オリンピックのメダル獲得の報奨金に税金がかかる?話

1.オリンピックのメダルラッシュ

 今回は税金の小ネタ話です。

 国民の大多数が反対だと騒がれた東京オリンピックも日本選手の活躍にわいています。正直なところ自分の周りや妻の周り見てもオリンピック反対と声高にいっている人はほとんど誰もいなくて世論調査は不思議です。確かにコロナ禍でオリンピックは本当にやって大丈夫だろうかという不安はあったことは確かですが、こういった人々が大部分でこういった人が「反対」にカウントされたかもしれません。

 金メダルを取った選手たちなどを見ていると、この方々の血のにじむような努力が報われて本当に良かったと思います。やはり無観客でやるなんて意味あるわけ?とも言われましたがやはり開催して良かったのでしょう。あとは大規模クラスタ―が選手や関係者に起こらないことを祈りたいです
さて、メダルに関していきなり下世話な話になりますが、メダルを獲得した選手は報奨金を受け取ります。

 この報奨金、税金はどうしているの?というのは気にかかります。実は約30年前この報奨金をめぐる事件がありました

2.岩崎恭子さん事件

 1992年のバルセロナオリンピックで金メダルを取った当時14歳だった岩崎恭子さんが報奨金が一時所得だったとして9万円課税されて話題になりました。14歳の子供に税金かけるのかと話題になったのです。

 一時所得は一般的には懸賞やクイズの賞金、公営ギャンブルの払い戻し、保険金の満期払戻金などが当たります。営利を目的とした継続的な所得でなく、労働、役務、譲渡の対価ではないものがあたるとしています。

 計算方法はその収入を得るための経費と50万円の特別控除を差し引いたものを半分にして税率をかけます。例えば500万の報奨金をもらい、ほかに所得はなく基礎控除(38万)だけとすると

{(500-50)÷2-38}x5%=93,500円となります。

 確かに報奨金と今までの努力の直接的な関連性はない(労働・役務の対価ではない)と言えますが、だからと言ってほとんどラッキーなだけのくじ引きの懸賞金などと税務上同じ扱いかよと思います。心情的には当然血のにじむような努力や出費もそこまでの道にはあったわけで納得できないです

 これは、新聞や国会審議にも取り上げられ、1994年税制改正でJOCからの報奨金は非課税になりました。少しこのあたり詳しく述べます

3.報奨金の処理

メダルを取った報奨金についてJOC(日本オリンピック委員会)JPSA(日本障がい者スポーツ協会)から支給されるものは非課税です全額非課税です

所得税法第9条第1項第14号 非課税所得で以下のように書かれています

「十四 オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとし、て財団法人日本オリンピック委員会(平成元年8月7日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和40年5月24日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。)その他これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの

JOC加盟団体については一定額まで非課税となり、金500万 銀200万 銅100万(平成2年度改正で300万→500万に引き上げ)です。JOCからの報奨金は非課税なのですがこの非課税枠に忖度したのか金500万 銀200万 銅100万となっています

 ただし、企業などから報奨金が出る場合、勤務先であれば給与、そうでなければ同じように一時所得として扱われます。このケースはある程度やむを得ないかなとは思います。金まみれオリンピックというのは嫌ですが、ある程度努力した方々が金銭的に報われるというのも悪い話ではないかなと思います。

 大会関係者、ボランティアの方々の努力に敬意を表し、日本選手を含む世界の選手が自分の実力を発揮して大きな事故なく終わることを祈りたいですね。