三菱商事KFC株売却の意味
11月6日にKFCが親会社の三菱商事がKFC株を売却し、保有割合を65.8%から37.9%に減らすと発表しました。プレスリリースでは株式流動性を高めることによる投資家層拡大と言っていますが、その通りではないでしょう。日本経済新聞の解説記事ではKFC側が意思決定のスピードを高めたい意図があると述べており、三菱商事の派遣した取締役が辞任することからもそのことが伺われます。どの程度の意思決定まで三菱商事側が関与していたかは不明ですが外食産業のように意思決定にスピードが要求される業態で親会社の承認が必要ではうまくはいかないと思われます。
一方で三菱商事側も保有資産の査定を厳しくしていて利益を上げられない資産は積極的に処分していく方向なことも挙げられると思われます。ここ5年間のKFCの業績の動きをみると売上は23年3月期の888億から下がり続け26年3月期は834億まで下がりました。27年3月期は小幅回復しましたが846億円です。経常利益も23年3月期は37億ありましたが27年3月期は6億まで減少しています。そしてピザハット関連で減損処理したことにより純損失5億の赤字に転落しています。ピザハット事業の営業損失が11億と足を引っ張っていることが業績面としては大きいと言えるでしょう。少子高齢化でフライドチキンなどを食べる若者の数が減る一方、ヤムレストランとのフランチャイズ契約は日本国内のみですから三菱商事が将来性のない資産と考えても無理はないかも知れません。私はどちらかというと三菱商事側の意図が強かったと思いますね。
余談ですが私は幼少のころKFCが大好きでその当時住んでいた川崎から二子玉川にできたKFCまでフライドチキンを家族で買いに行った記憶があります。確かにあの当時の味への驚きは私の子供などを見てもないようです。