インターンを通じた採用解禁すべきか?
文部科学省、厚生労働省や経済産業省は現在禁じているインターンシップを通じた採用活動の解禁について議論を始めたようです。禁止の内容は企業がインターンで得た学生の学歴や将来性といった情報を採用活動で使わないように指針で定めたものです。ただし、記事でも述べているように外資系企業やIT企業などはインターンで得た情報を事実上採用活動に使っておりほぼ形骸化しています。3省は実態調査を行い検討を行うようです。
よくあるのは各企業に調査会社などを使って「インターンシップの実態調査」などと銘打ったアンケートを送り回答を求めるものでしょう。当然強制力もないですし忙しい担当者は適当に答える可能性もあるのでさほど役に立つようなデータが集まるとは思えません。
そもそもなぜこのような検討が始まったかというと、人材不足に悩む中小企業がインターン採用を解禁してほしいという希望があるからのようです。ただし、そもそも大企業の方が社会的批判などを避けるためインターンシップの指針などをしっかり守る(少なくとも表面的には)傾向があります。一斉にインターン採用が解禁になれば当然学生は採用活動と同様に大企業に集中しがちでしょうから特にインターン採用が中小企業の人手不足の解消につながるとは思えません。
私も以前米国で働いていた頃1人のコーネル大学の学生を夏休みインターンとして使っていました。会社側からはきちんと仕事を与えなさいという以外、特に指示はなく最初はやや戸惑いました。そこで競合他社や顧客の財務リサーチをお願いしていたのですが、検索や文章のまとめ方などが素早く感心した記憶があります。私もフィードバックを与え、ランチに連れて行ったりなどお互いに良い経験だったと思います。大学側は勉学に支障が出るとのことですが「夏休みに限る」など条件を付ければ下手なバイトよりもずっと社会勉強になり会社・学生双方の内情がお互いによくわかり、経験としてかつ採用プロセスとしてお互いに有意義だと思います。インターン採用の解禁は中小企業の人手不足ということには役に立つとは思いにくいですが、学生・企業双方に私はプラスではないかと思います。
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