空家にかかる譲渡所得の特例とその政策効果について思うこと
今年の4月から31年12月末まで空家にかかる譲渡所得の特例ということで相続で空家となった古い家(昭和56年5月31日以前建築)について一定の条件を満たした住宅について、譲渡所得に対し3000万円の特別控除が認められています。現に居住している住宅には3000万円の税額控除があるのに対し、空家に対しては特にそのような特例はないのでそのまま塩漬けになってしまうことを避けるためにこの税制が設けられたのではないかと推測されます。ただ、疑問なのは「一定の条件」のなかに譲渡価額が1億円を超えないことという条件があることです。
「空家の放置を避ける」という政策効果の達成を考えれば別に1億円という上限を設ける必要は感じられません。また、念の行ったことはこの条項を避けるため最初の売却から3年以内に分割して売却した場合も最終的に1億円を超えた場合はさかのぼってこの特例がなかったものとして計算しなくてはなりません。
いつも思いますが特例が出てくる一方で変にその適用条件を厳しくしてその効果を減殺させるような反作用が必ず働くような気がします。本来この程度のことは個人が別に税理士を頼まなくてもできる程度に制度をわかりやすく運用してほしいものです。税理士としては仕事が増えてありがたいのかもしれませんが、私はお客様から気持ちよくお仕事の依頼を頂戴したいと思っています。確かに手続きを代行すれば私も手間がかかるのでお金を頂戴せねばなりませんが、本来不必要な手続きでお金をもらうのは本意ではないですね。
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