キャノンの東芝メディカル買収価額は高いか?
昨日キャノンの株価は東芝メディカル買収発表後26円安で小幅安で終わりました。日本経済新聞の解説記事によれば①買収額の7000億円は高い②この支出で当分自社株買いなどの株主還元策は行われないだろうと予測されたためと理由を挙げています。
①買収額の高いという根拠はEV/EVIDTA比率(ざっくりいうと買収価額を何年で回収できるか)が25(年)で同業のテルモやオリンパスが15程度に比べ高いということのようです。よく上場企業や中小企業でも買収の際、非常に資産・負債の査定など買収価額の算定に労力を割きます。非常に安い買い物だったと喜んでいる社長さんにも出会ったことがありますが本当にそれだけでいいのでしょうか?このEV/EVITDA比率のEVITDAは過去の数字です。本当は将来買収企業が加わることによっての被買収企業の成長度合によって変わってくる将来のEVITDAが重要です。私がGEで買収チームに加わっていた時にチームが重視していたのは買収価額よりも自分たちが加わることによりどれだけこの買収候補会社の価値を上げることができるかでした。(よく買収後計画Post Acquisition Planといいます)まとめると当然現状の数字も大事なのですが一番大事なのは将来のことであり、そのあたりキャノンが現状でどの程度の絵を描いているのかが興味があります。
キャノンは情報の開示という面でも優れた会社ですので中期計画などで戦略的方向性を描いて見せてくれることを楽しみにしています。
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