配偶者控除は本当に必要? -制度変更について
来年から配偶者控除の制度が変わります。特に源泉徴収の事務をやられている方は様々な煩雑な事項がありますが、普通の給与を受け取っている方々はザックリと3つの点(+1の追加事項)を認識しておけば良いのではないかと思われます。
1)合計所得金額1000万超(年収 1220万円超)の方について、配偶者控除は受けられなくなります.
2)配偶者控除の対象者の合計所得金額は38万円以下(年収103万以下)から85万円以下(年収150万円以下)とかなり範囲が広くなりました
3)2)に応じて配偶者特別控除(控除額は所得が増えるに従って徐々に低減していく仕組み)は合計所得123万円以下(年収201万円以下)まで適用されることとなりました
プラス1の追加事項として、合計所得900万超~1000万以下は50万円刻みで2)3)の控除額が約3分の1ずつ減らされます。
この変更の意図としては、配偶者特に女性について配偶者控除がなくなることを恐れて働くことをやめてしまう103万円の壁をなくす、一方で高額所得者層には配偶者控除をなくし増税をするということでしょう。しかし、当然バリバリフルタイムで働く共働きの女性には全く恩恵はないです。通常フルタイムで働けば一般的には年収200万円は超えると思われるのでパート女性優遇でしかありません。また、年収1200万円あたりで「高所得者」とみなされ、いきなり増税というのはやや違和感があります。生活の面でいうと子供を2人私立の中高一貫などに入れ、住宅ローンなどがあるとこの層だとかなり生活は厳しくなります。確かに「庶民感覚」的には高所得者かもしれません。しかし、ちょうど私の同級生くらいの年齢(50代前半)で一流企業などにいる方はこのくらいの年収が多いと思われますが、今後は役職定年などで大幅カットが見えている方も多々いる中で富裕層的にみなされるのは厳しいのではと思います。
そういった意味でなんだか中途半端で誰の役に立っている制度変更なのかしら・・と個人的には疑問に思います。いっそ「配偶者控除なんてなくしてしまえ!」と思うのは私だけでしょうか?
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