大企業中高年の中小企業への転職はうまくいくか?
一億総活躍社会の実現の一つとして、高齢者の就職支援で働く意欲のある高齢者などが働き続ける仕組みが考えられています。その中で中小企業などに経験豊かなシニアを人材不足に悩み中小企業に再就職してもらうという案があります。今日も厚生労働省が中高年の退職予定者向けの人材バンクを創設するニュースが新聞に載っていました。
大企業から中小企業への転職では2つの壁があると思います。一つは取引先の態度の変化のショックへの対応です。私も40代で外資系の大企業からベンチャー企業に転職しましたが、覚悟はしていたものの取引先の変化にはショックを覚えました。世界的な大企業だと極端な話すり寄ってきた人々に中小企業に入ってきたとたん、冷たく突き放されます。具体的にいうと大企業だったときは向こうから時間を積極的にあけてくれましたが、中小企業に転職した途端、結構忙しいのでと会ってもくれなかったりします。相手もビジネスなので利益が小さそうな先には優先順位が下がるのは当然ですが淋しい気になります。
2つ前は内部的なリソースの問題で、大企業では当然あるような管理資料が中小企業では存在しないので困ります。中小企業の社員は多能工で様々な仕事をしていますから、大企業のように資料作りだけやっているような悠長な社員はいません。ナイナイつくしの中でどうやっていくかを考える必要があります。場合によっては最低限意思決定に必要不可欠なものは自分が先頭に立って作っていかなければならないし、優先度の低いものは多少不便でもあきらめなくれはいけません。
このような壁に当たって愚痴ばかり言っているようでは人望はなくなるし、煙たい人になってしまいます。当然転職にはスキルや社外人脈などは大切ですが、環境の変化に対する順応性が一番大切な気がします。順応性を身に着けるのはどうしたらいいのでしょうか?これが一番「仕組みのハコ」よりも大切だと思われます。