ダントツに面白い似鳥昭雄氏の私の履歴書

nitori

今、日本経済新聞で似鳥昭雄氏の「私の履歴書」を連載していますがとにかく面白いです。家具でのSPA(製造小売業)の先駆けとしてある程度の試行錯誤は当然あったと思ってはいたのですが、予想をはるかに超える失敗の連続でかつてファーストリテイリングの柳井社長が1勝9敗とおっしゃられていたことを思いだします。

思い立って奮発して米国に視察にいったり、社員を雇えばその過半数が連座して不正をやっていたり、ドーム店舗を作ったら雪でつぶれてしまうなど挑戦と失敗の連続です。教科書にあるように当初からしっかりとしたビジョンがあってそれに向かってまい進したというよりも、とにかく様々なことにチャレンジして失敗から学んでいったようです。ただ、文章から私ははっきりとは読み取れませんがどこか最低限の歯止めは持っていて完敗の前に撤退していたような気がします。とにかく試行錯誤をかなりのスピード感で行い、立ち上げれなくなる前にきっちり損切りしてやっていくのが成功の秘訣だった気がします。自分も独立してからは惨めな失敗の連続でめげることも多いのですが、似鳥氏の七転び八起きを見ていると自分などはまだまだ甘いと思います。

「私の履歴書」で私的な面白い順でいうと起業家がダントツです。芸術家・政治家・学者は本人次第で当たり障りのないことを書かれる場合は面白くありません。あまり面白くないのは日本の経営者(創業者除く)です。人生に紆余曲折はあるのですが基本的にはレールの上を走っているように感じられるからでしょうか。ただ、この方々の人生の価値が低いという意味ではないので誤解のないようにお願いします。