起業の3つのタイプと新しい起業のかたち

目次

1.起業の3つのタイプ

  コロナ騒ぎで中小企業の経営者やフリーランスの方でも大変な方いらっしゃると思います。その点日本の会社の会社員の方は場合によっては有給休暇などをとるように言われたりしているかもしれませんが、おそらく収入は保証されているのではないかと思われます。ただ、一方こんな状況でも多少電車もすき気味といった程度で満員電車で定刻には会社に向かわねばならず、自宅や事務所で引きこもれるフリーランスはいいなと思うかもしれません。このコロナ騒ぎでも独立して起業することの利点と欠点ははっきりしますよね。さて、ただし、「起業」といってもひとくくりではなくそこには私は以下の3つのタイプがあると思います。

1)社会を変えたい、でっかいことをしてみたい、いわゆるGAFAを目指すでっかい夢を持った起業

2)お金もためていて、ちゃんとリスクもとって会社を始めたい人、どちらかというと既存のビジネスに参入で、新商品や新しい形態のサービスであったとしてもビジネスモデル自体は旧来のモデル(小売や飲食、製造業など)で起業

3)リスクは最小限に小資本でこじんまりと起業

 世の中の大部分のイメージとしての起業は1)で1年間食うや食わずで24時間365日働きとおしました・・・のような武勇伝があるのもたいてい1)です。当然素晴らしい方々と思いますが、皆が本当に目指す起業なのでしょうか?

2.サラリーマンはどんな起業を目指す

 あなたは、現在サラリーマンで家族がいて、自分の収入で家計を支えている人だとしましょう。当然2)や1)を目指す方がいてもよいとは思います。しかし、皆がそこを目指す必要があるのでしょうか。はじめは3)でもよいのではないでしょうか?私のビジネスの支援対象はどちらかというと1)2)の方が主ですが、3)も社会の生態系としてひじょうに大切だと思っています。

 当然会社で働いている人皆が社畜ではありません。大きな会社という器を使って生き生きと自己実現している方も少なからずいます。しかし、よく2・8の法則といいますが、おそらくこういった人はざっくり多くても2割で8割の人はパンを得るために仕方なく働いている部分大きいのではないでしょうか。こういった人が、独立して自分の得意なことなどを活かして、小さくても社会の役に立つような事できて生き生きと毎日が送れる、そういった社会も素晴らしいのではないでしょうか?

 何となくモヤモヤと起業してみたいと思っている人は3)からの開始がいいと思います。3)からはじめて、2)や1)を目指すことはできますが、その逆はおそらくできないでしょう。そもそも、最初から1)の人は3)になったら強い敗北感と挫折感を持つに違いありません。そういった3)的な起業あまりスポットライトは当たっていませんが「新しい起業のかたち」といえます

3.起業を学ぶには(ヒヨコ喰いに気をつけて)

 起業を学ぶと言ってまず思い浮かぶのは公的機関(自治体や公的金融機関主催)が主催の起業塾やセミナーです。たいていある程度実績のある講師がやっていて、別に内容は悪くないと思います。しかし、内容は会社の設立手続き・事業計画・資金繰りや競争戦略などです。基本的に2)の方対象であり、正直3)の方には必要ないことがほとんどです。3)に必要な集客やビジネスモデルの作り方などはほとんどカバーされていません。

 一方気をつけねばならないのは起業セミナ―で多いヒヨコ喰いです。詐欺ではなく、全く役に立たないわけではないですが、ほんの一部の人にしか効果が無く再現性がないノウハウ、またはブログ5000文字以上毎日投稿・・・など超人的努力が必要なノウハウなものがほとんで高額です。サラリーマン辞めたばかり、辞めようと思って早期退職に応募した、または応募しようとしている人などは非常に美味しいといわれています。早期退職金などもありまとまったお金持っていますし、マニュアル主義の方が多いので「XX方式」に従ってやっていれば初年度から年商1千万は簡単、1億も夢ではない・・・などと言われれば引っかかりやすいです。高額セミナーといっても数十万~百万くらい、イメージとしては安めの中古車程度の値段ですので、「十分元が取れるので安い投資です」とか言われると見事にひっかかります。大まかな傾向としては女性の場合はキラキラ系、男性の場合は割と体育会系に引っかかりやすいですね。

 少し前も青山のカフェ(おしゃれ目)に行ったら隣で高そうなジャケットを着たややイケメン風の男性に女性が高額創業セミナーに勧誘されていました。「ロスの顧客のところに出張」とか「XXホテルで発表会やります」などキラキラな内容でこのヒヨコの女性はほぼ救い出せない状況に見えました。さすが、勝手に介入できないので黙っていましたが、お気の毒です。

 さて、こういったひよこ喰いに3)の人が合わないためにはどうしたらよいでしょうか?オレオレ詐欺と一緒で大丈夫だと言い張っている人に限って引っかかりやすいです。いままで意外に3)の方向けに書かれた起業本ありませんでした。3)の方向けに基本の基本を簡潔に書かれている、「新しい起業のかたち」(安田修著)が出版されました。。正直、びっくりするような凄いノウハウはのっていません。ただ、逆にいえば普通の人が真面目コツコツやっていれば芽が出る、しかし意外に皆さん基本を怠ってやっていないそんなことが書かれています。起業を考えてる方、一度書店等で手に取って見てはいかがでしょうか。

新しい起業のかたち