大企業との取引で絶対気をつけねばならないこと
目次
1.大企業との取引がはじまった
小さな会社にとって大企業との取引はうれしいものです。お客様や友人などでも上場企業と直接取引するようになりましたなどとうれしそうに報告を受けることがあります。やはりある程度の信用力がないと大企業とは一般的に取引できませんので喜ばしいことだとはおもいます。また、取引の規模も大きく売上げも大きなものが期待できます。しかし、一方リスクもあります。残念ながら大企業との取引が「終わりの始まり」になった悲しい例もあります。ただ、せっかくの取引ですからリスクにしり込みする必要はありません。こういったリスクを頭に入れつつ取引をすればいいのです。
2.品質等に厳しい
有名な大企業と取引しているのだから品質も良いのだろうと割と思ってもらえるのは大企業との取引のメリットです。しかし、逆に言えば高い品質を求められすぎて、小さな企業だと体力が持たないということもあります
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ4月の終わりごろ破産手続きの開始を申し立て倒産しました。パナソニックやダイワハウスなど名だたる大企業などから110億円余りを調達していた有望ベンチャーでした。様々な記事を総合すると主力製品で多額の開発資金を投入していた世界初の全自動洗濯物折り畳み器機が完成しなかったことが主たる原因のようです。たいていの洗濯物は折りたためたのですが、ユニクロなどで売り出していたツルツルの素材のTシャツがどうしても折りたためなかったようです。
これは想像ですが、パナソニックと組んでこの全自動洗濯物折り畳み機を販売しようとしていたことも一因ではないかと思われます。やはりブランド力のある高品質のメーカですから、かなり入念に品質はチェックして時間も労力もかなりかかってしまったはずです。おそらく米国などのベンチャーでしたら極端な話、折りたためない衣類があってもとりあえず販売してしまうといったこともあるかもしれません。このあたりの日本の大企業にありがちなこだわり体質と付き合ったことが一因かもしれないとこれはあくまで想像です。
ただし、自分や自分の顧客の経験でもあった日本の大企業にありがちな過剰品質や過剰スペックに悩まされた経験、皆さんもあるのではないでしょうか。
3.搾取体質と担当
残念ながら大企業の中には「下請け」扱いをして「下請けと油はしぼればしぼるほどいい!」体質の会社意外にあります。加えて大企業の場合、ほとんど相手はサラリーマンですから中小企業の社長の痛み・苦しみがそもそも感覚的にわかりません。こういった会社は大口取引であることをいいことに、値段や納期、支払い条件などでかなりエグイ条件を出してきます。そもそもこのような会社は極端な話、大企業で自分は上、下請けは「取引させてやっている」という意識なので言いたい放題です。 また、大企業の場合担当も変わることがよくあるので前の担当者は良かったが新しい担当者はひどい人間が来るといったこともよくあります。
私のお客様でも売上は下がってもこういった体質の大企業との取引をお断りして業績が飛躍的に伸びた会社もいくつかあります。売上があっても利益が低く要求だけ厳しいので、ただでさえ不足がちなリソースをたくさんかけていたのですが、それが解消されたからだと思われます。
4.まとめ
一方で大企業の中にはふところの深い、起業家やベンチャーを育てよう、取引先とは絞るのではなく、お互い対等のパートナーとして共存共栄で、といった志向の大企業も確かにあります。こういった企業は担当の方も丁寧でぞんざいに扱ったりしません。社風の良い企業はなんとなくわかるものです。ただし、やはりこんな素晴らしい企業でも多少担当で左右される可能性はあります。
ポイントとしては、大企業だから大丈夫だろうではなく、むしろ大企業であるから契約書などはきちんと弁護士に問題がないか見てもらい、顧問税理士などと採算性などをチェックすることは大切です。結構大企業などの方がかなり一方的で不利な契約書を押し付けてくることは多いです。
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