ZARAに近くなるユニクロ
ファーストリテイリングの柳井社長がデジタル化とグローバル化というキーワードで決算発表を行ったようです。グローバル化では中国を中心としたアジア地域への出店はますます強化されるということで基本的に今まで推し進めていたことをより強く推し進めることだと思われます。一方デジタル化は少し方向性が代わりどちらかというとZARAに近いモデルになっていくと言えるかもしれません。
ZARAの強みはいろいろあるとは思いますが、私はサプライチェーンマネージメントにあるとみています。店頭での状況を常に把握し即座に商品企画、生産に反映させ3週間ごとに新しい商品を生み出していくというところです。したがって少量多種の生産が可能で流行を敏感にとらえた商品が可能です。一方、あくまで私のイメージですが、ユニクロはベーシックな商品がまずまずの品質で安いであり比較的多量小種のモデルです。そのため流行を読み違えた際は大量の在庫処分をしなければならない比較的リスクの高いモデルと言えるでしょう。したがって、ZARAのようなモデルに近づくためには流行を即座に反映させるようなサプライチェーンの改善が急務でそういった意味でのデジタル化なのだと思います。
実はこのデジタル化はベーシックな商品というユニクロのイメージを変えていく大きな転換だと思うので非常に挑戦的な方向性だと思います。これが成功するかはわかりませんが、常に現状に満足せずにチャレンジしていく柳井社長の姿勢は尊敬しますね。