「おわハラ」など新卒就職活動について

shinnsotsu

 

8月1日より新卒の採用活動が解禁になりました。別にこれは文科省など国が決めているわけではなく、経団連が「採用選考に関する指針」を出し、採用広報活動を3月から、採用選考活動を8月からにしているだけです。したがって、経団連に加入していない企業にとっては関係ない話ですが日本の大手一流企業はほぼ加入しているので、大手一流企業にとっては公式には守らねばならないルールです。狙いとしてはほっておくと青田刈りが激しく、できる限り大学3年までは勉学に集中するために就職活動を4年から始めるような形にしたと言えるでしょう。

しかし、実はちょうどバブル初期に就職した私の時とほぼこのスケジュールは一緒で全く守られないのはわかっていたはずです。私の就職活動時もどちらかというと売り手市場で大手企業は解禁の日より前に「内々定」をだし、解禁の日は拘束され内定をもらう日でした。ただ、今はもう少し慎重で「採用合格基準に達しています」など言葉が違うだけのようです。「おわハラ」も結構あったようで、当時N証券など内定辞退者を呼び出して頭から牛丼をかけたとなど都市伝説的なうわさも流れました。

ゲームの理論で囚人のジレンマという話があります。2人組の強盗がつかまりましたが2人を隔離して尋問を行います。二人とも完黙を貫けば懲役2年で済みますが、どちらかが白状すると白状したほうは執行猶予がついて、しなかったほうは懲役10年、両方とも白状すると懲役5年ずつです。当然2人で完黙すれば得なはずですが相手の行動が見えないですから疑心暗鬼になり結局両方とも白状して懲役5年を受けます。結局相手の行動が見えない中では自分の利益のみを追究し結局望ましくない結果を招いてしまうという経済学の理論です。このように経済合理性のない規則は破れて当然です。また、過去にもうまくいっていなかったわけですからうまくいくはずはないのです。

正直言って大企業だと大卒の新卒と言っても幹部候補と兵隊候補はあきらかにいます。前者が少数で後者は多数です。新卒採用は幹部候補だけにして後者は通年でもいいのではないでしょうか?ただ、後者でも優秀な人はいたりするので幹部候補に挙げるラインは残しておいた方がよいとは思いますが。