不動産投資ブームへの疑問
7月1日にお台場でグランドニッコー東京がオープンしました。昔からお台場にあった日航ホテル東京の名前が変わったのかと思っていたところ実はそのホテルはヒルトン東京お台場になっていて、そのお隣です。実は2015年に所有しているファンドがホテルオークラの子会社であるニッコ―グループから運営主体をヒルトンに移していたので、一種のオークラグループのリベンジかもしれません。
さて、話題になっているのは不動産業者であるヒューリックの購入価格の高さで、600億円を超えふつう4~5%といわれる利回りは2%前半となっているようです。確かに日本経済新聞で特集記事になっているように低金利による運用難でなかなか2%でも運用するのは難しいようで、その結果このような取引でも成り立つようです。個人のレベルでも確かに不動産の投資のお誘いは多く、また周りで不動産投資をやっている方は多くいて、逆に何でやっていないのか不思議がられています。
確かに自分があまり不動産自体詳しくなく、良い案件とそうでない案件の区別がつかないとか、高額の買い物なので決断ができないなどの面もありますが、一番大きな理由は出口(Exsit)がわからないからです。たとえば5月発行されたトヨタの10年債は0.09%、20年債は0.343%であり確かにこれに比べれば2%程度の利回りでも魅力的です。しかし、おそらくトヨタならば10年債はほぼ100%元本はかえってくると思われますが、不動産は元本が返ってくる保証がありません。投資をすすめる不動産会社の方にお聞きすると「市況をみてうまいタイミングで売り抜けば大丈夫ですよ」とお話しいただくのですが、それができるならば私はすでに株長者なはずです。
大企業の不動産投資であれば数年もたてば担当者も変わってしまい、責任もあいまいになってしまうのでもしかすると良いのかもしれませんが(経営的には全くよくないですが)出口についてどのようにお考えなのか不思議です。不動産投資について出口をどうするのかというのは当然公表されませんが、その考えを聞ける機会があれば是非聞いてみたいものです。