三菱商事の赤字転落はどうしてか?

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三菱商事が今期4300億円の減損損失を計上して連結最終損益が1500億の赤字転落になることを発表しました。主としてチリの銅開発の2800億の減損が主で最近の資源安が業績を直撃したようです。もう一つの要因としては減損に対する見方が東芝事件以来厳しくなり、かなり会社側、監査法人も厳しく査定したのではないかと思われます。

資源高の2011年ごろに競うように購入した権益が軒並み減損対象になっており、新聞の論調としては「資源他頼み」のビジネスモデルが高値つかみをしてしまったというように読めます。ただ、昨年度まで4000億近い利益を毎年叩き出している際は称賛していたわけですから後付けでは何とでも言える話ではあります。ただ、(これも後付けですが)三菱商事の2015年3月期の有価証券報告書のセグメントの欄を見るとバランスの悪さが見えます。現状の総合商社の直接投資で儲けるモデルだと本来はバランスの良いポートフォリオが求められるはずです。しかし、セグメントで石油などのエネルギーは全社資産の13%をしめて純利益(4000億)の21%を稼ぎ利益に貢献していましたが、銅などの金属は資産では29%を占めているのに利益には3%しか貢献しておらず実は昨年からもうすでにお荷物状態であったことがわかります。会計士的な目からすると2015年の決算の際にもしかすると減損しなければならなかったかもしれません。

資源ビジネスなどは長い目でみていかなければなりませんから市況が悪く損が出たからと言って声高に経営陣を批判するのは的外れだと思いますが、やはり資源関連(エネルギー+金属)に全資産の4割を超えるまで資金をつぎ込んでしまったというのはやはりバランスが悪い投資ではなかったかと思われます。

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