指名委員会と後継者
今朝の日本経済新聞で指名委員会を設置する会社が増大しており昨日の段階で475社になったと伝えています。ただし、そのほとんどが法的拘束力の強い指名委員会等設置会社が作る指名委員会ではなく、任意の指名委員会のようです。目的は現在の社長の独断ではなく、外部の目を通した手続きを踏むということになっています。
当然上記のような目的を真摯に追及している企業も少なからずあるとは思いますが、日本の伝統的大企業の場合は「同業他社も入れているのでうちもやらないとまずい」と横並びで形式だけ整えたケースも多いのではないかと疑いをもっています。そもそも、外部の取締役等が判断するにしてもきちんとした判断するための材料が必要です。
ここでは社長の後継者を選ぶという意味での指名委員会の役割を考えていきますが、その点社内で社長を育成することのできる企業は後継者候補のセレクションは継続的に行われています。後継者候補はいくつかの部門でそのセレクションプロセスで経験し、例えば10人→3人→1人と絞られていくわけです。当然指名委員会の社外役員もそのプロセスに加わっていきます。私が社外役員の方とお話をする際、真面目な方ほど悩まれるのが社内の情報がなかなか伝わってこないということです。そのレベルではとても指名委員会は機能しないのではないかと思われてしまいます。もし指名委員会を実際に機能させるためには後継者のセレクションプロセスをきちんと作ってそれに参加してもらわないとあまり意味がないのではないかと思います。
中小企業などでも後継者が世襲というならばそれは一種の考えで構わないとは思うのですが、後継者がいわゆる番頭さんのような長年支えてくれた補佐役のような方になるケースがあります。しかし、補佐役として優れている人が必ずしも社長として優れているということはありません。本当に永続する企業にしたいのでしたら、社内で育成、または外部から社長候補(いきなり社長に据えるのはやめた方がいいです)をスカウトして信頼できるコンサルタントや顧問税理士、社外の監査役などに意見を聞いて選んでいくプロセスが大事かと思います。
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