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資産をめぐる税金

お子様(孫)名義の預金や保険は大丈夫(贈与時気を付けるポイント)?

2018.07.25

 

     

     

     最近の関東地方は猛暑というより酷暑で本当に外を歩きたくない日々が続いています。
    できるだけ昼間のアポイントは入れずにもし可能であれば車移動をしています。でも車から
    少し歩くだけでもヘロヘロになる感じですね


     

       

      税理士会の研修

     

     
    昨日昼間に見田村先生の「税理士が見落としがちな税務の盲点」という地元税理士会のセミナーに行ってきました。私の場合わりとお客様は若い方が多いので資産税関係は比較的少ないのですが、確かに日頃見落としがちなポイントあるよなと思いましたのでいくつか挙げておきます。

     

       

      贈与の都市伝説

     

     よくある贈与の話として110万までは非課税ということは皆さんほぼご存知なようです。ただし、都市伝説として例えば同じ金額110万を毎年4月1日という同じ日に贈与すると、例えばそれが10年続いたとすると税務当局は1100万贈与したものとみなして課税するよというものがあります。ようするに税務当局としては1100万を10回に分けて贈与したものとみなして課税するというものです。これについては、信託銀行が暦年贈与サポートというサービスを提供する際に、国税庁に照会して金額をまとめて課税することはないですという回答をもらっています。要するに毎年同じ日に同じ金額を振り込むような形式でも110万以下であれば課税されませんと税務当局から回答があったわけです。ただし、無条件で認めるといったわけではなく、それには気を付けるポイントがあります。

     

       

      贈与時に気をつけるポイント

     

     気を付けるポイントとしては1回の振込ごとに贈与する人と受け取る人との間で契約を結ぶことです。2つ目は手渡しではなく振込等きちんと贈与の事実が残る形で残しておくことです。そして振込先の通帳や印鑑はその受け取った本人(または親権者)がきちんと保管していることです。よく孫名義などで預金通帳をつくったり、自分の死亡保険を孫に贈与した資金で行うなどする方いらっしゃいます。いざ相続の時に亡くなったご本人の通帳の束の中から孫名義の預金通帳が出てきたり、その通帳から保険料が払われていたりすると頭を抱えたくなります。当然印鑑もなくなった本人の印鑑ですし、贈与契約書などはありません。このようなケースは「名義預金」といって亡くなった本人の相続財産に分類されてしまいます。このあたり税務署はきちんと見ているのでかなりの確率で発見されてしまいます。
     要するに、贈与をするにあたってはきちんと形式を整えていくことは非常に重要ですよということです。契約書や通帳の管理など外見上しっかり贈与したということが明らかなようにしておくことが必要なわけです。
     まったく知らなかったわけではないですが、注意を払っておかねばならない点でありこのあたり非常に勉強になりました。

     

     

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家なき子はどうなる?

2018.01.24

ここで言っている「家なき子」は相続の際、小規模宅地の特例の適用の際でてくる言葉です。1人暮らしの方が亡くなった(被相続人)際、自分の持ち家がない子等(相続人)が相続すれば80%評価額を減額できる制度です。自分の持ち家がないので「家なき子」なわけです。目的はこれも一種の空き家対策と言えるかもしれません。

昨年末自民党より税制改正大綱が出され大きな改正としては所得税の所得控除の部分と、相続税の小規模宅地の特例と社団法人を使った節税スキームについての制限が今後ありそうです。この中で「家なき子」の部分も大きく見直しが入りそうです。現在「家なき子」として認められるためには相続が起こる3年前に持ち家がなければこの適用が受けることができます。例えば1人暮らしのお母さんが亡くなられて娘さんがその土地を相続した場合を考えてみましょう。娘さん自体は持ち家は保有していませんが夫の所有する土地建物に住んでいます。このケースは本人が所有するものと同様にみなされますので「家なき子」にはなれません。自分の持ち家を所有している又はそれに近い状態の人間まで優遇することはないだろうという考え方です。おそらく、相続税対策が大好きな税理士は場合によってそのようなケースは子供等に贈与したり、自分の会社の名義にしたりして「家なき子」状態を作りだす提案をしていたかと思います。脱税ではないですが租税回避的(不自然な取引で税負担を免れようとする)行為であり、私は普通の状況では積極的には勧めていません。

 今回の改正でこれは塞がれ、今いる家が過去にそこに居住していた、または親族等が保有する家屋に3年以内に住んでいる場合は「家なき子」には該当しないことになりました。上記の例だと、子供に名義移転しても今いる家は過去に所有していますし、親族(子)の所有でしたり親族の経営する法人の家であれば該当にはなりません。ただ、抜け道は塞ぐ一方副作用も多い気がします。例えば自分の持ち家がなくてもだれか親戚の家に住んでいるだけで対象から外れてしまいます。単に文言のみから判断すると地方の一人暮らしの父親が亡くなった際、大学生の息子が東京の親戚の家から学校に通っていた場合、「家なき子」の対象から外れます。

 そもそも「小規模」宅地ですから租税回避とはいってもさほど巨額なものではありません。むしろそれよりも、ちょっとしたことで上記の例のように普通の善良な人々が大きな不利益を受けたりするのは大きな問題だと思います。例えば「生計を一にする」者などは対象に加えるなど細かい気配りが必要でしょう。ただ、このような租税回避と税務当局のいたちごっこでどんどん税制が複雑になってくるのは望ましくないことだといつも思います。

 

