社外取締役に著名人はNGか?

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米議決権助言行使会社のISSが社外取締役2人以上、グラスルイスが「経営経験者」が必要との立場を示したようです。社外取締役2人についてはこの6月1日から適用されたコーポレートガバナンスコードでも言及されていますので理解できます。一方「経営経験者」は元官僚や著名人などは経営の監督や企業戦略の決定能力を欠くので必要ということなようです。たとえば、カラオケの第一興商は社外取締役に元ヤクルトの古田敦也氏と宝塚の水夏希氏をエンターテイテントに対する広い見識ということで選んでいますが、経営の監督や経営戦略の決定能力と聞かれると少し疑問が残ります。官僚経験者については少なくとも「監督」能力はあると思いますが新たな天下りのネタになるのは少し困りものです。トヨタとキャノンに元国税庁長官の加藤治彦氏が就任しましたがなんとなく日本の大企業的な意思決定という感が強いです。

ただ、大企業の経営陣経験者であれば適任かというとやや疑問です。大企業のサラリーマン役員であればどちらかというと唯々諾々と上司の空気を読んで 忠実に実行してきた方が多い気がします。したがって、社外取締役となっても空気を読んであたりさわりのないことしか言わない方も多いのではないかとやや気になります。モノ言う社外取締役だとやはりオーナー創業社長などは適任でしょう。

そういった意味では社外取締役の本来の精神を生かしている代表的な会社はソフトバンクでしょう。日本電産の永守社長とファーストリテイリングの柳井社長は社外取締役です。空気などは全く読まず、なあなあな戦略意思決定などは絶対許してくれなさそうな怖い方々です。孫さんは常に耳に痛いことをいう方を経営陣に入れているということでさすがと思います。