対面型フリーランスはどうやってコロナを乗り切るか?

目次

1.対面型フリーランスの苦境

 「対面型フリーランス苦境」という記事が4月5日の日本経済新聞に載っていました。要旨は対面が必要な仕事である通訳ガイド、インストラクターは今回のコロナ問題で大いに苦境に陥っているという話でした。インストラクターで特にヨガ、フィットネス系は多少You TubeやZOOMなどのWeb会議の仕組みなどで多少補うことは可能でしょうが、まだまだ、提供側も顧客側もまだまだ不慣れな部分は多いでしょう。例えばZOOMの場合使用者が昨年12月は世界で1000万人程度だったのがいきなり今回2億人になったということなのでほとんどの方が今回使い始めたビギナ―といえます。

 一方通訳ガイドは対面型の上に、観光する人もほぼいなくなったのでもっと厳しいかと思われます。そこで、記事によれば政府の支援として3月10日「一定の要件を満たすフリーランスに一日4100円を支給」が創設されたのですが、この条件として業務委託契約を相手側と結んでいることが条件として挙げられており条件が厳しすぎるとのことでした。確かにフリーランスの仕事で業務委託契約を結んで行うのは非常に限られていると思います。ただ、恥ずかしながらそもそも「一定の要件を満たすフリーランスに一日4100円を支給」などという対策、あまり記憶に残っていなかったので少し調べてみました

2.フリーランス支援策とは

 調べてみるとこれ・・そもそも小学校の休校対策で、できたものでした。フリーランス支援策というよりも臨時休業した小学校等の子の保護者がこのために就業できなかった日数に応じて定額(4,100 円/日)を支援することとするというものです。もともと会社員を対象としていたのですがフリ―ランスにも少し門戸を開いたというものです。したがって、小学校の春休み対象期間は対象となりません。小学校の休校対策のおまけ的な感じなので記憶に残らなかったわけです。

 加えて、業務委託契約に基づく業務があり、これが小学校の休業によって遂行できなかった時に限り支給されるといった内容なので極めて限定的なものといえるでしょう。ただし、日経の記事ですと業務委託契約がないとNGといった内容でしたが、一応電子メールなどで業務の内容・日時・場所が指定されていれば対象となるとは書かれていました。そうだとしても政府、いわゆるお役人の考える「業務の内容・日時・場所が指定されている」フリーランスとは正直極めて非正規雇用と近いレベルの人々を考えているのだと感じました。

 フリーランスで困っている方々はコロナの影響でそもそも仕事が物理的にできない対面型のお仕事の方々で、直接の影響がなくても多分間接的に仕事が少なくなっている方々が多いとは思われます。私の場合もセミナーは中止全部中止、一部Web開催、コンサル系はほとんどGW以降に延期となりました。

 まとめると現状政府から出されている支援策はフリーランス支援策ではなく小学校休校対策のおまけ的なものといえます。また、そもそもおそらくお役人はフリーランスの世界といった世事には疎いと思われますのであまり直接の期待は薄いかもと思っています。

 でも、スタジオでのフィットネス系といった家賃や人件費などの固定費がかかる業種の方々で資金繰りが厳しい方そんなことも言ってられませんよね

3.融資と緊急経済対策第2弾

 昨日7日にに緊急経済対策もでました。それによると持続化給付金(仮称)」として、事業収入が前年同月比 50%以上減少した事業者について、中堅・中小企業は上限 200 万円、個人事業主は上限 100 万円の範囲内で、前年度の事業収入からの減少額を給付する対策です。ただ、「前年同月比」が何月を指すのか、どうやって証明するのかなどはよくわかりません。

 また、人件費の補填に関しては様々な助成金が出ています。国・地方自治体といろいろあるようですからこれも個々で見ていくのが一番です。

 しかし、これらすべて書類をもって役所に持参では緊急事態宣言の意味がありません。このあたり返す返すも500億円もかけて何もできないマイナポータルに代表される電子政府の残念な仕組みが恨めしいです。

 以上より、当面は、緊急融資対策で乗り切るしかないかもしれません。かなり情報は錯そうして毎日のように情報が変わっていくのでウェブサイトなどで確認するのが一番です。政策金融公庫からの融資は原則無利子である程度返済も据え置きができます。一方、民間の金融機関で融資を受けても、保証協会という公的保証機関が保証してくれますからハードルは低めですし、おそらく自治体や国で利子の補給は申請すればでき、こちらも実質無利子でできる可能性は高いです。混雑具合でいったら日頃仲良くしている信用金庫などの地元金融機関の方が早い可能性は高いかもです。

 一方利益は大幅に下がったが、内部留保やたくわえがあって当分しのぎつつもコロナ騒ぎが終わったら
また借入して投資したいと思っている方はどうでしょうか?多分今回かなり野放図に貸すので後が大変
です。おそらく反動が来ます。時間に余裕があるならばこの時期に借りておいた方が良いかもしれません。

 この際、しんどいのはお互い様なので助け合って乗り切りたいものですね。