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空き家の譲渡所得の特別控除について

2018.01.18

都内に空き家が増え続けています。総務省の平成25年度住宅・土地統計調査によれば空き家は約800万戸でそのうち長期不在・取り壊し予定の住宅は約300万戸でその数は増え続けています。防災・防犯・ごみ投棄・景観上など様々な問題があります。私の理解だとこのような問題を解決する政策の一環として相続した空き家を売却した際の3000万円の譲渡所得控除が設けられているものだと思っています。簡単に言うと空き家を譲渡した場合、譲渡の際の利益に対して譲渡所得税がかかりますが、その際利益から3000万円を控除することができます。これによって空き家を売却して特に長期不在・取り壊し予定の住宅を減らそうという政策意図があるのだと思います。しかし、いつも思うのですがこの手の政策はやたらと手続きは面倒、落とし穴のような条件がいくつかあって税理士であっても大変で正直申し上げてあまり受託したくないような案件です。

この特例を受けるためには昭和56年5月31日以前に建築されたものであり、上物がある場合は耐震適合証明書が必要、取り壊す場合は事前に取り壊して更地にしてから譲渡する必要があります。建物の耐震適合証明書をとるか耐震リフォームをする条件がありますが、そもそも昭和56年以前建築の建物の場合、耐震適合する建物の可能性は必ずしも高くないですし、売れるかどうかわからない空き家を耐震リフォームする人間はふつういないと思います。

また、建物を取り壊して売る場合も、譲渡が建物を取り壊した後でないとこの特例は適用されません。普通の感覚として売れるかわからない物件で建物を先に取り壊して売るよりも上物付きで売って業者が取り壊すケースの方が多いと思われます。

要するに条件自体が一般市民の感覚からはかけ離れており、いかにもお役人が机上で考えた案というのが明らかです。条件が政策的効果を大幅に削減するような内容であり本当に真面目に空き家を減らすつもりがあるのか非常に疑問です。

入手書類も都税事務所で課税明細書、水道局などで閉栓証明書など何か所も役所周りをしていろいろな書類を用意した上、地元の市(区)役所から被相続人居住用家屋証明書を入手しなくてはなりません。しかも、都税事務所や水道局などはほとんどこの制度を知らないため特に税理士など代理人が委任状をもって来所しても依頼者本人の直接の連絡が取れない限り証明書を出し渋ったりするなど難行苦行です。

いつも思うのですがこのような羊頭狗肉的な政策、社会的に無駄です。やたらと落とし穴と面倒な手続きがあり、そのための税理士かもしれませんが、あえて面倒にして税理士の仕事を増やしていただくような必要はないと思います。

真面目な納税者泣かせの広大地評価は変わるか?

2017.06.21

土地

平成29年度税制改正で広大地の評価が見直されます。そもそも「広大地」とは何かということですが相続税の計算の際に、1000㎡以上の(都市部は500㎡)広い土地に関しては相続税を減額しようというものです。なぜ減額かというとこのような土地の場合、宅地化して売り出そうとすると地方自治体より道路や公園など公共施設を作らねばならずつぶれ地が生じるからです。その部分の面積に応じて比例的に土地の評価を減額しようというものです。少し聞くとありがたい話のように聞こえますが実は大きな問題があります。どういったことなのでしょうか?

この広大地については法律ではなく、通達(国税庁内の規程)で評価がされることが実務であり、かつ非常にざっくりとしか書かれていません。加えて税務当局のさじ加減で評価がコロコロ変わります。例えば広大地は1画地で評価するとなっていますが、税務当局はそれが2筆以上の土地になっている場合など1画地ではないという解釈をしてくることがあります。また、マンション適地や工場用地はこの対象から外れてしまうので税務当局は不動産業者でもないのに、この土地はマンションにも転用できるはずだと解釈して広大地として認めないことがあります。そもそも広大な土地というのは一般的には処分が難しくてそのため単なる路線価x面積であると納税者に不当に高い負担が生じる可能性があります。いわゆる納税者の担税力を考慮した考え方のはずですが実態はかけ離れた実務になっています。そのため、税理士はたいていこの広大地の規程は適用せず相続税申告書を提出して、その後税務署と交渉をして更正(申告書の修正)をして広大地を税務署に認めてもらいます。なぜならば、そのまま広大地を適用して相続税申告書を出すとほぼ100%税務調査があり、かなりの確率で広大地を否認にかかるからです。そして、国税不服審判所(税務当局の取り扱いに異議のある場合判断する税務の裁判所)や裁判所で争うことになりますが、判例等を見てもほとんど納税者は敗訴しています。税務署のさじ加減で税額がコロコロ変わるという状況でした。一方で税務署との交渉が上手な税理士を富裕層が使えば、「比例的に土地の評価を減額」部分を利用し、実態以上の低い評価で節税に使えるという面もありました。社会的にも無駄なコストや負担がかかり、かつ不公平であり個人的には法治国家とは言えない状況があったと言えるかと思います。

今回の改正で広大地の減額率は外部専門業者の実地調査に基づき、各土地の個性に応じて評価されることになります。不動産鑑定士などの専門家が関与して、税務署の恣意的な判断の部分はかなり減ってくるかと思います。このあたりは期待したいと思います。これに限らず相続税の財産評価は法律ではなく、国税庁の財産評価通達という単なる国税庁内部の行政文書で決められ憲法でいう租税法定主義が歪められている面があると思います。このような部分は税理士として声を挙げていきたい部分かと思います

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