ベビ―シッタ―利用支援の補助になぜ税金がかかる?

1.少子化とベビ―シッタ―利用支援事業

 0~2歳の待機児童の保護者に対し、ベビ―シッター利用支援事業が少し前から始まっています。これは、保育所の0歳児クラスに入所申し込みはせずに1年間の育児休暇を満了後復職する場合、ベビ―シッター料金が1時間150円で利用できる制度です。ただし、一定の金額の上限や、ベビ―シッターの交通費は対象外など細かい条件はあります。「待機児童対策」なので保育所への入所申し込みを定期的に行っている事が条件となります。

 さらにややこしいことに東京23区などでは区ごとに制度異なり、23区のうちほぼ同様の制度を実施しているのは11区のみです。一方都の条件を少し緩和してもっと利用しやい形にした区もあります。

 そして、上限は1時間2500円、多分ベビーシッター業者はこの上限で値段を設定してくると思うので2500円マイナス250円で2250円の補助が出る形となるでしょう。こういったお役所の助成独特のいろいろわかりにくい面はありますが待機児童を持つ共働きまたはシングルマザー(またはファザー)には朗報かもしれません。

 でもこの制度、実はちょっとした落とし穴がありました。それは何でしょう?

2.ベビ―シッタ―利用支援事業の落とし穴

 2250円の補助としてもらった部分は雑所得として申告しなければならばならない、要するに税金がかかるのです。雑所得なので一般のサラリーマンについては20万以下は年間の合計20万以下は(国税は)申告不要ですがが本当に利用する人は、簡単に20万円の枠はオーバーしてしまうでしょう。ちなみに個人事業主など確定申告をしている方はこの申告不要の免税規定もないのそのまま雑所得には税金がかかります。そして、ほとんど皆さん意識していないと思われますが本来20万以下でも本当は住民税の申告をして住民税を納税しなくてはなりません(こんなことわざわざやっている方を私は見たことがないですが・・・)。

 家計を助けるための支援なのにそこから税金をとるとは・・・と庶民感覚的には腹が立つかもしれません。あまり気づきませんが、雑所得になって国税がとられるという事は自動的に住民税もとられています。私も以前若くて安給料の新婚の会社員のころ、新婚家庭家賃補助を区から受けていましたが、やはり雑所得としてわざわざ確定申告して税金納めていました。妻からは、わざわざ自分で申告して税金取られるなんてばかばかしいとブツブツいわれていましたが、自分の職業的に知らんでは通りません。

 なんでこんな落とし穴があるのでしょうか?

3.なんでこういった助成措置に課税されるのか

 残念ながらこういった助成措置をあたえておきながら、そこから課税されるのが原則です。税金は租税法定主義なので法律で定めないと税を課せません。実は、所得税法第7条で「非永住者以外の居住者 全ての所得」に所得税を課すと書いてあります。ある意味ずるいのは所得税法で「所得」の定義がないので簡単に言うと個人がもらったものは(いわゆる経済的価値を得たもの)原則、何でも課税できる可能性があることになります。逆に言えばこのような条文があるので法律に定めないと勝手に免除したりできません。諸外国ではこういった補助金・助成金は原則課税されないと法定されている国もいくつかあるようですが。

 小さな金額だからどうせバレないだろうとタカをくくっていると税務署から「お尋ね」みたいなお手紙がやってきます。これに対し、よく税務職員に喰ってかかる方がいますが、彼ら自身は所得税法などを作る人ではなく、税法は基本財務省主税局が’原案を作成します。税務署職員はただ単に法に従って粛々と執行しなければならない人たちですので喰ってかかるのは止めましょうね。

 ところで、昨年、新型コロナ関係のベビーシッター利用支援が始まりました。これはコロナ感染防止対策のため保育園が休園した場合に使える制度です。これについては最初から法定され非課税となりました。4月からこれに平仄を合わせうような形でようやくこのもともとのベビ―シッタ―支援の助成金も非課税になりました。ようやく4月以降は後で税金取られるとか心配せずにサービスを受けることができるようになりました。

 本当は所得税法を改正して原則国や地方自治体からの助成・給付金は非課税にしてほしいですよね