企業の休廃業・解散最多は悪いニュースか?
2016年に休業・廃業したり解散したりする会社の数が2万9500件を超え過去最多を更新する見通しになったと東京商工リサーチの調査でわかったもようです。休業・廃業は倒産とはちがい資産が負債を上回る資産超過の段階で事業を停止することをいいます。したがって、言い換えればまだ余裕のある段階で事業を止めていくということです。主な理由として日本経済新聞では三菱総合研究所の方にコメントを求めていて、要するに財務の問題ではなく人手不足や後継者不在が原因なようです。これは傾向としてまずいことなのでしょうか?
その休業・廃業の中身を詳しく見ているわけではないのでわかりませんが、個人的経験からすると将来的に魅力のある仕事であれば後継者は現れますし、人もどんどん集まってくるはずです。将来的に魅力のない、成長が見込めない仕事であることが大きな要因である気がします。一つの身近な例で正直に申し上げると顧客で苦境に合った企業なのですが立ち直りの要因は(おそらく私のアドバイスよりも)同業者が廃業したため受注が増えたためというケースがありました。特に下請け体質で過当競争にある業界などはある程度の退出はむしろ必要なのではないかと思われました。
私はこの件においてはどちらかというと、本当はやめたいが借金があって止めると身ぐるみはがれてしまうとか従業員が路頭に迷うなどで仕方なく営業を続けている会社がある方が問題かもしれないと思っています。少しいい方は悪いのですが前者の場合は安楽死の仕組み―金融機関などが一定額を債権放棄して経営者が引退した後老後暮らせる程度の財産が残る仕組み、後者は零細企業のM&Aなどが考えられるでしょう。一応後者は中小企業関連の公的団体等が始めてはいるようですがまだ認知度は低そうです。前者もある程度金融庁や中小企業庁も考えているようですがまだ具体化までの道のりは少し遠そうです。このあたり個人的には弁護士さんなどと勉強会をして方策を提言しようとしています。
実は退出はある程度やむを得ないと言いましたが、起業などでの参入があることが前提です。古い産業から新しい産業に移る一種の新陳代謝があることが必要です。一方で起業が増えるよう、魅力的であるよう支援していきたいと思っています。
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