国際通販課税 -アマゾンを狙えか?

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昨日から出国税制度が始まりました。ざっくりいうと1億円以上の有価証券等を所有している日本の居住者が海外に移住すると(または非居住者に譲渡)、その含み益に(売却したと仮定して)課税するものです。そのせいか、昨年周りにシンガポールや香港に移住してしまう人が何人かいて少しさびしい思いをしました。

さて、国際通販業者で現地に倉庫だけ持っている場合、恒久的施設(PE)とはみなされないのでその国で課税されないという部分を見直して倉庫をPEとみなおそうという動きがOECD諸国で起こっているようです。日経新聞の例ではアマゾンの日本法人をあげていますが、この元はアマゾンが欧州でタックスヘイブンのルクセンブルグに現地法人を持ってほとんど他の欧州の国で課税されていなかったことから始まったのではないかと思われます。

まだ、OECDから出ている原文等は見ていないのではっきりしませんが、これは通販などのその国に店舗を持たないB To Cに限定されるようですが、特に新興国などでは拡大解釈をしてPEとみなして課税するのではないかと心配されいています。確かに特に中国などでは地方政府がPEを恣意的に運用して海外企業に課税するといった例をちらほらと聞きます。

日本の一般的な大手企業だと税務部門というのは経理の中の「税金の計算や申告書を作成する」作業をする部門ですが欧米系のグローバル企業だと税務部門は「税金を安くするスキームを創る」クリエイティブな部門でKPMGやEYといった国際税務事務所から年収最低数千万で引き抜いてきたつわものが集まる部門です。このあたりで税金に関する考え方はずいぶんちがうなあと思う次第です。