都市部農地の固定資産税は優遇すべきか?

都市農地

 

農水省が都市部の農業振興策として税制優遇や固定資産税の引き下げで都市部農地の振興を図る案を考えているようです。現状は都市部の農地は農業を続けることを前提とした生産緑地と、届出すれば商業地や住宅地に転用できる宅地化農地があります。現状生産緑地は固定資産税が優遇され、農業を続ける限り実質的に相続税も払わなくてよい制度があります。しかし宅地化農地は固定資産税や相続税の問題があり、売却が進み20年で半減してしまいました。私の近所は生産緑地として畑が残っていて、何となくのどかで心が和みます。都市農地は残してほしいとは思っています。

農水省のロジックとしては現状、都市農地の生産性は高いので優遇すべきだということが理由になっているようですが、それは論理的に変です。宅地化農地のままで生産緑地として指定されないのは、農業を実際にやる意思がないことや面積が非常に狭く生産性が低いなど理由があるはずです。単純に宅地化農地を優遇すれば都市農業の生産性は低い方に引っ張られて下がるはずです。相続税逃れや固定資産税逃れの中途半端な未利用地が増える気がします。

農水省としてはどんどん農地が減っていけば当然縮小を求められるので困るとは思います。しかし、必要なのはやる気のない農家の数を増やすのではなく、やる気のある農家の人をもっと支援するようなことを考えてほしいものです。