狙われるグループ間取引

おはようございます。今朝の日本経済新聞で、グループ間取引が税務当局に狙われているという記事が出ていました。

例えば海外子会社の従業員の人件費を日本の親会社が負担していたとします。すると海外子会社が負担すべき給与を日本の親会社が負担するわけだから税務当局は「寄付」をしているとみなすわけです。「寄付」の場合、損金算入される率は限られているので資本金の小さな会社などはみな税金をとられてしまうわけです。

 税務当局に対抗するためには合理的だと思われる文書を作成する必要があります。「寄付金」とは平たく言えば「金銭的見返りを求めない支出」ですから「どういう金銭的見返り」があるかを具体的に「数字」の形で見せる必要があります。つまり親会社単体のビジネスにどのような金銭的な見返りがあるか具体的に数字の形で見せてくれということです。非常に企業側には面倒な手間で顧問税理士としても大変です。税務業務にもビジネスを理解してそれを具体的に数字の形に落として説明する能力が求められている気がしますね。

 

グループ間取引、課税拡大

増・減資や出向社員の人件費 国税、「利益移転」調査厳しく

2015/4/6付

日本経済新聞 朝刊

企業のグループ間取引が「利益移転」にあたるとして税務当局から課税されるケースが目立つ。親会社が子会社の増資や減資に応じた場合に課税されたり、海外子会社に出向した国内親会社の従業員の人件費に課税されたりなど広範囲に及ぶ。企業は当局の求めでやむなく修正申告に応じる例が多いが、訴訟に発展する場合もあり、今後のグループ展開に影響を及ぼす可能性がある。