ワールドの希望退職 -4分の1の応募だが・・・

 

ワールド

ワールドの希望退職で4分の1が応じたというニュースが報道され、なかなかこれほどのパーセンテージの人員削減というのも日本企業が国内で行うのは珍しいので少し驚きました。ただ、ワールドで従業員1800人で人件費約100億円というのは少ないと感じましたが、これは事業持ち株会社の人数でグループ全社では従業員14000人で人件費は約550億です。ワールド本体は主として商品企画などマーケティングや管理部門であり、販売・製造などは子会社に移管している企業です。今期中にに国内で15%程度の店舗を閉鎖するという計画のようですから、グループの子会社でも人員削減が実施され、それに先立って今回本社部門で人員削減を行ったということが想像されます。したがってコスト削減はこれから本格的に行われるというところでしょう。

ワールドは昨年まで日本基準で決算を公表しており2期連続の赤字でしたが今期はIFRS(国際会計基準)で公表しています。昨年は日本基準ですと税引き前利益が6億円ですがIFRSですと43億円です。この差はのれんの償却額が大きく、昨年43億円のれんの償却を行っていますがIFRSでは減損していない限り費用認識はしないので0です。IFRSの導入が進み始めたり理由にこのようにのれんの償却をしなくてよいから(あくまで想像ですが)という企業があるのは思わず苦笑をしてしまいます。

公表財務諸表的には黒字を維持しているのですが、経営管理的な社内指標でみるとかなり危機感を経営陣は持っているのだと思われます。本社部門で4分の1の「希望」退職といってもこれだけの人数が応募するためにはかなり「努力」をしないと難しいと思いますので。