ジェネリックを増やせば医療費は減らせるか

政府の経済財政諮問会議が厚生労働省との調整に着手したようです。以前このブログでも紹介したように日本の財政は債務超過状態でまだ出血が止まっていない状態です。その中でも社会保障の分野は本丸で医療費は年金と合わせてその中で2大分野でしょう。

薬剤師

政府はジェネリックのしめる率を現在の40%程度から80%にあげようとして、その中でジェネリックとの差額を自己負担にする案を出しています。大きな反対意見としては以下の3つです。1)ジェネリックの有効性と安全性には問題が残る2)新薬を開発する製薬会社の開発意欲を妨げる 3)医療費削減の効果が疑問の3つです。

1)については専門的な意見であり、私もわからないながらも妥当と思われる部分も多々あります。ただ、ジェネリックの承認申請についての基準を変えたり、有効性開示によりかなり改善される気がします。

2)については新薬を開発する製薬会社にとって特許切れの後売り上げが下がるわけですから営利企業としてジェネリック普及策に反対の主張は当然でしょう。ただ、製薬企業の利益のために国民が負担しなければならないかというとそれは筋違いな気がします。製薬企業は新薬を開発しないと存続できないのですから特許後売り上げが下がると仮定して製薬会社は開発戦略を練ればよいだけです。

3)については必ずしも一人あたりの医療費とジェネリック普及率の間に相関関係があまりないという意見があります。よく統計で使われるロジックですが相関は影響を与えるファクター(ここではジェネリック普及率)以外のファクターがある場合は、相関関係を見るのは難しくなります。しかし、この結果をもってジェネリックの効果なしというのは早計かと思います。

理想としては1)有効性と安全性の部分を改善して、確かにそれでも新薬が欲しい人は追加で負担でやむをえないのではないでしょうか。

あと、ちなみに「かかりつけ薬局」ということも議論に上がっていましたが現実的でしょうか?お薬手帳を持っていますがシールをもらってお金を取られる仕組みだと思っているのは私だけでしょうか?他の人々が見ている前のカウンターで自分の病状の話をするのは(風邪くらいならいいですが)普通は非常に嫌だと思うのですが。