カジノは日本に必要か?

ラスベガス

自民党などがカジノ解禁をもりこんだ統合型リゾート法案を国会に提出しています。結構、新聞などでも様々な議論があるようです。特に自分はカジノのあるリゾートなどに泊まってもスロットマシーンなどを30分くらいやって綺麗にすって終わりというあまり興味を持っていない層です。ただ、あの人工的なきらびやかな空間の空しい美しさはなんとなく儚くて嫌いではありません。カジノの反対派は経済面にはやや疎い面があり、推進派はギャンブル依存などの副作用に疎いという気がします。

日本経済新聞で静岡大学の鳥畑氏と自民党の細田氏の意見が載っていました。カジノ産業は複合産業でたとえばアメリカのMGMリゾートだと売上1兆2千億のうち純粋にカジノの売上は60%くらいで残りはホテル・レストランやエンターテインメントの売上です。したがって儲けるためには顧客を負けさせねばという議論を鳥畑氏は展開していますが必ずしもそうではありません。また、外資が進出してきてもすべて配当で流出してしまうと言っていますが配当は経費ではないですし、当然日本での利益は課税されますので経済的にはメリットがあると思われます。また、諸外国ではカジノ課税といってゴルフ場利用税のような税制もありますからそこからの税収も考えられるでしょう。

一方で細田氏は対策として利益の一部をギャンブル依存症の対策に充てると言っていますがなんとなく頼りない案で、副作用について真剣に考えているようには感じられませんでした。

ディズニーリゾートをもつオリエンタルランドですら5000億弱の売上ですからカジノ産業はビッグビジネスと言えるかと思います。したがって、相当なノウハウが必要でビジネス的にうまくいくかを外野の政治家や学者が考えるのは時間の無駄です。ただ一つだけ言えるのはビジネス収支面での公的介入は不要で、基本的にビジネスは民間に任せ、ただし副作用の部分について政治家・官僚や学者の方々は企業を巻き込んで真剣に考えてほしいものです。