花王の資金効率改善策 -CCC重視日本企業にも?
花王がシティバンクとタイで提携して資金の効率的利用を図ろうとしています。ようするに買掛金の支払いを遅くするとともに一方でシティバンクのファクタリングを利用してサプライヤーは早期に資金を回収できるものです。花王は資金効率がよくなり、シティバンクは手数料が稼ぎ、サプライヤーは早期資金回収ができる利点があります。(ただ、サプライヤーにとってはシティバンクに払うファクタリングの手数料(金利)分だけ取り分が減るのかもしれませんが。)
これはCCC(キャッシュコンバージョンサークル)を花王が経営指標として重視している現れの一つと言えるでしょう。CCCは運転資本を圧縮する取り組みで式的には売掛&在庫回転日数-買掛回転日数で少なければ少ないほど売掛や在庫で寝ている資金がないので効率的な資金運用と言えます。
日本企業で必ずしもCCCを重要経営指標としている会社は多くはないようですが欧米系は結構うるさく言われ私が外資系企業に勤務していた20年前でも厳しく管理していました。有名なのがアメリカではアップルで値はマイナスです。現金回収の小売業という特性もありますが素晴らしい(えげつない??)と思われます。買掛金の支払いを伸ばすことで実施的には回収した資金を手元に置いておくことができその分だけ借入金などが圧縮できるわけです。
決して大企業だけに重要な指標でなく、中小企業などもこれを重視することで資金繰りは非常に楽になるケースがあります。日本の中小企業はあまりCCC管理と改善手法をご提案しても反応が良くないのは非常に残念ですが・・・。