サントリーは上場すべきか?

サントリー

日経新聞などでサントリー上場の話が出ていました。多分一つの選択肢として上場を検討したのは事実でしょう。確かに新聞がいうように有利子負債(平たくいうと借金)は約1兆6千万程度になり、昨年末で自己資本比率は19.4%まで落ち込みました。規模的に非常に似通っているキリンが自己資本比率が昨年12月末で37.2%で有利子負債は8000億とざっとサントリーの2分の1です。要するに借金が多いので財務的安定性を欠く、したがって上場して株式で資金調達を行って財務的安定性を向上させようというのが趣旨かと思われます。

確かに格付けはムーデースでBa2でキリンのA3に対し2段階下になり、今後の資金調達で高い金利を要求される可能性は高くなります。しかし、営業キャッシュフローは約1600億円程度あり、ざっくり10年で返済できるレベルであり、多少冒険ではありましたが無理な借り入れというレベルではない思われます。

一方、サントリーの企業理念ともいえる「やってみなはれ」といった思い切った意思決定のできる体制が、今は創業者グループが90%程度を保有していることでかなり機能しているかもしません。外部の株主資本が入ってくれば高配当を要求されたり、結局ROEをよくするために自社株買いをしなければならないなど様々な要素がはいってくると思われます。ROEもジムビームの買収費用で昨年こそは4.7%まで低下しましたがおおむね10%近くを確保しており業績もキリンよりも良好と言えると思われます。上場のメリットの一つともいえる知名度や信頼性の向上なども全然問題ないわけですから正直言ってどちらかというとデメリットの方が多い気がしますがいかがでしょうか?