TPP関税撤廃で日本の農業はどうなる?

たんぼ

 

TPPの大筋合意で基本的には私も歓迎すべきこととは思います。ただ、新聞などを見ても農業が一番様々な議論が多いところです。日経などの論調は基本的には自由化によって消費者に恩恵がおよび、国内生産はそれなりに打撃を受けるかもしれないが政府の施策や逆に攻めの農政で最小限に納まるであろうといった論調です。一方で残留農薬やポストハーベストの薬剤(収穫後の保存剤など)など食の安全を訴える声や、農水省が完全自由化で約3兆円農業生産額が減るといった心配する声も小さくありません。

食の安全については農業物メジャーのロビー活動など政治によりゆがめられる恐れはありますが、丹念に消費者団体などとも連携して解決していってほしいと思います。一方攻めの農業に転換していけるというのはやや楽観的な気がします。消費者が安い輸入農産物で恩恵を受けるということは、逆にその分高い国産が売れなくなるということです。他の産業と比べ農業の衰退は特に地方を中心とした国土荒廃につながる恐れが多く、対策は必要だと思います。どの産業でもそうですがいいものを生産していれば売れるといった甘いものではなくやはりマーケティングやコスト管理などが重要でそのあたりは軽視されていた感が強いと思います。

輸入農産物に対し対抗できるくらいの価格で生産するか、品質とブランドで勝負するか農業も普通の産業に近くなってきたと思います。そういった意味では新しい価値感を持った人々の参入を促進するほうが変に既存の生産者を保護するより大切なのではないでしょうか?私は農業に対する新しい感覚を持った人や企業の新規参入を促進することがカギだと思います。