした。また、 私も含めて外資系の幹部クラスはとにかく強い上昇志向を持った人間が多いのですが、彼女が上昇志向がなかったかどうかはわかりませんが、とにかく自然体で仕事に臨んでいて、それを前面に押し出して強く自分の実績をアピールするようなことは一切ありませんでした。そのような姿勢が「デキル女」オーラを感じなかった一つの要因ではなかったかと思われます。

ある方がスピーチでMさんは「自分にとって特か損かでなく、常に正しいか、正しくないかということで判断を行った」おっしゃられていました。外資系の場合やはり人間関係は日本企業に比べると確かに希薄ではあります。しかし、やはり人間が仕事を一緒にするというの点は全く違いはありません。突然の知らせでかつ転職も多く消息をつかむのも難しい中、60人以上の元同僚が集まるというのは皆に愛されていたということだと思います。愛されていた究極の理由は繰り返しになりますが「自分にとって特か損かでなく、常に正しいか、正しくないかということで判断を行った」ことでしょう。もう少し一般化すると経営者でも管理職、社員でもいわゆる「仕事人」として一番大切なことである「無私」であったことではないでしょうか?目先の損得に左右されず正しい道をいくということは「無私」であったと思うわけです。「無私」からでた言葉・行動は強く相手の心を打つのだと思われます。

私がMさんに最後にお会いしたのは新幹線の東京に向かう金曜日の最終列車でした。GEを退社後、出張帰りにトイレに向かう途中でお見かけしました。しかし、Mさんは爆睡中のようで声をかけられませんでした。多分ハードワークを続けれら、疲れていたのでしょう。それから2度とお目にかかれなかったのは残念でしたが、いろいろ大事なことを学ばせていただき、みんなに愛されていたMさんのご冥福を心からお祈りしたいと思います。

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/

 

 

JDI(ジャパンディスプレイ)の誤算

2017.06.07

JDI

液晶パネル大手のJDIがこの夏に抜本的な経営再建策を策定するようです。国内工場の再編と他社との資本提携を視野に検討するようです。スマホなどの中小型液晶パネルで世界首位ながら3期連続の最終赤字に苦しみ資金繰りが悪化、一方将来は有機ELパネルが主流になりつつある中、まだ量産体制には入れない状況です。JDIは東芝、日立、ソニーの中小型液晶部門が集まって2012年4月に事業を本格開始した企業です。確かに液晶業界は体力勝負になっておりサムソンなど韓国勢の資金力にはかなわないという面はあります。しかし、それは本当の原因でしょうか?根本的な原因は日本の合併会社にありがちな意思決定の遅さがある気がしてなりません

まず3社連合することの意味の一つは合理化というものがあります。しかし、生産性が低いとされていた深谷工場の閉鎖を決めたのは2015年3月期の最終赤字がほぼ確実になった2014年10月です。工場の閉鎖というのは唯一絶対の解ではありませんが、赤字になったら閉鎖しなければならないような工場は本来発足の際に閉鎖が決まっているくらいのスピード感なければサムソンには及ばないでしょう。深谷工場は旧東芝の工場でしたから、「なぜうちの工場が最初に」のような抵抗があったかもしれませんが。良くも悪くもサムソンは意思決定の速い軍隊のような企業ですから昔の3社の姿そのままに小田原評定をしているようでは勝負になりません。

有機ELパネルへの進出の遅れも非常に残念なことです。液晶の高度化で勝負に勝てると経営陣は考えていたようですが、私のような門外漢でも有機ELの時代がやってくるという話は3~4年前から結構聞こえていたことなので不思議です。「人は見たいと思う現実しか見ようとしない」ので、「有機ELは主流になるはずはない」と決めつけるのはありがちです。たいてい「見たくない現実」から目をそらす体質の企業は衰退していってしまいます。

遅まきながらこの夏の「抜本的な経営再建」は最後の勝負になると思います。偏狭なナショナリズムと思われるかもしれませんがシャープが台湾企業になってしまった今、JDIは日の丸液晶として頑張ってほしいと思っています。もう旧3社の意識は忘れてJDIとしての最適解を見つけてほしいものです。

お問い合わせは↓まで

http://ta-manage.com/form/