ワークライフバランスは本当に必要か?
昨日の日本経済新聞でセブン・アイ・ホールディングスの人事担当の執行役員の方が部署ごとの一斉有給休暇を始めたと記事に載っていました。「小売業は休みがとりにくいと言われているがそれでは(新しい働き方へと変化している)社会から取り残されてしまう」(カッコ内は私の補足)と述べられています。ワーク&ライフ・シナジー(仕事と生活の相乗効果)を狙い、「拙速でもいいからとにかくやってみる」発想で取り組んで切ると述べられています。根本的な考え方には賛同しますし、いろいろ試行錯誤の段階だとは思いますが、やはり疑問が残ります。それは社員が「自分の休みくらい会社に言われなくても自分で決められないのか?」ということです。
もう一つ対照的な記事が同じ日の日本経済新聞に載っていました。日本マイクロソフトの平野社長のコメントで非常に印象に残りました。「ワークライフバランスではなくワークライフチョイスが大事」だということです。平野社長は20~30代は徹底的に自分の選択として働き人生の中でそのような時期はあると述べています。ただし、それをずっと続けているのは逆にダメできちんと自分でライフの部分も考えていこうということで「ワークライフチョイス」と述べているのだと思います。
「働き方改革」で長時間労働ではダメ、休みをもっととろうといった方向に世の中は動いています。しかし時短と言ってただ単にある曜日、6時になったら一斉に帰るとか一斉に部署または会社を休みにするといった方向は賛成できません。会社として生産を高める活動をしてその結果時短となる(例えばトリンプの例などはそれに当てはまると思います)ならばともかく、ただ単にある日を休みにしたり、曜日で時短にしても他の日にしわ寄せが来るだけです。
自分の働き方は自分で考えて、会社に言われるままではなく自律的に働くそういった社員を生み出していくほうが大切なのではないでしょうか?全く医学的根拠などはない暴論かもしれませんが、他人に強制されて嫌々長時間働くとうつや過労死になりますが、自主的に働いている場合は別に長時間労働などあまり苦にはならずうつや過労死にはならないと思います。私も独立してから働く時間はいまだに若いころのピークに迫るくらい長いですが全く苦になりませんし、精神的にも肉体的にもサラリ-マン時代より健康です。私は振り返るとサラリーマン時代も割と気ままに休みを取り、さっさと仕事を切り上げて早く帰ることもあるタイプでしたが、やはりそれでも組織の中で耐えている部分はあったのだと思われます。
必ずしもいつでも「ワーク」と「ライフ」はバランスしている必要はないと思います。例えば介護や育児でライフ>ワークな時期があっても良いはずですし、逆に若いころ本人の能力を超えるような仕事を任されてワーク>ライフな時期があっても良いはずです。要は「ワークライフチョイス」、自分が自分で考えてワークとライフの部分を選択することができるのが大切なのだと思います。
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