文科省の高3対象の英語力調査で感じたこと

英語

文部科学省は、全国の高校3年生を対象とした英語力の調査結果を公表し、「話す」、「読む」などの技能で、依然、7~9割が、中学卒業レベル以下だったようです。ニュースでは驚きをもって伝えているようですが私は全く驚きませんでした。というのも昨年5月同じく文科省の調査で全国の公立中学・高校の英語教員のうち、英検準1級以上かそれに相当する資格を取得しているのは中学で28.8%、高校で55.4%だったことがわかっているからです。こちらの方がはるかに衝撃でした。要するに教える側の実力がないわけですから教わる側の実力が増すはずがありません。

私は英語の専門家ではないですが普段の仕事で使うことがあります。経理部門できちんと働くためには日商簿記2級程度の力が最低必要だと思いますが、英語を普段使う人の場合は英検1級レベル(またはTOEIC900点)がこの最低必要レベルだと感じています。自分の英検1級レベルの英語力では仕事で使う最低限はカバーしているが、まだまだ英語を使う不自由を感じます。たとえば一般企業で簿記2級レベルの実力がないと経理では使ってもらえないのに、それ以下で英語を平気で教えているというのは非常に不思議です。

そのため、先日娘が不満をこぼしていましたがテキストの英語をひたすら英文和訳するだけのような授業がまだまだ主流なようです。中学最初の文の構成を学ぶ際などは確かにある程度和訳は必要かもしれませんが、ある程度基礎がついてきたら早く英文を読んですぐ大意をつかむ方がはるかに重要だと思います。早く読んで大意をつかめればヒアリングにも役に立つわけです。逆に英文を書く授業は少ないようで、きちんとした英文を書くのは実力が必要なので無理なのだと思います。

一方で日本企業などはまだまだ国際派が冷や飯を食う会社があるようで50代で閑職に回されている人材がすくなからずいるという話を聞きます。当然教えるスキルというものは訓練しないといけませんが、現場の教師の質が上がるまで、このような企業人材を訓練して英語を教えてもらうということはできないのでしょうか?是非このような人々に将来の若者を育ててほしいですし、少なくとも英語教師という英語のプロなのに英検準1級も取れない方を指導するよりも早いと思います。