インドのIT人材を日本で生かせるか?
今日の日経の一面によると政府や東大がインド工科大学(ITT)と連携し、日本に将来の就職を前提に留学生を受け入れて日本企業を紹介する試みを考えているようです。方向性としては賛成なのですが、うまくいくのかは悲観的です。IT企業の中でDeNAのように若い人材でもどんどん仕事と責任を任せるタイプの会社であれば、うまくいく可能性はあるのですが一般的な日本の大企業では疑問です。特にまだ日本の大企業は新卒一括採用で40歳くらいまでは比較的横並びな傾向があります。自分もかつて30代後半のころ日本の大手企業に転職も考えましたが、年収は約半分になってしまい卒業年次から「管理本部財務経理グループ経理課課長代理」待遇と聞いて、かつ仕事内容も当時の自分の部下のそのまた部下がやっているような内容でがっかりした覚えがあります。
ITTと言えばおそらく世界的な評価としては東大を凌駕していますから、その中できちんとした成績を上げている人間なら欧米系企業で遅くとも30歳では最低10万ドル程度の年収と責任のあるポジションを獲得する可能性は高いと思われます。彼らはいい意味で「すぐ成長したい」貪欲な人間が多いです。
一方、日本企業の場合等級制で年棒が定められ、その中で一歩一歩階段を上っていくような給与体系の会社がまだ多いようです。昇進についても同期を横目に見ながら一歩一歩進んでいく形です。したがっていまだに昭和XX年卒から役員が誕生したなどということが雑誌などの人事情報で伝えられたりしています。またく年功を考慮する必要はないとは思いませんが、やはりやる気と実力のある人間にはどんどん挑戦、昇進、昇給で報いるようなメリハリのある仕組みを作らないとまずインドのエリートは定着しないと思います。