サッポロビールに115億円返還せず -今後どうなるか?

サッポロの極ゼロが第3のビールとならないという国税当局の解釈によりいったんサッポロビール側が酒税を納付していました。今回、異議申し立てをして返還請求をしていたのですが国税当局から申し立てを認めないとの返答がありました。

ごくゼロ

国税通則法の改正により3か月という不服申し立ての審理期間の目安が明示されていて、今回も「今年の1月に返還を求めて」「4月28日・・・通知」されておりおおむね目安通りに通知がされるようになったものだと思いました。今後サッポロ側で争うとすると国税不服審判所に審査請求をすることになります。一応独立した機関と称していますが国税庁の機関であり、国税からの出向者も多く批判が多い機関です。ただし、これも新しい国税通則法により1年以内の解決が目安とされ、国税庁側含めたすべての関係者の招集や国税庁側への質問などができるようになり少し公正性は担保されるようになりました。税理士業界のあくまで感触ベースですが以前よりは多少納税者側有利な審判が増えたという話は聞きます。そして、国税不服審判所でも認められない場合は裁判所に提訴となります。ただ、納税者の勝率は7~8%程度です。裁判所の判決を見て正直言ってあまりに国税庁寄りと思う判決も多いです。ただ、これも徐々に改善されているような気はします。

サッポロ側がある程度説得力のある材料を持っているならば国税不服審判所に審査請求、それでだめなら裁判所に提訴になると思います。115億円を取り戻す努力をしなければ株主代表訴訟の恐れがあるからです。今後の動きは気になりますね。

 

 

 

サッポロビールに「115億円返還せず」 酒税分類問題で国税当局が通知 サンケイBIZ 4月28日(火)15時57分配信    

サッポロビールは28日、酒税分類に関連して、昨年追加納税し、今年1月に返還を求めた115億円について、国税当局が「返還しない」と通知してきたことを明らかにした。
この問題は、昨年5月まで、税率が低い第3のビールとして発売してきた「極ZERO」について、第3のビールではない可能性が指摘され、いったん生産・販売を中止。さらに、第3のビールでない場合に適用される高い税率との差額として、115億円と延滞税の1億円を国税当局に昨年8月までに追加納税した。
サッポロでは7月から極ZEROを税率の高い発泡酒として再発売したが、サッポロでの再検証で、極ZEROが第3のビールであることが確認。このため今年1月に115億円の返還を国税当局に求めた。
これに対し、国税当局が28日に返還しないことを書面でサッポロに通知したが、その理由は公表されていない。サッポロホールディングス広報室によれば「現時点では対応は決まっていない」が、異議申し立てなどの措置で、再度返還を求める可能性がある。
サッポロホールディングスの平成27年12月期決算では、115億円の返還がないことを前提としているため、業績に与える影響はないとみられる。