日本のバイオベンチャーの新薬開発は成長するか?
バイオベンチャーによる「新薬開発 活気づく」という記事が日経に掲載されていました。一般社団法人ベンチャーエンタープライズセンターの調査によると14年度の国内ベンチャーキャピタル(VC)の投資額は13年度比の5割増の150億円になったそうです。また、プリズムファームが治験を開始し、ナノキャリアなどは治験が最終段階に入ったと伝えています。
しかし、残念なのはアメリカのVCの投資額は3000億~5000億円というレベルで桁が違いますし、製薬会社とVCの連携は盛んで、やはりこれに比べると日本はまだまだ淋しい限りです。日本の資金力のあるVCで10年を超えるような開発期間が必要な新薬に投資するのはまだまだ消極的です。新薬開発では数十億のレベルは最低開発費用が掛かるので150億程度では数は少ないと推定されます。
日本の製薬会社はまだまだ自前主義が強いというのは本当でしょう。米国の製薬会社だと事業開発部門(ビジネスディベロップメント)という部門があり常に提携相手や新薬候補を探しています。この担当者は技術的なバックグラウンドはありますが、金融手法にも詳しいビジネスマンです。あまり、日本の製薬会社でこのタイプの方にお目にかかったことはないですし、たまにいらっしゃっても欧米系製薬会社に高給で引き抜かれたりしているように思えます。あと、まだまだ日本の製薬会社は高収益で終身雇用、年功序列感覚が強く、日本のベンチャーなどへの見方がITなどと比べると冷たい気がします。
アメリカでは巨大バイオ企業が生まれており、例えばアメリカのアムジェンは1980年に創業し、売上は2014年で2兆円を超え約1兆7千億の武田製薬を抜くバイオ企業です。たまごとにわとりの話のようですが、とりあえずこのような大成功のバイオベンチャーが1つでもできればゲームチェンジャーになるのではないかと思われます。どの会社か大成功して是非日本のバイオベンチャーのゲームを大転換してほしいものです。