ROE10%超 3社に1社 -いい傾向なのか?
今日の日本経済新聞の一面は「ROE 10%超 3社に1社」でした。日本の上場企業でROE(自己資本利益率)が10%超えた会社が3社に1社になったというニュースです。昔から欧米企業はROEが二けたというのは常識で日本企業はROEが低いと言われてきました。ROEの分解式で有名なのは以下の2つだと思います。
① ROE=EPS(一株当たり純利益)÷BPS(一株当たり純資産)
② ROE=売上高純利益率x総資産回転率x財務レバレッジ
よくROEを上げるために自社株買いを行う、高配当を行うという話がありますがざっくりいうと自己資本を減らす話です。自社株買いをするためにはお金を払って市場から自社の株を買ってくるということです。しかし、本来はそのお金を使って利益を上げれば①の式では一株当たり利益があがり②の式では売上高利益率があがるので、それでROEはよくなるはずです。それを自社株買いするということはよく言えば身の丈に合ったスリムな体質にする、悪くいると縮み思考です。
財務レバレッジなども総資産÷自己資本で要するに借入金を多くして自己資本比率を下げれば上がります。リスクの高い指標なので先進的な欧米企業では精緻に適正なレバレッジを計算してバランスを取っているようです。
要するに低いROEに理由なく甘んじるのは問題外ですが、高ければいいのかと言えばそんなことはないと思います。その企業にあった適正ROEがありそこを目指すべきではないかと思います。したがってただ単にROEが高くなって欧米企業並みになったと喜ぶのも違う気がするのです。