高所得者?狙い撃ちの増税と児童手当の特例給付

1.児童手当の特例給付がなくなる・・・

 先日、新聞紙上で夫婦どちらか年収1200万以上については児童手当の支給を廃止すると出ていました。今までの制度はどうだったのかというと毎月3歳未満は15000円、中学生までは1万円(小学生の第3子以降は15000円)支給がありました
ただし、所得制限があり、年収960万以上は特例給付として一律月5000円もらっていました。これが今回高所得者?である年収1200万以上は廃止でもらえなくなります。

 高所得者は何かと余裕があるのだから財政を考えれば仕方ないという考え方は当然あります。しかし、ほぼ皆さんが忘れているこの制度の経緯を考えれば騙された感じではあるでしょう。

 みなさんは年少扶養控除という言葉を覚えていますでしょうか?以前は16歳未満の子供一人につき 38万円の所得控除がありました。ただ、所得控除、同じ金額だと高所得者ほど有利です。なぜならば累進課税だからです。同じ金額の控除でも「所得控除」なので税金の計算上税率をかける所得を減らします。少し例を挙げてみましょう。

 高所得者は税率45%(子供一人だとすると38万 x45%=17.1万)税金が減りますが、低所得者は税率5%(38万x%=1.9万しか税金(国税のみ)が減らないのです。そこで年少扶養控除をやめて児童手当(こども手当)という形で支給されるようになったわけです。制度を平等にするため年少扶養控除をなくして代わりに特例給付を設けますという事なのですが、ひっそりと今回それもなくなったのです。だまされた感じですよね。

2.高所得者?に対する増税オンパレード

 給与所得控除がかわりこっそり増税になっています。2019年 給与所得1000万以上 220万で給与所得控除の上限となりました。年収1200万のかたは以前だと230万給与所得控除取れていたものから220万で上限になったのがはじまりです。そして2020年 給与所得850万以上 195万で給与所得控除が上限となりました。さすがに子育て世代は影響が出ないよう所得金額調整控除ができ、220万まで給与所得控除が取れるような調整が出来ました。これが今年の年末調整を無茶苦茶わかりにくくする犯人ですがそれを置いておきましょう。

 一方配偶者控除も合計所得1000万(給与収入約1220万)の場合は2018年から適用がなくなりました。このような増税オンパレードです。消費税のように税率上げるといわれたら大騒ぎですがこのようにこっそり所得控除を減らしていけば実質的には増税ですが誰も騒ぎません。

 では約給与収入1250万の方の最近の増税推移みましょう。子供2人(16歳未満中学生2人)、夫、奥さまパートの家庭です。年少扶養控除、配偶者控除がなくなり、今回給与所得控除が10万減らされましたがこの影響をみます(復興所得税は除く)。

年少扶養控除38万x2+配偶者控除38万+給与所得控除10万(230万-220万)=124万x43%(国税33%+住民税10%)=53万・・・で年間53万円の増税でした。加えて社会保険料率もじわじわ上がっているのでかなりこの層はかなりの負担増になったはずです。 

3.年収1200万は本当に高所得者層?

 ただ、一般的な感情として「高所得者=金持ち」なんだから負担が重くて当たり前だよなという感情はあるでしょう。国税庁の民間給与実態統計調査(平成元年度)によると年収1000万以上が全体の4.8%でした。この統計、源泉所得税を納めた給与所得者なのでパート事業者なども分母に含まれるのでイメージより低めにはでますが、確かにこういった統計からみると少数かもしれません。

 しかし 給与収入の年収1200万あたり本当に高所得者層でしょうか。だいたい私の感覚だと、一流企業の課長~部長クラス、中堅企業の役員クラスといったところでしょう。日本企業だと40代後半から50代前半とかいったところです。確かに社会的地位としては高そうですが、子供が私立学校など通っていること、塾代も高く、生活の余裕あまりないのではないでしょうか?金妻のような生活(古い)をしている家庭は少なく奥さんはパートとかで家計を補い、「高所得者層」という実感ないのではと想像します。本人たちの実感としては中間層の真ん中よりかは少し上といったところではないかと想像します。

 逆に私の両親くらいの年金生活のシルバ―層は後期高齢者保険料はありますが医療費も1割負担で税金もほぼかからず、かなり負担は軽いです。多数派ではないと思いますが、年2~3回海外旅行などという話もわりとよく聞きます。今回の高齢者医療費負担をめぐる議論をみてもシルバ―に優しく、懸命に働いている世代に厳しいという気がしてなりません

 IMFのデータによれば日本は一人当たりGDPは2000年は2位だったのですが2018年26位に沈んでいます。一つの原因としてこういった働き盛り層に厳しい税制・社会保険の制度が活力を奪っているような気がするのですが、私の思い込みでしょうか?