税理士泣かせの消費税軽減税率

1.消費税軽減税率とは

 皆さんご存知だとは思いますが10月から消費税が10%に上がった際、軽減税率が導入され食料品等に軽減税率8%が導入されました。したがって、10月の記帳から軽減税率を区分して記帳する必要があります。一般の方々は消費税率は8%と10%の2つだと思っていらっしゃるでしょうが実は異なります。実は同じ8%でも軽減税率と旧税率は国税と地方税の割合が違うのです。

 旧税率 8%は国税6.3%、地方税1.7%、軽減税率 8%は国税6.24%、地方税1.76%、新税率10%は国税7.8%地方税2.2%で、一般の人には関係ないが申告は3つに分けて申告しないといけないから処理が大変で税理士泣かせです。

2.イートイン脱税

 結構、軽減税率適用の際、特にネットとかでイートイン脱税という言葉が話題になりました。「脱税」とは大げさだとは思うのですが、飲食業などで、テイクアウト(軽減税率8%)とイートイン(通常税率10%)が両方ある場合、窓口ではテイクアウトと言って店内で食べてしまうケースです。ただ、飲食店側は、税務当局の見解でも購入の時点の意思確認をすればよいので、その後どうするかは気にしないというのが実務でしょう。

 イートインかテイクアウトかは飲食業では確かに包むとかの作業があるから聞かれますが、私の個人的体験だとコンビニでは聞かれた記憶がありません。税務職員の方にそれとなく探りを入れてみたことがあるのですが、今のところお店側に同情的でそのポイントあまり突っ込む気配はありませんでした。ただ、イートインスペースがあるのに全く10%課税がない・・みたいなことがあるとどこかが見せしめ的に血祭りにあげられる可能性はゼロではないと思います。

 でも車で立ち寄ったコンビニとかで、コーヒ―を買って車の中で飲もうと思って購入したところ快適そうなイートインスペースあって、そこで飲みたくなりましたということはありえますよね。多分購入の時点では車の中で飲もうと思っていたのだから構わないとは思いますが・・・。

 

3.軽減税率分けるのが面倒です

 ある程度、小売・卸売業や飲食業であればあきらめもつくのですが、普通の業種(ほとんど食料品の購入がない業種)の仕入れの分類はどうしようかと皆、頭を抱えています。手土産で領収書「お品代」と書いてある場合、酒だったら10%ですが食料品だったら8%です。そんなの真面目に目を皿にして軽減税率分探すのかと気にはかかります。同業者にも聞いてみましたが、重要性ではないかと感じました。結構軽減税率の割合が高ければまずいと思いますがポツポツくらいならば気づいたベース程度でかまわない気がします。基本仕入は10%で計上して、もし仮に後で税務調査で発見されても仕方がないというスタンスです。確かに10万円ほど食料品があって見逃したとしても税差額は2千円です。こんなことのために何時間もかけられません。これにポイント還元の処理が加わると発狂しそうになります。

 一方、小売、卸売、飲食などは以下の軽減税率に関する簡便法をつかうのでしょう。

 簡便法は基準期間の課税売上5000万円以下の中小事業者が適用可能です。小売、卸売業以外については以下が2023年9月末まで適用可能です。

   ●10日間の売上で計算

      10日間の税込売上高合計 ÷10日間の税込売上合計 x10日間の軽減税対象品目の税込売上合計 x8%=軽減税率対象品目の売上にかかる消費税

   ●ざっくり50%(主として軽減税率対象品目を販売している事業者)

      税込売上高 x50% x 8%=軽減税率対象品目の売上にかかる消費税
   

 卸売業だけの特例(ただし簡易課税との併用は不可)は以下です

   ●売上にかかる消費税について
     1)仕入の割合で売上にかかる消費税軽減税部分を計算(売上の区分はできないけど仕入れの区分はできる)

    税込売上高合計 ÷税込仕入れの合計 x軽減税対象品目の税込仕入合計 x8%=軽減税率対象品目の売上にかかる消費税

   ●仕入にかかる消費税について -これは2020年9月まで

     2)売上の割合で仕入にかかる消費税軽減税部分を計算(仕入の区分はできないけど売上の区分はできる)

      税込仕入高合計 ÷税込売上の合計 x軽減税対象品目の税込売上合計 x8%=軽減税率対象品目の仕入にかかる消費税

     3)10日間の売上で計算

      10日間の税込売上高合計 ÷10日間の税込売上合計 x10日間の軽減税対象品目の税込仕入合計 x8%=軽減税率対象品目の仕入にかかる消費税

     4)税込仕入高 x50% x 8%=軽減税率対象品目の仕入にかかる消費税
      (主として軽減税率対象品目を販売している事業者)

   ただし、 上記の1)と2)両方使うことはできません。1)で「売上の区分はできないといって2)で売上の区分はできるとは言うのは矛盾ですから。

 「簡便法」といって計算式自体は確かに簡単です。でも、仕組みは結構複雑で落とし穴がいっぱいです。いつも思うのですが消費税は落とし穴作って税務当局がてぐすね引いて待っているような印象があるのですが、ゲスの勘繰りでしょうか。 

何はともあれ、軽減課税個人的には非常に迷惑です。