昔より銀行融資は楽になったといわれるけど・・・

 

    目次

    1.政策金融公庫の方と昔話

 

 先日ぱったりとある団体の懇親会で政策金融公庫の方とお話しする機会がありました。実は私は新卒で入った会社が現在の政策金融公庫なので懐かしく昔の同僚の消息など聞いておりました。その中で最近の融資状況のお話など聞くと随分昔に比べて借手に優しくなったという話になりました。私が職員であった時は同居家族ではない第三者の連帯保証人は必須でしたし、千万単位の融資には担保を要求することもよくありました。現在は公庫の融資の場合、ある程度高額かつ借手の信用が低めの場合以外は担保は要求されませんし、連帯保証人はほぼ求められなくなりました。融資のお断わりのケースも随分減ったそうです。

 以前は銀行は晴れた日にはたくさん傘を差しだすのですが、雨が降るとみんな取り上げると悪評でしたが、前者の状況はあまり変わりませんが後者は随分減りました。それでもどしゃ降りな状況、言い換えれば明らかに返済が難しそうな会社には貸しません。この時世に断われてしまうというのはどのような要因があるのでしょうか?

 

    2.それでもこんな客には銀行は貸さない

 

 銀行から借りるために要因でハードルを明らかに上げてしまうのは以下のようなケースがあります。一つはすぐにお金が欲しいと融資を申し込むケースです。当然、支払いの直前に大口得意先が突然倒産したなど明らかに突発事項で仕方がない場合は除きます。ただ、きちんと資金繰りをしていれば数か月前、遅くとも一か月前にはお金が必要かそうでないかは分かっているはずです。銀行としてはこのような相手先は資金繰りもきちんとやっていなくて非常にずさんな経営だと想像します。経営がずさんだと融資の返済も滞るリスクも高くなるので避けるわけです

 赤字というのもハードルをあげる要因ではあります。ただ、赤字でも一時的な赤字である場合や、資金を入れることによってビジネスがうまく回り黒字になる道をある程度説明できればそのハードルはあまり高くはありません。一方単なる赤字の補てんで先が見通せない場合はハードルはかなり高いです。

 設備投資などでお金を借りす場合は自己資金があるというのは確実にハードルを下げます。銀行にとって借手が自己資金で手当てする場合にはやはり計画性があるという印象を抱き、印象は明らかに良くなります。特に製造業や店舗を持つ事業で自己資金ゼロまたは極めて少額で創業などというと計画性ゼロとみなされかなり難しくなります。だいたい自己資金の目安としては2割程度あれば印象は悪くないです。2500万で設備投資する場合、500万くらい自己資金用意して2000万融資申し込みだと印象はいいです。

 このケースの場合、設備投資で2500万、設備が収入をきちんと生むまでの運転資金に500万必要だとすると、手元の資金を運転資金に残して設備資金2500万融資を申しこむより、500万設備の自己資金として2000万設備、500万を運転資金として申し込むほうが見え方としては良くなります。

 

    3.銀行のしきいが高い人に

 

 事業を拡大するために自己資金だけでは難しいということはよくあります。特に新しい事業を始める際にきちんと自分でコツコツためてその範囲で投資をしていくというのは堅実で悪いことではないですが、一方スピードが足らずチャンスを逃すことも大いにあります。そういった意味では銀行などの金融機関との取引は重要です。初めての取引のポイントとしては「お金にある程度余裕があってさほど必要でないときに借りる」ことです。顧問税理士等がサポートしてくれるといっても銀行からお金を借りるというのは普通は気が重いものです。その最初が借りれるか否かであなたの会社の運命が来ますような時であるのはあまりにも大変です。

 加えて銀行の場合は最初の取引はよほどの引く手あまたの優良企業でもない限りハードルが高いです。ですから最初は余裕をもっていきたいものです。初めての取引で「自己資金でも大丈夫だけど銀行取引も重要だと思って申し込んだ」というのは非常に銀行の担当者が前向きになれる言葉です。「晴れ日に傘を貸してくれ」と言っているわけですから、銀行もかなり前向きになってくれます。

 いつか銀行取引が必要になりそうな方は是非余裕のある時こそ銀行と取引を始めてみてください。

 

 

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