会計士不足に思う
公認会計士の不足が今朝の日経に載っていました。今年の合格者数は1051人で2006年の新試験制度以来最低になったようです。もっと問題なのは受験者も2010年の25000人をピークに減り続けついに10870人になってしまったことです。
基本的な原因は以前会計士不足ということで合格率を20%くらいまでアップさせ4000人程度の合格者を出したものの、大量の就職浪人を出してしまってイメージを悪化させてしまったことにあると思います。合格率も就職浪人が出てしまったため7%くらいまでその後絞るなど、このような場当たり的な対応をすると当然人気がなくなるでしょう。昔に比べ易しくなったとはいえ、まだ人によっては数年の受験勉強が必要で学生などは一般企業への就職をあきらめなければならないリスクを考えれば人気はでません。監査法人は民間企業ですから好況なら人を取り不況ならば絞らざるをえないのはある程度仕方がないですが、あまりにも目先の好不況に左右された場当たり的な採用で受験生を混乱させています。会計士試験を合格したというだけでは一般企業では対して使い物にならず、やはり監査の現場などで最低2~3年は実務を積むことが必要だと思います。会計士制度は社会のインフラなのでせめて合格した人が2~3年の経験は最低積めるような仕組みを国と監査法人で考えてほしいものだと思います。極端な話、特に若い人であれば安給料でも経験を積む事の方が大事だと思うのです。
加えて、以前は「独立した監査人」としてプライドをもって仕事ができましたが、会計不祥事の影響でとにかく監査法人は守りに入っていると現役の監査法人の人間からはよく聞きます。当然意見を形成するにあたって監査調書をきちんと残すことは重要ですが、重箱の隅をつつくような金融庁の検査にそなえての対策資料作りが本来の監査意見を形成する仕事をかなり侵食しています。監査の意見に対しても実質的に現場の判断ではなく、審査委員会といったタッチしていない部署の意見に左右されるので顧客に対してもあいまいなことしか言えず、悔しいとこぼしている人間もいました。
多少自分の感情が入っているようですが、特に若い人が公認会計士といった職業を誇りを持って選択できるよう自分も何かお役にたてればいいと思っています。