トヨタ新型株 -米国公的年金2位はなぜ反対したか?
そろそろ株主総会が近づいてきましたがトヨタの新型株について株主総会でどれだけ反対がでるのか野次馬的にみています。種類株式の発行なので3分の2の賛成が株主総会で必要な議題です。株主構成を見ると30%程度外国株主なのでこのあたりが焦点でしょう。
やや語りつくされている感はありますが簡単にこの株式について述べると以下です。
1)日本国内で個人投資家向けに発行する5年間譲渡できない種類株
2)5年後普通株に転換または発行額での買い取り可能
3)配当利回りは段階的に上昇し、1年目は0.5%だが段階的に上昇して最終的には2.5%になる
4)議決権行使会社でISSは反対、グラスルイスは反対と対応は分かれる
主な反対理由としては5年間売却ができない株主ができると経営規律が弱まるということであり、賛成は財務の柔軟性を高め将来のビジネスチャンスにつながるということでした。今回の米国公的年金2位のCalstrsの反対は海外の投資家に閉ざされているという理由で反対と述べていると新聞記事に載っていました。今一つよくわからないのでCalstrsのウェブサイトを見ました。(下部のURL参照)
トヨタは米国でも上場していますが日本だけでこの種類株は売り出されるので反対という趣旨なようです。また、将来の転換価額が不明なので将来の予想以上の希薄化の可能性があること、実質的にはほぼ社債に近いのに議決権があるのはおかしいなどの理由があるようです。
日経などの論調は長期的株主になってほしいならば、なるようにガバナンスや業績で勝負すべきでこのような5年間売却できないなどの一種強制で行うのはガバナンスの緩みになるのではないかという方向にみえます。
全体的な論調はわかるのですがどちらかというと企業側の立場に立つ人間としてはトヨタに同情的ではあります。それならばどれだけ業績などの企業努力やガバナンスなどをみて長期保有してくれる投資家がいるのだという現実です。所詮投資家は安ければ買い、高くなれば売りますから。それも上場のコストだといわれてしまえばそれまでですが・・・
http://www.calstrs.com/news-release/calstrs-votes-against-toyota-proposal-create-dual-class-shares