内部進学者は使い物にならないか?

fuzoku

少し前に内部進学者は社会に出て使い物にならない人間が多いという議論がネットなどで盛り上がりました。内容をみるときちんとした統計データがあるわけではなく、「どこかの食品会社が大学の就職課に『内部進学者は紹介しないでほしい』と言ったらしい、マツコデラックスが「使い物にならない」と言ったなどの噂のレベルを過ぎない話です。「苦労していないから」ダメといった話で「どう使いものにならない」のかはっきりしません。ただ、就職活動の学生などは不安になっているようです。

私が中学からの付属校出身で公平な目で評価できる立場ではないのですが、逆に友人は多いのでサンプル数は多いかもしれません。一つとして、小学校からと中学校以降で入学してきた人たちはもともと層が違います。小学校入学者に普通のサラリーマンの子息はほぼ皆無でオーナー社長や有名人の子息が多いです。中学以降は所得層としては中上位ですが富裕層(たとえば金融資産1億以上)は極めて少数派になります。小学校も受験はありますが、中学受験以降は少なくともかなり勉強しないと入学できないはずです。ようするに小学校入学層と中学以降入学層を混ぜて議論することはかなり乱暴です。ただし、別に勉強を怠けていても大学進学ができるわけではないので、大学へ入ってからの学力の差もほとんどなかったと思います。

「大学受験という最大の関門を経ていないのでひ弱だ」というのが一つわかりやすい理由でありました。ただ、内部進学者でも交換留学で1年海外の高校にいったり、運動部で全国大会を目指したりなど挑戦している人間は少なからずおりました。公認会計士試験の経験から受験は大変だったとは思いますが、それで逆境に強くなるほどの試練だったかというとそれほどではありません。結局は「内部進学」「地方出身」といった単純なレッテルでは判断できないことだと思います。つまりいかに学生時代のんべんだらりではなく、何かしら自分で何かに真剣に挑んだかということが大切だと思います。(自分が言える立場かと言われると耳が痛いですが・・・)